ネットワークカメラQwatch「TS-WLCAM」の使い方(3)
-NASの保存映像にリモートアクセス-

ネットワークカメラ(IPカメラ)の映像はパソコンやスマートフォン/タブレットだけでなく、 ホームネットワーク(家庭内LAN)に接続されているNAS(LAN接続HDD) にも動画や静止画として録画・保存できますが、これらのファイルをインターネットを経由して外出先などの外部から見るには、 リモートアクセス機能を備えているNASを使用する必要があります。

Qwatch「TS-WLCAM」 ネットワークカメラQwatch「TS-WLCAM」(右写真)の映像もこのようなNASに動画あるいは静止画として録画・保存することができ、 パソコンやスマートフォン/タブレット等を用いて外部からリモートアクセスして再生することができます。
但し、リモートアクセス機能を利用するには、 NASの設定画面を使ってNAS内の共有フォルダがリモートアクセスに対応するようにあらかじめ事前設定を行っておかなければいけません。

この事前設定とは、以下の図1のように、NASのメーカー等が提供しているダイナミックDNS(DDNS)という接続サービスを利用して、 外部からでもインターネットを経由してホームネットワーク内の機器にアクセスできるようにすることです。(以下の図1を参照)
そのためには、

  1. NAS内の共有フォルダのリモートアクセス設定
  2. DDNSを利用するためのサービスへの接続設定

を行う必要があります。

図1 NASの保存映像をインターネットを経由してリモートアクセスする仕組み(概要)

NASの保存映像をインターネットを経由してリモートアクセスする仕組み(概要)

以下では、NASに録画・保存したネットワークカメラの映像(動画、静止画)を外出先などの外部から見るために必要な、

  • NASのリモートアクセス設定の方法
  • 保存映像の再生方法

について紹介します。
なお、リモートアクセス機能を備えているNASとしては、IO DATAのLAN DISK製品を使用しています。

<参考>
リモートアクセスできるように設定したNAS内のフォルダに入っている動画や画像などのファイルは、ネットワークカメラの映像だけでなく、 インターネットでダウンロードしたコンテンツやデジカメ等で撮影した映像などであっても外部から見れるようになります。
また、ネットワークカメラの動体検知機能を利用して保存した静止画も対象となります。

<ネットワークカメラQwatch「TS-WLCAM」の関連ページ>
Qwatch「TS-WLCAM」の最初の接続設定については、
ネットワークカメラQwatch「TS-WLCAM」の使い方(1) -接続/登録設定してスマートフォンで見る-

Qwatch「TS-WLCAM」で撮影しているカメラ映像をNASに録画・保存したり、その映像を再生する方法については、
ネットワークカメラQwatch「TS-WLCAM」の使い方(2)-NASへの録画/保存と再生-

カメラ画面内の動きを検知して映像を保存する方法については、
ネットワークカメラQwatch「TS-WLCAM」の使い方(4)-動体検知映像をNASに保存して再生-


<最新情報>
最新のネットワークカメラ製品について
IO DATA社のネットワークカメラ製品Qwatchや他社の最新製品は、
 「ネットワークカメラ -特徴と製品例-
のページで紹介していますのでご覧ください。
ビューアーアプリ「LCAMView」が新たに「QwatchView」に変わるなど、変更点がありますので注意してください。


<関連ページ>
パン/チルト/暗視機能を備えた低価格なTENVIS社(中国)のネットワークカメラ「JPT3815」の接続設定や使い方については、
TENVISパン/チルト/暗視ネットワークカメラの使い方(1) -有線と無線で接続設定-
TENVISパン/チルト/暗視ネットワークカメラの使い方(2) -インターネットで見る-
TENVISパン/チルト/暗視ネットワークカメラの使い方(3) -スマートフォンで見る-
のページに掲載してあります。






NASへのリモートアクセスの設定方法

NASに保存してあるネットワークカメラの録画映像をインターネットを経由して外部から再生するために、以下の2つの設定を行っておきます。

  1. NAS内の共有フォルダのリモートアクセス設定
  2. ダイナミックDNSを提供するリモートアクセスサービスへの接続設定

ここでは、リモートアクセス機能を備えているNAS製品として、IO DATA社のLAN DISK「HDL-A2.0」を使用した場合の設定方法について紹介していきます。 なお、同社の他のシリーズでも手順は同様です。

1.共有フォルダのリモートアクセス設定
パソコンのブラウザを使用してNASの設定画面をまず表示します。
この中の「共有」をクリックするとNAS内に作成した共有フォルダが一覧表示されるので、 これらの中からリモートアクセスするために前もって作成しておいたフォルダ「camera」の「変更」をクリックすると以下の図2が表示されます。
この中の「リモートアクセス共有」にチェックを入れておくと、このフォルダ内のファイルを外部からリモートアクセスできるようになります。
なお、この画面ではパソコンでファイルを共有できるように「Microsoftネットワーク共有」と「AppleShareネットワーク共有」にもチェックが入れてあり、 更に、フォルダ内のコンテンツがDLNA対応機器からも利用できるように「DLNA共有」にもチェックが入れてあります。

また、「ユーザー許可設定」の項目では、表示されているユーザーの中からリモートアクセスできるユーザー名を選んで、 「許可したユーザー」のワクの中に入れておきます。このユーザー名はパソコンやスマートフォン等を用いてリモートアクセスする時に必要となります。

