スマートスピーカーの特徴比較と選び方
スマートスピーカーは、音声で話しかけるだけで、音楽の再生やニュース・天気などの情報の読み上げや、
スマートホームデバイスのリモート操作を行うことができます。
スマートスピーカーの最初の製品は2014年11月に「Amazon Echo」が米国で初めて発売され、
その後2016年には「Google Home」が発売されましたが、日本語に対応する製品は2017年になって始めて発売開始されました。
図1 スマートスピーカーとは
日本語対応の最初のスマートスピーカー製品はLINEから2017年10月5日に発売されたClova WAVEです。
但し、機能が限定された先行体験版が8月に発売されており、アップデートによって本製品と同等の機能を持つようになっています。
続いて、10月6日にはGoogleからGoogle Homeが、10月23日には小型化された「Google Home Mini」が発売されて、
日本語対応のスマートスピーカーが利用されるようになりました。
更に、11月になるとAmazonからAmazon Echoと、小型化された「Amazon Echo Dot」、高機能な「Amazon Echo Plus」
が発売されて、スマートスピーカー製品の本格的な販売競争が始まりました。
その結果、2017年は日本国内でのスマートスピーカー元年と言われています。
上記しました各スマートスピーカー製品は各社独自のAI(人工知能)アシスタントを利用しており、 音声認識能力や音声発生能力も異なっています。 Clova WAVEもGoogle HomeもAmazon Echoも現状では得意・不得意な機能があり、性能的にも一長一短がありますので、 どの製品を選べば良いかはどの様な使い方をするかによって考える必要があります。
また、Amazon EchoのAIアシスタントである「Alexa」や、
Google HomeのAIアシスタントであり「Googleアシスタント」を搭載した日本語対応のスマートスピーカー製品も他社から発売されています。
例えば、ソニーからはGoogleアシスタントを搭載したスマートスピーカー「LF-S50G」が発売されており、
オンキョーからはAlexaを搭載したスマートスピーカー
「
P3
」
(VC-PX30)とGoogleアシスタントを搭載したスマートスピーカーG3が発売されています。
これらはスピーカーとしての音質の良さを特長にしています。
以下では、代表的な下記のスマートスピーカーがどのような機能・性能を持っているかを比較して、
各製品の特徴を示していこうと思います。
「Clova WAVE」
「Google Home」
「Amazon Echo」
<追記>
ここでは、スマートスピーカーの製品化の経緯を紹介するために初期の製品を取り上げています。
最近の製品については別のページで紹介しています。
<製品情報>スマートスピーカーを各社が次々と発売
Googleアシスタントを搭載したスマートスピーカー
- オンキョーは音質を重視したスマートスピーカー「G3」を国内で発売。
- ソニーは、音にこだわったほか、時刻表示機能やジェスチャーコントロール機能、生活防水など備えたスマートスピーカー「LF-S50G」を12月9日より国内で発売。
- ソニーは、テレビ向けサウンドバーのフラッグシップモデルとして「HT-ST5000」を11月18日に国内で発売。
- ソニーが2017年11月に英国、ドイツ、スランスでスマートスピーカー「LF-S50G」を発売。
- パナソニックがスマートスピーカー「SC-GA10」を発売と発表。
- スピーカーメーカーのJBLもGoogleアシスタント対応のスマートスピーカーを発売する。
Google Homeは無料の通話機能を追加した製品を米国とカナダで提供開始すると発表。
アマゾンの音声アシスタント「Alexa」を搭載したスマートスピーカー
- 高音質のスマートスピーカーをONKYOが米国で発売。
- オンキョーは音質を重視したスマートスピーカー 「 P3 」 を日本国内でも発売。
- モバイルバッテリー等のメーカーAnkerがスマートスピーカー「Genie」を北米で発売。 日本国内向けは 「 Eufy Genie 」 (\4,980)を発売。
- レノボもAlexaを搭載したスマートスピーカーを発売。
- 東芝がAlexaを搭載したスマートスピーカーを北米で発売。
音声アシスタント「Alexa」はスマートスピーカー以外の機器にも搭載されて利用されるようになっています。
<スマートスピーカーの関連ページ>
Google HomeとスマートリモコンNature RemoをIFTTTを介して連携。
「行ってきます」や「ただいま」と一言話しかけるだけでテレビや照明やエアコンなどを同時に消したり、点けたりできます。
同時動作を撮影した動画を掲載してあります;
「Google Homeで複数のいろいろな家電を同時に音声操作」
2017年10月6日に発売された日本語対応のスマートスピーカー「Google Home」の概要や設定方法、使用した結果などについて紹介;
「スマートスピーカー「Google Home」の使い方」
