音声・言葉で家電をリモートコントロール
「ノールックAI家電」

家庭内の家電製品のリモート操作/リモートコントロールは、一般的には赤外リモコンが広く利用されています。 また、複数の赤外リモコンの機能をまとめて学習させて、 1台のリモコンだけで複数の家電をコントロールできる赤外学習リモコンも発売されています。
更に、最近ではこの赤外学習リモコンの操作をスマートフォンで行うことができる無線LAN(Wi-Fi)対応の学習リモコン装置が発売されています。 例えば、代表的な製品としては、 「家電製品をリモート操作」のページでも紹介している学習リモコンeRemoteやiRemoconなどがあります。
これらを利用すると、スマートフォンの専用アプリを操作しながら複数の家電製品をリモートコントロールできます。

しかし、スマートフォンを持たないでも、あるいは、スマートフォンを見ないでも家電製品等をリモートコントロールする方法があります。
それは音声・言葉を発してコントロールする方法です。例えば、『電気をつけて』とか、 『テレビをつけて』と言うだけで家電製品をコントロールしたり、更に、音楽やニュースを聞いたり、買い物や色々な予約などもリビングで話すだけで行えるようになります。
このような音声・言葉でリモート操作する製品は「ノールックAI家電」などと呼ばれて注目されるようになりました。
雑誌の日経トレンディーでは2017年のヒット予測で第一位に「ノ―ルックAI家電」が挙げられています。

このような音声による家電のリモートコントロールが注目されるようになったのは、 米国のアマゾンが発売したスマートスピーカー「Amazon Echo」が2016年にかけて大ヒットしたことがきっかけにもなっています。
また、同じような機能を持つGoogle Homeが2016年11月に米国で発売されて、更に注目されるようになっています。

日本では、これらの製品はまだ発売されていませんが(2017年3月末現在)、 シャープが「ホームアシスタント」を2016年に発表しており、2017年には製品化する予定になっています。
また、Google Homeは2017年内に日本でも販売開始予定とアナウンスされるようになりました。 更に、他のメーカーも2017年には音声で家電をリモートコントロールできるスマートスピーカー製品(例えば、「WAVE」など) を発売すると発表しています。

このページでは、上述したような注目製品等を取り上げて、 音声・言葉で家電をリモートコントロールできる製品の特徴や主要技術などについて紹介していきます。
 ・Amazon Echo
 ・Google Home
 ・ホームアシスタント(シャープ)
 ・スマートスピーカー「WAVE」
 ・その他の関連デバイス


図1 音声・言葉で家電をリモートコントロール

音声・言葉で家電をリモートコントロール





音声・言葉で家電をリモートコントロールする製品

音声・言葉で家電をリモートコントロールできる代表的な製品としては、Amazon EchoやGoogle Homeなどがあります。
これらは英語対応の製品が米国で発売されており、「スマートスピーカー」とも呼ばれています。 音声を捉えるマイクロフォンが搭載されており、スピーカーで情報を知らせたり音楽を再生することができます。
聞き取った音声は音声認識技術で処理されて、指示された情報がインターネット情報と関連付けられて家電製品や生活製品に伝えられます。 このように、音声認識とAIによる情報解析処理の技術がベースとなっています。
Amazon EchoやGoogle Homeなどのノ―ルックAI家電は、専用リモコンやスマートフォン等でコントロールする場合とは異なり、 スイッチを入れたりアプリを立ち上げたりする必要が無いので、日常生活が更に便利で快適になります。

音声認識技術を利用して機器と対話する機能は、iPhoneの「SIRI」やアンドロイド端末の「Googleアシスタント」のように、 スマートフォンでも利用されるようになっています。従って、音声による機器のリモート操作も広く普及していくと期待されています。


Amazon Echo
Amazon Echoは、 音声で家電製品やホーム製品をリモートコントロールできる代表的な製品です。
Amazon Echoには3種類のラインナップがあり、高品質なスピーカーを備えたフル機能の「Echo」(図2)、 バッテリー内蔵で持ち歩きができる「Tap」、外部スピーカーをBuluetoothや有線で接続して使う廉価版の「Dot」が発売されています。
「Echo」は以下の図2に示したように円筒形の形状をしており、 搭載したスピーカーを用いて情報を伝えたり音楽を再生したりすることができます。
また、音声を聞き取るためのマイクロフォンが備えられていて、 音声認識・処理を行う「Alexa(アレクサ)」と呼ばれるAIが働いており、これがAmazon Echoの中心技術となっています。

Amazon Echoは無線LAN(WiFi)でホームネットワークに接続されていますが、 通常は音声コマンドを待ち受けていて、音声命令があれば直ぐに対応するようになっています。
Amazon Echoが行える主な機能としては次のようなものがあります。
 ・音声コマンドに対して、音声情報をスピーカーから返す。
 ・天気やニュースなどインターネット上の様々な情報に対応している。
 ・Gmailやカレンダーアプリと連携しており、スケジュールや予約等に答えてくれる。
 ・音楽サービスの「Amazon Prime Music」と連携して聴ける。
 ・照明や鍵、エアコンなどネット家電と連携しており、音声でリモート操作ができる。
これらはスマートフォンでも出来るようになっていますが、 Amazon Echoを利用すると部屋のどこにいても命令を口に出して言うだけで答えてくれます。 Amazon Echoのコマンドワードは「Alexa」になっており、始めにこの言葉を発してから命令を音声で伝えます。
Amazon Echoに対応する機器・製品は増えてきており、他社製品との連携が拡大しています。

図2 Amazon Echo (直径8cm x 高さ23.5cm、価格:180ドル)

