スマホでNAS(LAN-HDD)にリモートアクセス
家庭内のホームネットワークに接続されているNAS(LAN-HDD)に、
外出先などの外部からリモートアクセスする方法を紹介します。
リモートアクセスできれば、自宅のNASに保存してある録画番組や動画/画像/音楽などを都合のよい時間や場所で視聴、利用できるようになります。
家庭内には、テレビやレコーダーで録画した番組や、パソコン内の動画/画像/音楽や、
デジタルカメラ/ビデオカメラなどで撮影した映像など様々なコンテンツがあります。
これらのコンテンツを家庭内で視聴する時間が十分に無い場合、外出先などでも視聴できると大変便利です。
そのための解決策がNAS(LAN-HDD)を利用する方法です。
具体的には、以下の図1のように、ホームネットワークに接続したNASに録画番組や動画/画像/音楽や撮影映像などのコンテンツをまとめて保存しておき、
外出先などから家庭内のNASにリモートアクセスして必要なコンテンツを視聴、利用することです。
特に、スマートフォンを用いてNASにリモートアクセス出来れば、いつでも、どこでも視聴、利用できるので大変便利です。
最近は、無料で利用できる公衆無線LANが増えてきているので、多くの通信容量を必要とする録画番組や動画などでも気軽に視聴できます。
図1 NAS(LAN-HDD)へリモートアクセス
以下では、スマートフォンを用いてNASにリモートアクセスして、 録画番組や動画等を視聴する場合の設定方法や使い方について紹介していきます。
- リモートアクセスに対応しているNAS製品と特徴
- リモートアクセス対応NASの設定方法
- スマートフォン用アプリの設定方法
- アプリを用いてNAS「LS411DX」にリモートアクセス
- リモートアクセスの注意点
<関連ページ>
DLNAとDTCP-IPに対応するNASを取り上げて、家庭での利用を中心に使い方を紹介;
「NAS(LAN接続HDD)の使い方 -DLNA/DTCP-IP対応 -」
リモートアクセス機能を備えているNAS製品や、リモートアクセスの設定方法について紹介;
「リモートアクセスの使い方(1)-リモートアクセス対応NASと設定方法-」
パソコンを用いてNASにリモートアクセスして、コンテンツやドキュメントを再生したり、ダウンロード/アップロードする方法について紹介;
「リモートアクセスの使い方(2)-家庭のNASに外部からPCでアクセス-」
また、自宅のNASにスマートフォンでリモートアクセスして、コンテンツ/ドキュメントを利用する方法について紹介;
「リモートアクセスの使い方(3)-家庭のNASに外部からスマートフォンでアクセス-」
リモートアクセスに対応しているNAS製品と特徴
リモートアクセス機能を搭載しているNASはBuffalo社やIO DATA社などから発売されています。
動画等をネットワークを介して視聴するための機器間相互接続方式DLNAと、
デジタル放送の著作権保護方式DTCP-IPにも対応している製品としては、
Buffalo:
LS410Dシリーズ(記憶容量:1TB/2TB/3TB/4TB)
LS210Dシリーズ(記憶容量:1TB/2TB/3TB/4TB)
LS411DXシリーズ(記憶容量:2TB/3TB/4TB)
IO DATA:
HDL-ASシリーズ(記憶容量:2TB/3TB)
HDL2-Aシリーズ(記憶容量:2TB/4TB/6TB)
などがあります。
これらの中で、BuffaloのLS411DXは録画番組を外部からスマートフォン等で視聴できる方式「DTCP+」にも対応している特徴がありますので、
以下では、この製品を使用して、設定方法や使い方を紹介しています。
LS411DXの主な特徴を以下に列挙しました。
外観写真を右に掲載してあります。
- DLPAリモートアクセスガイドライン2.0に対応しているので、外出先での録画番組視聴を実現。
- 専用アプリ「MyBox設定」を使ってスマホだけでテレビやレコーダーのダビング/ムーブができる。
- 録画番組をテレビ・レコーダーからNASへ自動で圧縮ダビング。
- インターネット経由でも途切れず快適に視聴できるようにスマホ・タブレットサイズに録画データを圧縮するトランスコーダー搭載。
- デジカメ/ビデオカメラをUSBで接続して、ワンプッシュでデータを保存できる。
