HUB(ハブ)の使い方と製品例

HUB(ハブ)はネットワーク対応の端末機器をLANケーブルで接続して有線LANを構成するための集線装置です。 接続されている各機器は互いに通信することができ、有線LANルーターや無線LANルーターを介してインターネットにアクセスすることができます。
以下に掲載しました「HUBの使い方」(有線LANの構成例)の図のように、 有線LANルーター(有線ルータ)無線LANルーターは多くの製品がHUB機能を備えていますが、接続端子(LANポート)の数が4個程度と少ないので、 端末機器が多い場合はHUB装置を追加接続すればLANポート数を増やすことができます。 家庭用のHUB装置はLANポート数が5個から24個程度の製品が発売されており、多段接続(カスケード接続)することも可能です。

HUBにはスイッチングHUBと共有HUB(又は、リピータHUB)の2種類がありますが、市販されているHUBはほとんどがスイッチングHUBです。 スイッチングHUBは接続端子(LANポート)に接続された機器からの信号を目的の機器が接続されたポートに直接送信するので、 通信速度が100MbpsのHUBの場合、スイッチングHUBでは機器間通信速度は100Mbpsとなります。

HUBは通信機器メーカーや周辺機器メーカーから各種の製品が発売されています。 家庭用のHUB製品は、有線LANの規格(イーサネット、IEEE802.3)である、

  • 通信速度が10Mbpsの10Mイーサネット(10BASE-T)
  • 通信速度が100Mbpsの100Mイーサネット(100BASE-TX)
  • 通信速度が1Gbpsのギガビットイーサネット(1000BASE-TX)

の3種に対応しているギガビットHUB(1000M/100M/10M対応)が主流になっています。

動画や音楽をストリーム視聴する場合は、低価格な100M/10MイーサネットHUBで十分ですが、 大容量のファイルを短時間で転送する場合は、高速なギガビットHUBが適しています。
最近では、通信速度が2.5GbpsのHUB製品も発売されるようになってきました。
なお、ギガビットクラスのHUBを用いる場合は、パソコンや各機器の通信インターフェースもギガビットクラスでなければ効果はありません。

以下では、
 ・HUBの特徴と使い方
 ・高機能なスイッチングHUB
 ・HUBの製品例
について紹介します。

HUB(ハブ)の使い方

HUB(ハブ)の使い方







HUB(ハブ)の特徴と使い方

HUB(ハブ)と他の関連機器との接続例を以下に掲載しました。
有線LANルーターや無線LANルーターは有線LANのLANポートを備えており、LANポートが複数個(4個程度)ある製品が多く発売されていますが、 接続する端末機器の数が多い場合はHUBを追加接続してLANポートの数を増やすことができます。
家庭用のHUBとしては、ポート数が5、8、12、24のスイッチングHUB製品が一般的です。 比較的に使い易いHUBはポート数が8のスイッチングHUB製品です。
また、電源を内蔵しているタイプや電源アダプタを使用するタイプの製品や、筐体(ボディー)はメタルやプラスチックの製品があります。 ファンレスの静音設計、壁掛け可能、マグネット固定可能な製品が使いやすいです。

HUBにはスイッチングHUBと共有HUB(又は、リピータHUB)の2種類があり、市販されているHUBはほとんどがスイッチングHUBです。 スイッチングHUBは接続端子(LANポート)に接続された機器からの信号を目的の機器が接続されたポートに直接送信しますが、 共有HUBは全てのLANポートに信号を送信します。従って、通信速度が100MbpsのHUBの場合、 スイッチングHUBでは機器間通信速度は100Mbpsですが、 共有HUBでは接続されている端末機器で100Mbpsを分配して使うことになるため、 通信している機器が多いと実効速度は遅くなってしまいます。

HUBを使用する際の特徴としては、特別な設定が特に必要ないことがあげられます。 端末機器をLANケーブルでHUBのLANポートに接続するだけで直ぐに利用できるようになります。