LINEのスマートスピーカー「WAVE」の特徴や、初期設定・各種設定などの使い方を紹介。先行体験版を用いた初期設定の事例を掲載;
「LINEのスマートスピーカー「WAVE」の使い方(1)」
Amazon Echo、Google Home、Clova WAVEやその他の製品など、音声で音楽再生や家電操作を行えるスマートスピーカーを紹介;
「スマートスピーカー」
生活家電やAV家電などを音声・言葉でリモートコントロールできるAmazon Echo、Google Homeや、
その他のノ―ルックAI家電の製品例や技術を紹介;
「ノールックAI家電」
スマートスピーカー製品の特徴比較
スマートスピーカーの主要技術であるAIアシスタントとしては、代表的なものにはAmazonのAlexa、GoogleのGoogleアシスタント、LINEのClovaがあり、
これらを利用した日本語対応のスマートスピーカーがそれぞれ発売されています。
また、この他にもAIアシスタントとしてはAppleのSiriやマイクロソフトのCortana(コルタナ)などがありますが、スマートスピーカーの製品化は英語版も2018年以降となっています。
以下では、スマートスピーカー製品としてラインの「Clova WAVE」、グーグルの「Google Home」、
アマゾンの「Amazon Echo」を取り上げて、各製品の機能・性能などの特徴を比較しました。
これらの主な特徴を以下の表1にまとめてあります。
表1 スマートスピーカーの比較
メーカー | ライン | グーグル | アマゾン |
---|---|---|---|
製品名 | Clova WAVE | Google Home | Amazon Echo |
国内発売日 | 2017年10月5日 | 2017年10月6日 | 2017年11月8日 |
AIアシスタント | Clova | Googleアシスタント | Alexa |
ウェイクワード |
クローバ、 ジェシカ |
OK Google、 ねえ グーグル |
アレクサ、エコー、 コンピュータ、他 |
専用アプリ | LINE Clova | Google Home | Amazon Alexa |
日本語認識能力 | 〇 | ◎ | 〇 |
発音能力 | 日本語発音は〇 | 発音は△ | 発音は△ |
対話性能 | 会話の受け答え | △ | 対話性あり |
マルチユーザ対応 | 無し | 有り(6人まで) | 有り |
情報サービス への対応、 読み上げ |
ニュース、天気、 検索、 スケジュール管理、 LINEとの連携 |
ニュース、天気、 検索、 スケジュール管理 |
ニュース、天気、 検索、 スケジュール管理 |
検索機能 | ○ | ◎ | ○ |
音楽の再生 | LINE Music、他 | Google Play Music、 Spotify |
Amazon Music、 dヒッツ、TuneIn、他 |
ラジオの再生 | radiko.jp | radiko.jp | radiko.jp、 TuneIn、他 |
動画の再生 | - | Chromecastと連携、 Netflix、Youtube等 |
- Fire TVは国内では× |
メールとの連携 | LINEメッセージ | G-Mail、他 | G-Mail、他 |
他社との大きな違い | LINEサービスとの連携 | Googleのデバイス/サービスを利用 | Amazonのサービスを利用、 他社サービスとの連携 |
機器の リモート操作 |
テレビ、 照明機器 |
Hue、ルンバ、Android TV、 スマート家電 |
Hue、ルンバ、 スマート家電 |
スマートリモコン機能 | 赤外リモコン搭載 | 無し | 無し |
スマートリモコン との連携 |
無し | Nature Remo(IFTTTT利用)、 他 |
eRemote、 iRemocon、 ラトック (Skillを利用) |
IFTTTとの連携 | 無し | Google Asistantで連携 | Alexaで連携 |
機能の追加・拡張 | 弱い | Action on Google、 IFTTTで連携、他 |
スキルで追加 |
ショートカット(長文命令を一言で済ます) | - | ○ | △ |
スマートシステムとの連携 | - | au Home、 イッツコム、 他 |
光Boxと連携、他 |
マイク特性 | 集音マイクの 精度が△ |
〇 | 〇 |
スピーカー特性 | 20Wウーファー、2つのツイーター | - | 16mmΦツイーター、 63.5mmΦウーファー |
外部スピーカー接続 | - | - | ○ 3.5mmステレオ出力ジャック |
操作ボタン | 上部で操作 | 上部で操作 | 上部で操作、 音量/マイクOFF/再生/停止 |
ホームネットワークへの接続 | Wi-Fi | Wi-Fi |
Wi-Fi 11a/b/g/n(2.4/5GHz) |
Bluetoothスピーカーとして利用 | 利用可能 | 利用可能 | 利用可能 |
標準価格(税込) | 14,000円 | 14,000円 | 11,980円 |
価格・口コミ |
LINEの通販サイト
楽天市場 |
楽天市場 | Amazon Echo |
シリーズ製品 |
Clova Friends