2.リモートアクセスサービスへの接続設定
IO DATA社のリモートアクセスサービス「リモートリンク」を利用するのに必要な設定を行うために、 図2の画面の「サービス」を選んで「Remote Link2設定」の画面を表示します。(図3)
この画面では「iobb.netへ登録・更新」の有効にチェックを入れ、「接続名」と「パスワード」に自分で決めた名称とパスワードを入力します。 続いて「確認」をクリックするとサービスに登録されるのでリモートアクセスができるようになります。
なお、「UPnP機能」は「使う」にチェックを入れておきます。

以上で、NASの事前設定が終了しますので、このフォルダに外部からリモートアクセスできるようになります。

<注意点>
「Remote Link2設定」の画面(図3)の下部に表示されているアドレス「http://*****.iobb.net」 はパソコンやスマートフォン等を用いてNASにリモートアクセスする時に必要となります。 ブラウザのURLにこのアドレスを入力すると、リモートアクセスを行うサービスに接続できます。

図2 NAS内の共有フォルダの設定

NAS内の共有フォルダの設定


図3 リモートアクセスサービス「リモートリンク」の設定

リモートリンクの設定




NASの保存映像にパソコンでリモートアクセス

使用したNAS「LAN DISK」のメーカーIO DATAが提供しているダイナミックDNSのサービスを利用してNASにリモートアクセスするために、 パソコンのブラウザを使用して、「Remote Link2設定」の画面(図3)に表示されていたアドレス「http://*****.iobb.net」にアクセスします。
すると、以下の図4のようなリモートアクセス開始画面が表示されます。 「Remote Link2設定」(図3)で設定した接続名を空欄に入力して「接続する」をクリックするとユーザー名とパスワードを入力するための画面(図5) が表示されるので、図2の画面で許可設定を行ったユーザーを入力してログインを行います。

続いて、リモートアクセスができるNAS内の共有フォルダが表示されるので(図6)、事前設定しておいたフォルダ「camera」をクリックすれば内部に保存されている映像ファイル (動画、静止画)が一覧表示されます(図7)。
なお、Record***は動画、Snapshot***は静止画です。
最後に、このなかのファイルをクリックするとプレーヤーソフトが起動して再生が行われます。

図4 「Remote Link2」のアドレスにアクセスする

Remote Link2のアドレスにアクセスする


図5 ユーザー名とパスワードを入力

ユーザー名とパスワードを入力


図6 リモートアクセスしたNAS内のフォルダーリスト

リモートアクセスしたNAS内のフォルダーリスト


図7 共有フォルダ「camera」内に録画・保存されている動画と静止画

共有フォルダ「camera」内に録画・保存された動画と静止画




NASの保存映像にスマートフォンでリモートアクセス

パソコンを用いたリモートアクセスと同じように、 スマートフォンの場合もブラウザアプリを使用して「Remote Link2設定」の画面(図3)に表示されていたアドレス「https://*****.iobb.net」 に接続すれば、NASの保存映像をインターネットを経由してスマートフォンで再生できます。
なお、リモートリンク用の専用アプリ「Remote Link2」が提供されていますが、 不具合が発生するケースがあるので以下ではスマートフォンに標準搭載されているブラウザアプリを使用するケースについて紹介します。

まず、ブラウザアプリを使用して「https://*****.iobb.net」に接続すると、図8のようなリモートアクセスを開始する画面が表示されるので、 図2で許可設定を行ったユーザー名とパスワードを入力してログインします。
続いてNAS内の共有フォルダの一覧が図9のように表示されるので、 カメラ映像を保存してある共有フォルダ「camera」をタップすると動画ファイルや静止画ファイルが図10のように一覧表示されます。

静止画(Snapshot***)についてはブラウザアプリですぐに見ることができます。
一方、動画(Record***)を再生するにはM-JPEGが再生できるプレーヤーアプリを選んで使用することになります。 動画ファイルをタップすると図11のようなプレーヤーアプリを選ぶ画面が表示されるので使用するアプリを選びます。 ここでは、プレーヤーアプリとして「VPlayer」を用いることにして、これをタップすると動画の再生が開始されます。 なお、VPlayerはGoogle Play等から無料でダウンロードできるのでインストールしておきます。

<参考:MX動画プレーヤーとVPlayerの違い>
MX動画プレーヤーとVPlayerは両者ともM-JPEG動画を再生できるプレーヤーアプリです。
MX動画プレーヤーは始めに動画ファイルをスマートフォン内にバッファリングするので再生開始までに多少時間が掛かりますが、 データ回線が3Gでもスムーズに再生できます。
一方、VPlayerは逐一バッファリングしながら動画を再生するので直ぐに再生が始まりますが、 データ回線が遅いとバッファリングのために動画が止まることがあります。 しかし、LTEのような高速回線ではスムーズな再生が行えます。


図8 ログイン画面に入力

ログイン画面

図9 共有フォルダ一覧

共有フォルダ一覧

図10 ファイルとサブフォルダのリスト

ファイルとサブフォルダのリスト

図11 プレーヤーアプリを選択する画面

プレーヤーアプリの選択




<ネットワークカメラQwatch「TS-WLCAM」の関連ページ>
Qwatch「TS-WLCAM」の最初の接続設定については、
ネットワークカメラQwatch「TS-WLCAM」の使い方(1) -接続/登録設定してスマートフォンで見る-

Qwatch「TS-WLCAM」で撮影しているカメラ映像をNASに録画・保存したり、その映像を再生する方法については、
ネットワークカメラQwatch「TS-WLCAM」の使い方(2)-NASへの録画/保存と再生-

カメラ画面内の動きを検知して映像を保存する方法については、
ネットワークカメラQwatch「TS-WLCAM」の使い方(4)-動体検知映像をNASに保存して再生-