HUB(ハブ)と他の関連機器との接続例

HUB(ハブ)と他の関連機器との接続例


家庭向けのHUB製品は簡単に利用できるように様々な設定が自動で行われるようになっています。 HUBの主な機能としては次のような機能があります。

スイッチング機能
HUBは各LANポートに接続されている端末機器のMACアドレスを自動で読み取って、アドレスリストを作成します。 端末機器から送られてきた通信データ(通信フレーム)には送信先の機器のMACアドレス(宛先アドレス)が含まれていますので、 アドレスリストをもとに宛先アドレスと同じ機器が接続されているLANポートに通信データを送出します。
なお、MACアドレスは機器固有の認識情報であり、工場出荷時に製品毎に異なるMACアドレスが割り振られているので各機器を区別することができます。

オートネゴシエーション
LANポートに接続されている端末機器がどのような有線LAN規格に対応しているかを自動で判別して、 同じLAN規格で通信ができるようにします。

AUTO-MIDX
LANケーブルには2種類のタイプ(ストレート/クロス)がありますが、 LANポートに接続されているLANケーブルがどちらのタイプでも通信できるようにします。

省電力機能
LANポートに接続されている機器の稼働状態やLANケーブルの長さなどに応じて電力の供給量を自動で調整して、 省電力化が行えるようになっています。

ループ検知機能
HUBを多段接続(カスケード接続)してHUBの数が多くなると通信フレームがループしてしまう可能性がありますが、 これを検知して信号のループを防ぎます。

ジャンボフレームに対応
通信速度が1000Mbpsのギガビット対応HUBでは、 大きなサイズの通信フレーム(ジャンボフレーム)を使用して通信効率を向上しています。




高機能なスイッチングHUB

スイッチングHUBには家庭用のシンプルな製品や企業・商業ビル・学校・公共施設などの大規模なエリアで利用される高機能な製品など様々な種類があります。
家庭用のHUBの主な機能については上述しましたが、これらの他に家庭でも利用できる「ポートミラーリング」 という機能を備えてHUBがあります。 ポートミラーリングは、特定のLANポートが送信あるいは受信しているパケット通信信号を他のLANポートにコピー(ミラーリング) できる機能です。

ポートミラーリング機能は、 「ホームネットワーク(家庭内LAN)の解析ツール(3)- Wiresharkで通信手順(プロトコル)を解析 -」 のページで紹介しているネットワーク解析用ソフトウェア「Wireshark」を使用する時に役立ちます。
Wiresharkはインストールされているパソコンに出入りするパケット信号を解析するので、一般的な家庭用のスイッチングHUBを使用すると、 例えばデジタルTVとNAS(LAN接続HDD)の間の通信信号はパソコンには入ってこないので、これらのパケット信号解析はできません。 しかし、ポートミラーリング機能を備えているスイッチングHUBを使用すれば、 デジタルTVやNASが接続されているLANポートの信号をパソコンが接続されているLANポートにも送ることができるので、 デジタルTVやNASに出入りする信号を解析できるようになります。

ポートミラーリング機能を備えている低価格な製品例としては、PLANEXの「 SW-0008F2 」(100M/10Mイーサネット対応、LANポート数は8)があり、数千円程度で入手することができます。
この製品は次のような機能も備えており、通信効率やセキュリティを向上したネットワークを構成することができます。

  • VLAN機能:端末機器をグループ化して仮想的なLANグループを構成
  • QoS機能:主要な通信を優先するなど通信品質を向上
  • フィルタリング機能:端末機器の接続許可を設定してセキュリティを向上
  • パソコンのWebブラウザでHUBを遠隔操作・管理できる




HUB(ハブ)の製品例

家庭用のHUB(ハブ)製品は、Buffalo、IO DATA、COREGA、PLANEX、ロジテック等の周辺機器メーカーから発売されており、

  • 2.5Gbpsイーサネット対応製品
  • 1000M/100M/10Mイーサネット対応製品(ギガビット対応)
  • 100M/10Mイーサネット対応製品

に分類できます。
ギガビット対応製品が主流ですが、2.5G対応の製品も増えてきました。
また、LANポート数は5個、8個、16個、24個などがあるので、有線LAN対応機器の数や設置場所に応じて適した製品を選びます。