- iOS・Android・Windows用アプリ「DiXiM Play SE」が無料で利用できる(どれかのOSに1ライセンス)。
リモートアクセス対応NASの設定方法
インターネットを経由して外部から家庭内のNASにスマートフォンでリモートアクセスするには、以下の2つの設定が必要です。
- NASの基本設定
- スマートフォンにインストールした専用アプリの基本設定
ここでは、まずNASの基本設定について紹介します。
NAS製品としては、
BuffaloのDLNA・DTCP-IP対応NAS「LS411DX」、
スマートフォンは、
SonyのXperia(Android OS)、
を使用して紹介していきます。
なお、専用アプリの基本設定については次の章で紹介しています。
NAS「LS411DX」の設定(パソコンを用いて設定)
「LS411DX」の設定を行うためのソフトウェア「MyBox設定」をパソコンにインストールして、必要な設定を行っていきます。
このソフトはBuffaloのサイト「86886.jp」からダウンロードできます。
「MyBox設定」を起動すると、以下の図2のような設定画面が表示されます。
まず、「サーバーの基本設定」をクリックして、NASの状態が「起動中」であることを確認しておきます。
その他は、次のような設定が行えます。
- 「デジタルラックの基本設定」は、NASとペアリングされている機器の確認(以下の図3)や、
ホームネットワークに接続されたサーバー機器(機能)の情報を収集して中継配信を行うサーバー「デジタルラック」の設定を行います。
収集対象となるサーバー(以下の図4)と収集対象外のサーバー(以下の図5)の区別を行えます。 - 「コンテンツの管理」は、ダウンロード済み(保存済み)のコンテンツの確認・削除や、ネットワーク転送を行えます。
以下の 図6ではNAS内に保存されているコンテンツがリストアップされています(録画番組が2つ、動画が4つ)。 録画番組にはダビングされた回数(1)が表示されています。 - 「ダウンロード」は、他の機器からNAS内にコンテンツを保存する操作が行えます。
- 「自動ダウンロード設定」は、他の機器から自動でダウンロード(保存)するための設定が行えます。
- 「各種設定」、ディスク設定、USB機器設定、ネットワーク設定、管理設定、システム設定などを行います。
以下の<参考>の図には、Windowsの「ネットワーク」で表示されるNAS内のコンテンツの状況を掲載しておきました。
NAS「DLPA-NAS-***」の「contents」フォルダの中に、2つのフォルダ「DLNA1」と「DLNA2」を作って、
「DLNA1」の中には3つの動画をコピーして保存したので、これらが表示されています。
このコンテンツをクリックすればパソコンで再生・視聴できます。
図2 「LS411DX」の設定を行うソフト「MyBox設定」の起動画面
図3 NASとペアリングされている機器の確認
図4 リモートアクセスできるサーバの設定
図5 リモートアクセスしないサーバの指定
図6 コンテンツの管理(保存されているコンテンツのリスト)
<参考> Windowsの「ネットワーク」で表示されるNAS内のコンテンツ
スマートフォン用アプリの設定方法
NAS「LS411DX」に保存したコンテンツをスマートフォンを用いてリモートアクセスするための無料アプリ「DiXiM Play SE」が用意されていますので、
これをGoogle Play ストアやApp Storeからダウンロードします。右にアイコンを掲載しました。
以下では、このアプリを起動して設定を行っていく手順を紹介します。
アプリを初めて起動した時は、まず登録手続きを行います。プレーヤーシリアルの登録やライセンスの有効化を行った後に、
サーバー機器の登録を行います。
ホームネットワークに接続されているNAS「LS411DX」は以下の図7のように自動で見つかるので、
以下のように順に登録設定を行っていきます。
① アプリを用いてNASとペアリング(図7)
アプリを用いてNASとペアリングする。
② 使用するアプリをNAS(サーバー)へ登録(図8)
使用するこのアプリ「DiXiM Play SE」をNAS(サーバー)へ登録して、リモートアクセス出来るように設定します。
図7 NASとペアリング |
図8 アプリをNASへ登録 |