Amazon Echo


Google Home
Google Homeは、 2016年11月にGoogleが米国で発売開始したスマートスピーカーです。
図3のような形状をしており、スピーカーとマイクロフォンを搭載して、「Googleアシスタント」という音声認識AIが働いています。
Google Homeのコマンドワードは「OK Google」になっており、始めのこの言葉を発してから命令を言います。

インターネット上の音楽配信サービス「Google Play Music」と連携する機能を持っているので、 音声で指示すれば希望の音楽を聴くことができます。
また、ネット家電との連携もできるので、音声でのリモートコントロールが可能です。
Chromecastデバイスとも連携しており、音声でテレビを付けて配信映像を見ることができます。 また、Netflix等のアカウントとリンクすれば音声でこれらの映像コンテンツを見れます。
このようにテレビやスピーカーなど関連周辺機器との連携を進めています。

図3 Google Home (直径9.6cm x 高さ14.3cm、価格:129ドル)

Google Home


ホームアシスタント(シャープ)
ホームアシスタントは、 シャープが2017年に発売する予定になっているロボット型のアシスタントデバイスです。
以下の図4のように親しみやすいロボットの形状をしており、 音声を聞き取るマイクロフォンや、音楽等を再生するためのスピーカーを備えています。
対応する機能としては、
 ・照明のオン・オフ
 ・エアコンの操作
 ・テレビの操作
 ・音楽の再生
 ・インターネットの検索
 ・買い物
 ・天気予報
 ・スケジュールの管理
 ・メール送受信
 ・その他
などが挙げられています。

シャープは早くからスマート家電の製品化に取り組んでおり、「ともだち家電」という名称で各種製品を発売してきています。
2015年に発売されたロボット電話「ロボホン」や、ロボット家電「ココロボ」、「ヘルシオ」など多くの音声対応の製品が発売されています。
これらの開発技術の積み上げとAI技術の開発などが、「ホームアシスタント」へとつながっていると思われます。

図4 ホームアシスタント

ホームアシスタント


スマートスピーカー「WAVE」
スマートスピーカー「WAVE」は、 LINEとNAVERが共同開発したクラウドAIプラットフォームの「Clova(クローバ)」を搭載したスマートスピーカーです。
以下の図5のような形状をしており、話しかけると音声で会話したり、ニュースや天気などのサービスを聴くことができ、 家庭内の家電機器のオン・オフなどを音声でコントロールすることができます。
WAVE本体とアプリの「Clova App」は2017年初夏に日本と韓国で発売される予定であり、 2017年冬にはスマートディスプレイ「FACE(フェイス)」も提供される予定です。

AIプラットフォームのClovaと機器・デバイスやアプリをつなぐためのインターフェイスが用意されており、 パートナーやサードパーティーと連携してプラットフォームを拡大していくことになっています。

図5 スマートスピーカー「WAVE」

スマートスピーカー「WAVE」


スマートスピーカー「Clarity」
Clarity」は、音声アシスタントのAlexaやGoogleアシスタントの両者が使えるスマートスピーカーです。
ニュースや天気を尋ねたり、音楽を聴いたり、スマートコントローラーとして例えば『ライトを消して』などのリモート操作が行えます。

Clarityは、図6のようにAndroidタブレットが内蔵されたタッチスクリーン(サイズは7インチ)の形状をしています。 音声で尋ねると、直ぐに画面に表示してくれるので確認ができます。
スピーカーは5W出力が2個搭載されており、1,600mAhのバッテリーを内蔵しているので持ち運んで使うこともできます。 価格は120ドル程度となっています。

図6 スマートスピーカー「Clarity」

スマートスピーカー「Clarity」





音声・言葉でリモートコントロールできるスマートデバイス

音声・言葉でリモートコントロールできる個別の製品は、電機メーカーなどから各種発売されています。 主な製品例を以下に紹介していきます。

サムスンの冷蔵庫
2017年にCESで発表されたネット冷蔵庫「Family Hub」は、冷蔵庫を開けずに内蔵したカメラで庫内を見ることができ、 必要な食品を音声でネット注文することができます。
音声機能はAmazon EchoやGoogle Homeのアシスタントに似ており、音楽のストリーミングやカレンダーのチェックも可能です。

シャープの「ともだち家電」
シャープは「ともだち家電」という音声操作ができる製品を各種発売しています。
家電製品にはロボット掃除機の「ココロボ」や電子調理器の「ヘルシオ」などがあり、更に、電話機の「ロボホン」も発売されています。

WiFi対応赤外学習リモコン
音声で操作ができる赤外学習リモコンとしては、グラモ社のiRemoconやAppleのIRKitなどがあります。
iRemocon」(グラモ社)は、 WiFiでホームネットワークに接続することができ、家電製品のリモートコントロールを音声でも出来る特徴があります。 外観は図7に示してあります。
スマートフォンの専用アプリを立ち上げておき、音声の指示をスマートフォンに対して行うと、その命令がiRemoconに伝えられます。 なお、この音声機能を利用する場合はプレミアム会員に登録(有償)する必要があります。

また、iRemoconはソフトバンクの「Pepper」と連携することができ、例えば、Pepperに『テレビを付けて』と話しかけるなど、 家電を音声でリモートコントロールすることができます。(2017年3月以降から開始)

図7 iRemocon

iRemocon


スマートフォンの音声認識
スマートフォンにも音声で対話できる機能が備えられています。
iPhoneの場合は「SIRI」が音声認識AIとして知られていますが、 赤外学習リモコンのIRKitと連携して家電の音声コントロールが行えます。
また、Androidスマートフォンでは「Googleアシスタント」が音声で対話するアプリとして利用されていますが、 他のデバイスとの連携はこれからです。