以下に、使いやすいLANポート数が8個の主な製品例を掲載しました。
主要機能のオートネゴシエーション、AUTO-MIDX、省電力機能などは各製品とも全て備えており、 有線LANルーターや無線LANルーター、端末機器などをLANケーブルで接続すれば直ぐに使えます。

【CoregaのCO-BSW08GTXVL2について】
以下の表に掲載したHUBの中で、Coregaの製品『CO-BSW08GTXVL2』は特徴のあるスイッチングHUBです。
この製品はマルチポートVLANやポートベースVLANなどを容易に構成できる8ポートのギガビットスイッチングHUBです。
各ポートにクライアントとアップリンクを設定することが出来るので、クライアント間の通信は遮断して、 アップリンクは全てのポートと通信できるようにすることが可能です(マルチポートVLAN)。
また、ポートごとにグループ分けを行って、グループ内の機器同士は通信できますが、 他のグループに属する機器との通信は遮断することができます(ポートベースVLAN)。
機器の数が多くなった場合は、このような機能を利用してセキュアなネットワークを簡単に構成できます。

HUB(ハブ)の製品例

メーカー、製品名・型番 商品情報
8ポートHUB
概 要
BUFFALO
LSW5-GT-8NS/BK スイッチングHUB(BUFFALO)


価格、口コミ

LSW5-GT-8NS/BK

ギガビット対応、
8ポート、
ジャンボフレーム対応、
電源を内蔵、
メタルボディー、
ファンレスの静音設計、
壁掛け可能、マグネット固定可能
BUFFALO
LSW5-GT-8NP/WH スイッチングHUB(BUFFALO)


価格、口コミ

LSW5-GT-8NP/WH

ギガビット対応、
8ポート、
ジャンボフレーム対応、
電源を内蔵、
プラスチックボディー、
ファンレスの静音設計、
壁掛け可能、マグネット固定可能
IO DATA
ETG-ESH08C スイッチングHUB(IO DATA)


価格、口コミ

|ETG-ESH08KC

ギガビット対応、
8ポート、
ジャンボフレーム対応、
電源はACアダプタ、
プラスチックボディー、
ファンレスの静音設計、
壁掛け可能、マグネット固定可能
COREGA
CO-BSW08GTX3
スイッチングHUB(COREGA)


価格、口コミ

CO-BSW08GTX3

ギガビット対応、
8ポート、
ジャンボフレーム対応、
電源を内蔵、
メタルボディー、
ファンレスの静音設計
COREGA
CO-BSW08GTXVL2
スイッチングHUB(COREGA)


価格、口コミ

CO-BSW08GTXVL2

ギガビット対応、
8ポート、
マルチプルVLAN対応、
ポートベースVLAN対応、
電源を内蔵、
メタルボディー、
ファンレスの静音設計

BUFFALO
LSW4-TX-8NS/WH

スイッチングHUB(BUFFALO)


価格、口コミ

BUFFALO LSW4-TX-8NS/WH

100/10Mイーサネット対応、
8ポート、
電源を内蔵、
メタルボディー、
ファンレスの静音設計、
壁掛け可能、マグネット固定可能

以下は、マルチギガビット対応の製品



PLANEX
FX2G-08EM

スイッチングHUB(PLANEX)


価格、口コミ

FX2G-08EM

2.5Gbps対応スイッチングハブ
8ポート
電源を内蔵
メタルボディー
両面放熱方式を採用

PLANEX
FX2G-05EM

スイッチングHUB(PLANEX)


価格、口コミ

FX2G-05EM

2.5Gbps対応スイッチングハブ
5ポート
電源を内蔵
メタルボディー
両面放熱方式を採用

PLANEX
FX2G-08EM

有線LANアダプター


価格、口コミ

USB-
LAN2500R

有線LANアダプター
2.5Gbps対応
パソコンやタブレット等を接続
USB-TypeA対応(USB 3.2 Gen1)
ACアダプター不要のバスパワー駆動