リモートアクセスの使い方(1)
-リモートアクセス対応NASと設定方法-

リモートアクセスとは、会社内のLANに接続されているコンピュータ/パソコンや、 家庭内のホームネットワークに接続されているパソコンやNAS(LAN-HDD)などに、 インターネットやデータ通信回線を経由して外出先などの外部からアクセスすることです。
家庭内の機器にリモートアクセスする場合は、外部からアクセスする機器としてパソコン、スマートフォン/タブレットなどを使用すると、 自宅のパソコンやNASに保存してある録画番組/動画/画像/音楽などのコンテンツやドキュメントファイルを視聴・利用したり、 それらをダウンロードすることができます。 更に、外部からアクセスしている機器内のコンテンツやドキュメントを自宅のNASへアップロードして保存することもできます。(以下の図1を参照)

特に、家庭内のNASに外部からリモートアクセスできると、次のような使い方ができるので大変便利です。
パソコン、スマートフォン/タブレット、デジタルカメラ、ビデオカメラなどのコンテンツや、 ネットワークカメラの映像(動作検知映像など)をなどをNASの中にまとめて保存しておけるので、 NASをホームサーバーとして幅広く利用できます。 従って、このようなNASに外部からもアクセスできれば、様々なコンテンツをいつでも、どこでも利用することができます。

図1 リモートアクセスの使い方

リモートアクセスの使い方

また、スマートフォンやタブレットを用いて外出先で撮影した映像をインターネット経由で自宅のNASに保存しておけるので、 スマートフォン等のメモリ容量を気にする必要が無く、アップされたコンテンツは家庭でも直ぐに見ることができるメリットがあります。
更に、外出先で作成したドキュメントファイルをその場で自宅のNASにアップロードして保存しておくこともできます。

以下では、NASのリモートアクセス機能を利用するために必要な、
 ・リモートアクセス対応NASの製品例
 ・リモートアクセスの設定方法
について紹介します。

<関連ページ>
パソコンを用いてNASにリモートアクセスして、コンテンツやドキュメントを再生したり、ダウンロード/アップロードする方法については、
リモートアクセスの使い方(2)-家庭のNASに外部からPCでアクセス-
のページをご覧ください。

また、自宅のNASにスマートフォンでリモートアクセスして、コンテンツ/ドキュメントを利用する方法については、
リモートアクセスの使い方(3)-家庭のNASに外部からスマートフォンでアクセス-
のページを参照してください。


<最新情報(2022年1月)>
スマートフォンを使用して家庭のNAS(LAN-HDD)にリモートアクセスする方法を紹介する
 「スマホでNAS(LAN-HDD)にリモートアクセス
を掲載しました。
NASに保存した録画番組や動画等を外出先からスマートフォンで視聴できます。






リモートアクセスに対応しているNAS製品

リモートアクセス機能を搭載しているNASはIO DATA社やBuffalo社から発売されており、次のような製品があります。
IO DATA:
 HDL-AAXシリーズ(記憶容量:2TB/3TB)
 HDL2-AAXシリーズ(記憶容量:2TB/4TB/6TB)
 HVL-RSシリーズ(記憶容量:2TB/3TB/4TB)
Buffalo:
 LS510DGシリーズ(記憶容量:1TB/2TB/3TB/4TB)
 LS210DGシリーズ(記憶容量:1TB/2TB/3TB/4TB)
 LS411DXシリーズ(記憶容量:2TB/3TB/4TB)

HDL2は保存ファイルを保護するRAID(レイド)機能を備えています。 また、HVL-RSとLS411DXは録画番組を外部からスマートフォン等で視聴できる方式「DTCP+」に対応している特徴があります。

<参考>
上記の各製品は、機器間相互接続方式のDLNAとデジタル放送の著作権保護方式DTCP-IPにも対応しているので、 NASに保存してある録画番組/放送/動画/画像/音楽などのコンテンツをホームネットワークに接続されたパソコン、デジタルTV、スマートフォン/タブレット、 ゲーム機等で再生・視聴することができます。
DLNAに対応しているNASの詳細は、
NAS(LAN-HDD)の使い方
のページを参照してください。

最新NAS製品(2021年カタログ掲載モデル)
DLNA/DTCP-IPに対応する主なNAS製品

  • IO DATA:
    HVL-RSシリーズ(テレビ放送の録画、配信モデル)
     製品例: HVL-RS4(4TB)
    HVL-AAXシリーズ(ハイスピードモデル)
     製品例: HVL-AAX2(2TB)
    HDL-TAシリーズ(スタンダードモデル)
  • Buffalo:
    LS411DXシリーズ(テレビ放送の録画、配信モデル)
     製品例: LS411D0201X(2TB)
    LS510DGシリーズ(スピードモデル)
     製品例: LS510D0201G(2TB)
    LS210DGシリーズ(スタンダードモデル)
     製品例: LS210D0301G(3TB)



リモートアクセス対応NASの設定方法

インターネットを経由して外部から家庭内のNASにリモートアクセスするには、以下の2つの設定を行っておきます。

  • NAS内の共有フォルダのリモートアクセス設定
  • ダイナミックDNSを提供するリモートアクセスサービスへの接続設定

ここでは、リモートアクセス機能を備えているNAS製品として、IO DATA社のLAN DISK「HDL-A2.0S」を使用した場合の設定方法について紹介していきます。

