スマートホームデバイス
スマートホームデバイスとは、スマートホームシステムを構成するための単体の機器や装置です。 このようなスマートホームデバイス(あるいは、スマートホーム機器)には色々なタイプの製品がありますが、 これらが組み合わされて何かの目的を持ったスマートホームシステムが作られます。
スマートホームにはHEMSのような電力管理を行って省エネを実現するシステムがありますが、
ホームオートメーションやホームセキュリティに着目したシステムが注目されています。
このようなスマートホームシステムで利用されるスマートホームデバイスをその役割、用途によって分けると、次のような製品があります。
- 機器をリモート操作する赤外学習リモコン(スマートリモコン)
- スマートフォンでリモート操作する家電機器(照明器具、他)
- 温度、湿度、照度などを計測する環境センサー
- 人や物の動きを検知するモーションセンサー、人感センサー
- 各種センサーと通信するゲートウェイ装置
- 見守りや監視等に利用するネットワークカメラ
- 錠やドア開閉を管理するセキュリティーデバイス
- 機器のON/OFFや電力量を計測する省エネ用デバイス
- スマート家電製品(白物家電、生活家電、他)
図1 スマートホームデバイスとは
赤外学習リモコンは、エアコンやテレビ、レコーダー等のような赤外光でリモートコントロールする機器をまとめてリモート操作できるデバイスです。
無線LAN(Wi-Fi)でホームネットワーク
に接続されるスマートリモコンは自宅内や外出先でもスマートフォンのアプリで簡単にコントロールできます。
次に、ホームオートメーションやホームセキュリティーを目的としたスマートホームシステムでは様々なタイプのセンサーが利用されています。
センサーデバイスがWi-Fiの通信規格に対応していれば、無線LANのホームネットワークに直接に接続できますが、
小電力無線(ZigBeeなどの規格)でデータ信号を送る製品の場合はWi-Fiに接続するための専用のゲートウェイ装置が必要になります。
ネットワークカメラは防犯などの監視用途に使われていましたが、最近は子供/老人/ペットなどの見守り用に広く使われるようになりました。 カメラ機能だけでなく、人感センサーや温度センサーを備えた製品も発売されています。
省エネ用デバイスはスマートホームの大きな狙いの一つでもある電力管理、節電を行える製品です。
以下では、スマートホームシステムを構成するための主要製品を取り上げて、その特徴や使い方を紹介します。
<関連情報>スマートホームデバイスの大きな変化
2017年に注目デバイス『スマートアシスタント』が登場
音声を利用して家電製品やスマートホームデバイスをコントロールするツールが2015年に登場し、
「スマートアシスタント」や「デジタルアシスタント」などと呼ばれて注目され始めました。
米国では、Amazon EchoやAmazon Dot、
Google Homeなどの音声アシスタントデバイスが既に発売されており、
人気商品となっていました。
これらは英語対応であるため日本では製品化されていませんでした。
しかし、2017年になると国内でも日本語対応製品が発売されるようになりました。
<スマートホームデバイスの関連ページ>
SwitchBot製品の概要、特徴や、スマートホームデバイスを組み合わせたシステムの作り方、 使い方等を紹介しています。
「SwitchBotの使い方 -スマートホームを作る-」
スマートホームシステムの具体的な製品例は下記のページを参照してください。
「スマートホームシステムの製品動向」
スマートホームシステムを構成するためのデバイスを使用して、マンション/アパートの1室からからでもスマートホーム化する方法を紹介しています。
詳細については「賃貸マンション/アパートの自室をスマートホームに」のページをご覧ください。
Wi-Fiなどのネットワーク機能を備えている赤外学習リモコンを利用すると、エアコン、テレビ、照明等をスマートフォンで簡単にリモートコントロールすることができます。 詳細については「家電製品をリモート操作」のページで紹介しています。
スマートホームデバイスの製品例
最近では、SwichBotや+Styleなどのように多様なスマートホームデバイスを取り揃えてシステム化製品として発売するようになってきました。
SwichBot社の製品例
+Styleの製品例の製品例
Linkjapanの製品例
一方、スマートホームシステムを構成するための個別製品も多数発売されています。