③ アプリをNASに登録(図9)
アプリをNASに登録します。
④ NASが確認される(図10)
NASがリモートサーバーとして確認されて、登録手続きが完了します。
図9 アプリをを登録中 |
図10 NASが確認される |
アプリを使用してNAS「LS411DX」にリモートアクセス
スマートフォンのアプリ「DiXiM Play SE」を起動して家庭内のNASに外部からリモートアクセスする方法について紹介します。
パソコンのソフト「MyBox設定」を用いたNASの設定では、「デジタルラック」と「メディアサーバー」が利用できるようにしておいたので、
以下では、インターネットを介してスマートフォンで両者にリモートアクセスする場合を紹介します。
スマートフォンは契約している通信回線あるいは公衆無線LAN等に接続しておきます。
① アプリを起動(図11)
スマートフォンのアプリ「DiXiM Play SE」を起動すると、図11のように、リモートサーバ―として「デジタルラック」と「メディアサーバー」が表示されます。
② サーバを表示(図12)
図11で「デジタルラック」を選択すると、NASに接続して、認識されているコンテンツの種類が図12のように表示されます。
図11 外部からアプリを起動 |
図12 「デジタルラック」の場合 |
③ サーバの内容を表示(図13)
図12で「サーバー」を選択すると、「デジタルラック」に登録してあるサーバーがリスト表示されます。
リモートアクセスできるサーバーは図4で設定した、
NAS本体「LS411DX」
ネットワークレコーダー「nasne」
デジタルTV「REGZA」
が表示されています。
しかし、もう1つの「ケーブルテレビ」(CATVのセットトップボックス)は、このアプリでは認識されませんでした。
④ NAS本体を選択(図14)
図13でNAS本体「dlpa-nas-***」を選択すると、保存してある6つのコンテンツ(動画4つ、録画番組2つ)が図14のようにリスト表示されています。
図13 サーバーの内容を表示 |
図14 NAS本体を選択 |
⑤ 動画や録画番組を選択すると(図15)
図14の動画や録画番組を選択すると、図15のように通信回線に関する注意事項が表示されます。
⑥ 動画を再生(図16)
図15の下部の「再生する」をクリックすると、図16のように動画が再生されます。また、録画番組も再生できています。
図15 動画等を選択すると |
図16 動画を再生 |
<参考>
⑦ 「メディアサーバー」を選択した場合(図17)
図11で「メディアサーバー」を選択すると、図17のようにNAS本体「dlpa-nas-***」に保存されているコンテンツが表示されます。
⑧ 「デジタルラック」でnasneを選択(図18)
図13の「デジタルラック」サーバーで「nasne」を選択した場合は、図18のように、保存されている動画コンテンツが一覧表示されます。
各動画はリモートで再生視聴できています。
なお、録画番組は再生できていません。
図17 「メディアサーバー」を選択 |
図18 nasneを選択 |
リモートアクセスの注意点
通信容量の制限
スマートフォンの通信回線契約は通常は利用できる通信容量に制限があり、これを超えると通信速度が大幅に減少してしまいます。
例えば、月間使用量の上限が5GBや10GBなどのように制限がある場合は、
大きな通信容量を必要とする録画番組や動画を視聴し続けると、この制限に直ぐに近づいてしまいます。
従って、長時間視聴し続ける場合は注意が必要です。
公衆無線LANの利用
上記のように通信容量の制限が問題になる場合は、無料で利用できる公衆無線LANを利用すると便利です。
最近は、このようなフリーWiFiが普及して接続できるサービスや場所が増えてきたので、リモートアクセスに利用することができます。
nasneとの違いと連携
ネットワークレコーダーのnasneを使うと、
放送中のテレビ番組や録画番組を外出先からでも視聴することが出来ます。
今回のNAS「LS411DX」では「デジタルラック」機能を使うと、
nasneのHDD内に保存してある動画や画像/音楽などをスマートフォンのアプリ「DiXiM Play SE」でリモート視聴できます。
しかし、nasne内の録画番組や放送中番組はリモート視聴できません。NASにダビングしておけばリモート視聴できます。