楽天市場 |
Google Home Mini(楽天市場) |
Amazon Echo Dot
Amazon Echo Plus |
(1)Clova WAVEの関連製品、サービス
AIアシスタント「Clova」を搭載したスマートスピーカーの第2弾として、
LINEの人気キャラクター「ブラウン」と「サリー」のかたちをしたスマートスピーカー「Clova Friends」(図2-2)が2017年12月8日から予約販売が開始されました。
バッテリー内蔵で片手で持ち運べる大きさと、図2のようにキュートな見た目が特徴です。
鼻/くちばしを1度押すと一時停止します。長押しすると「Clova」と声をかけた状態と同じになります。
また、背面にはマイクオフや音量の調整ボタンやBluetoothペアリングのボタンが設置されています。
Clova WAVEの大きな特徴はメールサービスのLINEとの連携です。メールの読み上げや音声操作での送信などができます。
Clova WAVEの設定や使い方の詳細については、
「スマートスピーカー「Clova WAVE」の使い方」
で紹介していますのでご覧ください。
図2-1 Clova WAVE(高さ:201.05mm、重量:998g)
図2-2 Clova Friends(直径72mm)
(2)Google Homeの関連製品、サービス
Google Homeは図3のように小型化されたGoogle Home Miniも発売されています。
Google Home Miniは外部出力端子を備えているので外部スピーカーに接続できます。
Google HomeのAIアシスタント「Google Asistant」はインターネットサービスのIFTTTに対応しているので、 IFTTTを介してメール/ツイッタなどのSNSサービスやスマートデバイスと連携することができます。 従って、音声操作でSNSを利用したり、多くの関連機器を音声でリモート操作できるようになります。
Google HomeとスマートリモコンNature RemoをIFTTTを介して連携させて、複数のいろいろな家電を同時に音声操作する方法は、
「Google Homeで複数のいろいろな家電を同時に音声操作」
のページで紹介していますのでご覧ください。
例えば、「行ってきます」と言うだけで、テレビ、エアコン、照明など複数の機器を同時に消すこともできます。
また、Google Asistantは他社のスマートスピーカーでも採用されています。 例えば、ソニーやオンキョーから発売されている高音質が特徴のスマートスピーカーにはGoogle Asistantが搭載されています。
Google Homeの設定や使い方の詳細については、
「スマートスピーカー「Google Home」の使い方」
で紹介していますのでご覧ください。
図3 Google Home(左:直径 96.4mm)とGoogle Home Mini(右:直径 98mm)
(3)Amazon Echoの関連製品、サービス
Amazon Echoにはシリーズ製品が発売されており、日本語対応の製品としては小型化されたAmazon Echo Dotと、
スマートデバイスと連携できるスマートハブ機能を備えた高機能なAmazon Echo Plusがあります。(図4を参照)
Amazon Echoの大きな特徴は「スキル」と呼ばれる連携機能が用意されていることです。
様々なサービスや機器をAmazon Echoで音声で連携させるためのスキルは、Amazon Echoの発売と同時に各社から発表されており、
200以上のスキルを利用することができます。
また、Amazon EchoはIFTTTにも対応しているので、IFTTTを介してインターネットサービスやスマートデバイスと連携することができます。
例えば、赤外学習機能を備えたスマートリモコンであるeRemote、iRemocon、ラトックシステム製品などを音声で操作することができます。
図4 Amazon Echo(左:直径88mm)、Amazon Echo Dot(中:直径84mm)、Amazon Echo Plus(右:直径84mm)
スマートスピーカーの選び方
2017年後半に次々と発売された日本語対応のスマートスピーカー製品は、 それぞれ特徴のある機能や性能を備えていますが現状では一長一短があるので、どれがベストかは決められませんが、 大事なことはどの様な使い方をするかによって、それを実現する機能・性能を持っているスマートスピーカーを選ぶことになります。
音楽の再生にこだわるのであれば、音質の優れた製品を選ぶことになります。 また、ニュースや天気や検索などのように音声による情報提供・読み上げなどが主な使い方であれば、小型サイズの製品を選べば十分です。
スマートデバイスのリモート操作を音声で行いたいのであれば、連携できる家電やデバイスに対応しているスマートスピーカーが必要になります。 赤外リモコンに対応する多くの家電をリモート操作したいのであればスマートリモコンに対応しているAmazon EchoやGoogle Homeが便利です。
また、LINEのようなメッセージツールを家族や仲間で利用しているのであれば、Clova WAVEがあれば便利な使い方ができます。