以下では、スマートホームを構成するために利用されている主なスマートホームデバイス製品を取り上げて、
用途別に分類して紹介していきます。
<デバイス・機器をコントロールするスマートリモコン>
スマートホームデバイスを統合管理する”ハブ”として機能したり、
エアコン、テレビ、レコーダー、照明器具などのような赤外リモコンで操作する機器の操作信号を学習して各機器をまとめてリモート操作したりできます。
専用アプリを使用すれば、室内や外出先などからスマートフォンで簡単にリモートコントロールできます。
また、スマートスピーカー/スマートディスプレイと連携すれば音声による指示でデバイス・機器をリモート操作できます。
ホームネットワークにはWi-Fiで接続されます。
主な製品としては、
Natureの
Nature Remo 3
Natureの
Nature Remo mini 2
SwitchBotの
ハブミニ
ラトックシステムの
smalia
アイリスオーヤマの
スマートリモコン
リンクジャパンの
eRemote5
グラモの
iRemocon WiFi
ラトックシステムの
Wi-Fi接続学習リモコンユニット
などがあります。
これらの詳細は、「スマートリモコンの使い方」のページで紹介しています。
スマートリモコンには温度センサーや照度センサーを内蔵している製品もあるので、 室内の気温や明るさを検知してエアコン等の機器のコントロールも行えます。
図2 Nature Remo 3 |
図3 Nature Remo mini 2 |
図4 SwitchBot |
図5 ラトックシステム |
図6 アイリスオーヤマ |
図7 リンクジャパン |
<リモート制御できる照明器具>
スマートフォンを用いて照明の色や光量を変えることができる「調光LEDライト」が各種製品化されています。
代表的な製品例を以下に紹介します。
ソニーのマルチファンクションライト
マルチファンクションライトとは、LEDシーリングライトとコントロール機能を持ったマルチファンクションユニットを組み合わせた照明器具です(図8)。
ユニットはWi-Fiでホームネットワークに接続されており、リモートコントロールできる赤外リモコンとして動作するのでテレビやエアコンをスマートフォン等で操作することができます。
また、スピーカーとマイクを搭載しているので音楽再生(DLNA対応プレーヤー)
や他の部屋と会話するインターホンとしても利用できます。
更に、人感センサーも内蔵しているので入室や退室でテレビや照明を自動でオン/オフしたり、人の動きをスマートフォンに知らせることも可能です。
このマルチファンクションライトは2016年から電材卸事業者や住宅会社へ販売するようになりました。
図8 ソニーのマルチファンクションライト
(中央部がマルチファンクションユニット)
フィリップスの調光LEDライト「Hue」
Philips Hue(ヒュー)
は再現できる色の数 1,600万色以上、明るさ 600lm(4,000Kの場合)のスマートライトです(図9)。
ブリッジと各ライト間の通信は無線通信(Zigbee)で行い、スマートフォンとブリッジ間の通信はWi-Fiで行います。
図9 PhilipsのHue(左側がブリッジ)
<環境センサー>
温度、湿度、照度(明るさ)などを計測できるセンサーデバイスが各種発売されており、その計測結果をメールで確認したり、
スマートフォンのアプリで表示することができます。
また、計測結果を室内のエアコンなどに知らせて空調をコントロールできる製品もあります。
Netatmo(ネタトモ)
ウェザーステーションの
Netatmo(ネタトモ)
は、
屋内外用2つのモジュールで気温(屋外範囲:-40℃~ 65℃、屋内範囲:0℃~50℃)、湿度、気圧、騒音、二酸化炭素濃度の測定を行うことができます(図10)。
各モジュールを自宅などのWi-Fiネットワークに接続することで、iPhoneやAndroidスマートフォンの専用アプリやパソコンのブラウザからモニタリングすることが可能です。
また、センサーの計測データがトリガーとなってデータ信号がインターネットに送られ、IFTTTなどと連携することもできます。
図10 Netatmo
eSensor(イーセンサー)
スマートリモコンのeRemoteを発売しているリンクジャパンから発売されている
eSensor
は、
スマートフォンで温度、湿度、照度、音、空気質を確認できるWi-Fi対応環境センサーです(図11)。
更に、eRemoteと連動可能なのでeRemoteと連携して計測結果を反映することができます。