<注意事項>
最新のNAS製品では、設定方法が下記と異なっている場合がありますが全体の流れは同様となります。 例えば、「Remote Link2」は「Remote Link3」のように変わっています。

(1)共有フォルダのリモートアクセス設定
パソコンのブラウザを使用してNASの設定画面をまず表示します。
この中の「共有」をクリックするとNAS内に作成してある共有フォルダが以下の図2のように一覧表示されるので、 これらの中からリモートアクセスを行うフォルダを選んで設定を行います。
ここでは、「remote」フォルダの中のコンテンツやドキュメントをリモートアクセスできるようにします。

そのために「変更」をクリックすると図3のような設定画面が表示されます。
この中の「リモートアクセス共有」にチェックを入れておくと、このフォルダ内のファイルを外部からリモートアクセスできるようになります。
なお、この画面ではホームネットワークに接続されているパソコンでファイルを共有できるように「Microsoftネットワーク共有」 と「AppleShareネットワーク共有」にもチェックが入れてあり、 更に、フォルダ内のコンテンツがDLNA対応機器からも利用できるように「DLNA共有」にもチェックが入れてあります。

次に、「詳細アクセス権設定」を有効にすると、「ユーザー許可設定」の項目が表示されるので、 表示されているユーザーの中からリモートアクセスできるユーザー名を選び、「読み書きで追加」をクリックして 「許可したユーザー」のワクの中に入れておきます。
このユーザー名はパソコンやスマートフォン等を用いてリモートアクセスする時に必要となります。

図2 NAS内の共有フォルダー一覧

NAS内の共有フォルダー一覧

図3 共有フォルダのリモートアクセス設定画面

共有フォルダのリモートアクセス設定画面


(2)リモートアクセスサービスへの接続設定
次に、外部からNASにリモートアクセスできるようにIO DATA社が提供しているダイナミックDNSというサービスを利用するための設定を行います。
このリモートアクセスサービス「リモートリンク」を利用するには、図3の画面で「サービス」を選んで、図4のような「Remote Link2設定」 の画面を表示します。

この画面では「iobb.netへ登録・更新」の有効にチェックを入れ、「接続名」と「パスワード」に自分で決めた名称とパスワードを入力します。 続いて「確認する」をクリックするとサービスに登録されるのでリモートアクセスができるようになります。
なお、「UPnP機能」は「使う」にチェックを入れておきます。

以上で、NASの事前設定が終了しますので、「リモートアクセス共有」にチェックを入れた全てのフォルダに外部からリモートアクセスできるようになります。

<注意点>
図4の「Remote Link2設定」画面の下部に表示されているURLアドレス「http://*****.iobb.net」 はパソコンやスマートフォン等を用いてNASにリモートアクセスする時に必要となります。 ブラウザのURLにこのアドレスを入力すると、リモートアクセスを行うサービスに接続できます。

図4 リモートアクセスサービス「リモートリンク」の設定

リモートアクセスサービス「リモートリンク」の設定




パソコンを用いてリモートアクセスを確認

NASのリモートアクセス設定が問題なく完了しているかを確認するために、 ノートパソコン等をデータ回線や公衆無線LANに接続してホームネットワークにリモートアクセスしてみます。
まず、パソコンのブラウザを立ち上げて、図4の「Remote Link2設定」画面の下部に表示されているURLアドレス「https://*****.iobb.net」 を入力します。すると、以下の図5のような「Remote Link2」の開始画面が表示されるので、 図4の画面で設定した「接続名」を空欄に入力して「接続する」をクリックします。
続いて図6のような、ユーザー名とパスワードを入力する画面が表示されるので、図3の画面で許可設定を行ったユーザー名とパスワードを入力して、 「ログイン」をクリックします。

ログインできると、リモートアクセスできるNAS内のフォルダが図7のようにリスト表示されます。 ここでは、事前に「リモートアクセス共有」の設定を行っておいた3つのフォルダが表示されています。
例えば、「remote」フォルダをクリックすると、その中に作成しておいたフォルダが図8のように表示されます。 各フォルダをクリックすれば内部のコンテンツ等が一覧表示されるので、再生やダウンロード、アップロードなどを行うことができます。

図5 「Remote Link2」のアドレスに接続する

「Remote Link2」のアドレスに接続する

図6 ユーザー名とパスワードを入力してログインする

ユーザー名とパスワードを入力してログインする

図7 リモートアクセスしたNAS内のフォルダリスト

リモートアクセスしたNAS内のフォルダリスト

図8 「remote」フォルダ内に作成しておいたフォルダのリスト

「remote」フォルダ内に作成しておいたフォルダのリスト


<関連ページ>
パソコンを用いてNASにリモートアクセスして、コンテンツやドキュメントを再生したり、ダウンロード/アップロードする方法については、
リモートアクセスの使い方(2)-家庭のNASに外部からPCでアクセス-
のページをご覧ください。

また、自宅のNASにスマートフォンでリモートアクセスして、コンテンツ/ドキュメントを利用する方法については、
リモートアクセスの使い方(3)-家庭のNASに外部からスマートフォンでアクセス-
のページを参照してください。