図11 eSencer
<モーションセンサー、人感センサー、開閉センサー>
人や物の動きを感知して、老人/子供などの見守りやセキュリティーに利用するセンサーデバイスです。
パナソニックの人感センサー
パナソニックから発売されているスマートホームシステム「スマ@ホームシステム」で使われているセンサーデバイスとホームユニットが単品でも発売されており、
購入して利用することができます。
図12には
ホームユニット
と、
人感センサー
を掲載してあります。
ホームユニットと人感センサーは特別な無線通信方式で通信し、ホームユニットは家庭の無線LAN(Wi-Fi)環境を通してインターネットに接続するので、
人感センサーが検知した人の動きをスマートフォンに通知できます。
また、関連製品として、開閉センサーや屋外カメラ/屋内カメラも販売されています。
図12 Panasonicのホームユニット(左)と人感センサー(右)
<セキュリティデバイス>
玄関ドアの施錠やドア・窓などの開閉を調べるデバイスが製品化されており、
スマートフォンを用いて確認や錠の開閉をコントロールすることも可能です。
Qrio Smart Lock (キュリオスマートロック)
スマートロックデバイスの「
Qrio Smart Lock
」は、
ドアのサムターンに取り付けるだけで、家の鍵をスマートフォンで操作できるようになるデバイスです。
他社に先駆けて製品化され、その後各社からも同様の製品が発売されるようになりました。
取り付けはドアのサムターン部分に被せるだけです。後残りしにくい強力な粘着シートで取り付けるので、工事や穴あけは必要なく、
賃貸物件にも気軽に取り付けられます。
スマートフォンとはBluetoothで接続され、専用アプリで操作します。
図13 Qrio
<電力管理、省エネ用デバイス>
電力の管理や節電などの省エネを目的としたスマートコンセントが発売されています。
特に、電源のON/OFFだけでなく、使用電力量をスマートフォンで確認できる「ワットチェッカー」も製品化されています。
また、赤外線でリモート操作できるコンセント(
リモコンコンセント OCR-05
など)も製品化されているので、
これを利用すれば赤外学習リモコンで電源のオン/オフが行えます。
ePlug
スマートリモコンのeRemoteを発売しているリンクジャパンから発売されているePlugは、
スマートフォンで電源管理が行えるデバイスです(図14)。
タイマー機能を備えており、自動で電源OFFの設定によって、待機電力を減らすことができます。
また、専用アプリを用いて必要な期間の消費電力、総電力を確認でき、料金設定を記録しておけば、
リアルタイムに電気料金が表示されます。
図14 ePlug
ワットチェッカー
スマートリモコンを発売しているラトックシステムから使用電力を計測できるデバイスの
ワットチェッカー
が発売されています(図15)。
コンセントに接続してある電気製品の消費電力/電圧電流/消費電力量/測定経過時間/CO2排出量/電気料金を計測できます。
専用アプリを使用すれば、測定データや累計のグラフをスマートフォン・タブレットで表示できます。
本製品とスマートフォン・タブレットはBluetoothでワイヤレス接続されます。
図15 ワットチェッカー
スマートホームシステムのネットワークデバイス
ホームネットワークに直接に接続して利用される製品の中で、独自の機能を持っている機器・デバイス製品について以下に紹介します。
ネットワークカメラ Qwatch「TS-WRLP」
周辺機器メーカーのIO DATAから発売されているネットワークカメラのQwatch「
TS-WRLP
」は、
センサー機能も備えている製品です(図16)。
200万画素の低照度撮影ができ、動体検知機能、マイク/スピーカー機能を備えています。
また、温度・湿度センサーと人感センサーを内蔵しており、検知結果をメールでスマートフォンに知らせることができる特徴があります。
ホームネットワークとの接続は、無線LAN規格IEEE802.11 n/g/bと有線LAN規格100BASE-TX/10BASE-Tに対応しています。
図16 ネットワークカメラ Qwatch「TS-WRLP」
スマート家電
スマートフォンでコントロールしたり、インターネットに接続できる家電製品が家電メーカーから各種製品化されています。
シャープの「AIoTスマート家電」や、
パナソニックのスマート家電などがホームネットワークに接続できるので、
スマートホームシステムの機器として利用できます。