賃貸マンション/アパートの自室をスマートホームに
賃貸マンション/アパートでも自室を簡単にスマートホーム化できます。
スマートホームにすると、
エアコンや照明器具などの生活家電製品や、
テレビやレコーダーなどのAV家電機器等をスマートフォンでリモート操作できるホームオートメーションを実現できるようになり、
この操作・コントロールは室内だけでなく室外(外出先など)からでも行えます。
また、『テレビをつけて』などのように音声によるコントロールもできるようになります。
更に、室内や室外の映像をスマートフォンで見たり、
室内の様子(温度、湿度、照度、人や物の動き、他)を外出先からスマートフォンで確認できるようになります。
このようなホームオートメーションやホームセキュリティなどを実現できるスマートホームは、 一戸建ての住宅や大型マンションのサービスのように思われがちですが、 賃貸マンション/アパートの1K・1DKのような住居であっても個人で簡単に導入・設置することができます。
スマートホーム化すると様々な便利な使い方が考えられますが、主な利用シーンとしては次のようなことが挙げられます。(図1を参照)
- エアコンのON/OFFや温度設定等をスマートフォンで操作する(室内で/外出先から)
- 室内の照明をON/OFFしたり、明るさ/色調などを変えることをスマートフォンで行う(室内で/外出先から)
- テレビ、BDレコーダー、オーディオ機器などのAV機器をスマートフォンでリモート操作する(室内で/外出先から)
- 室内で受信しているテレビ放送や保存してある動画/音楽を外出先からでも視聴できる。テレビ録画もスマートフォンで指示できる
- 室内や室外の様子をネットワークカメラで撮影して、その映像をスマートフォンで見れる(室内で/外出先から)
- 古いテレビをスマートテレビ化する(配信サービスを見る。スマホ画面をテレビで見る。他)
- 室内の温度や湿度や明るさ(照度)などを外部からスマートフォンでモニタできるので、エアコンや照明のON/OFFに利用できる
- 室内の環境(温度/湿度/明るさ(照度)/他)の変化をメールで知らせてくれる
- その他
ここでは、これらのリモート操作をスマートフォンを用いて行うマートホーム化について主に紹介しますが、 広く普及してきたスマートスピーカー とスマートリモコン(Wi-Fi対応の赤外学習リモコン) を使用すると音声で指示することもできますので、これについては別のページで紹介します。
図1 自室をスマートホームにする
住居をスマートホーム化するシステム製品は、日本国内でも製品化が進められるようになり、 CATVサービスのイッツコムや家電メーカーのパナソニックなどが次のようなシステム製品を2015年頃から提供し始めています。
- イッツコムの「インテリジェントホーム」 ⇒ カメラやセンサーで見守り。家電製品のリモート操作
- パナソニックの「スマ@ホームシステム」 ⇒ カメラやセンサーで見守り
このようなシステム商品やサービスは他社も取り組むようになっています。
ここでは、上記のような企業が提供するスマートホームシステムと同じように、 マンション/アパートの1室からでも関連製品を一つずつ購入して設置していけば自分でもスマートホーム化していけるので、 その具体的な方法について紹介していきます。
- 自室をスマートホーム化するための準備(何が必要か)
- 自室をスマートホーム化した事例の紹介
<音声によるリモート操作について>
LINEが、クラウドAIプラットフォーム「Clova(クローバ)」
を用いたスマートスピーカー「WAVE(ウェーブ)」を2017年秋に日本で初めて発売しました。価格は15,000円。
「WAVE」は、リビングやダイニング、ベッドルームなど自宅での使用を想定し、設計されたスマートスピーカー。
赤外線コントローラーに対応する家電のON/OFF操作を音声で行うことが可能です。
その後、Google HomeやAmazon Echoなどのスマートスピーカーが日本でも発売されるようになりました。
スマートスピーカーについては下記のページを参照してください。
「音声で家電をリモートコントロール(ノールックAI家電)」
<スマートホームシステムの関連ページ>
スマートホームシステムの具体的な製品例は下記のページを参照してください。
「スマートホームシステムの製品動向」
「スマートホームデバイス」
Wi-Fiなどのネットワーク機能を備えている赤外学習リモコンを利用すると、エアコン、テレビ、照明等をスマートフォンで簡単にリモートコントロールすることができます。 詳細については「家電製品をリモート操作」のページで紹介していますので参照してください。
また、Wi-Fi対応の低価格な赤外学習リモコン「eRemote」を自宅内で使用した事例は下記のページで紹介しています。
「学習リモコンeRemoteの使い方」
自室をスマートホーム化するための準備
エアコンやテレビ、オーディオ装置、照明器具など多くの家電製品は赤外線を利用したリモコンが用いられています。
従って、学習機能を備えた赤外リモコン装置を利用すれば、これらをまとめてリモートコントロールすることができます。
そのような赤外学習リモコンの中には、
無線LAN(Wi-Fi)機能を内蔵した
Wi-Fi対応赤外学習リモコン(図2の①)「スマートリモコン」が発売されています。
これをホームネットワークに接続すれば、スマートフォンの専用アプリで赤外リモコン対応家電製品をリモートコントロールできるようになります。
この製品は家電製品のリモコン信号を個別に学習して記憶できるので、
家電製品をスマートフォンだけでまとめてリモート操作できるようになります。
次に、このスマートリモコンとスマートフォンの通信はWi-Fiで行うので、
室内には無線LAN(Wi-Fi)を用いるホームネットワーク(図2の②)を用意しておく必要があります。
また、室内や室外の映像が見れるネットワークカメラや、室内の様子を知るための各種センサー装置や、
スマート家電と呼ばれる製品などもWi-Fiでホームネットワークに接続できるので、これらをスマートフォンでまとめてコントロールできるようになります。
更に、このホームネットワークを光ブロードバンド回線やCATV回線などでインターネットに接続(図2の③)しておけば、 インターネットを経由して外出先などの室外からホームネットワークに接続できるので、 スマートフォンを用いて家電製品を外部からリモート操作したり自室内の状況を確認したりすることができます。
図2 自室のスマートホーム化
次に、自室をスマートホーム化するために必要な機器と概要を紹介します。(図2を参照)
① Wi-Fi対応のスマートリモコンを用意する
エアコン、テレビ、照明などをコントロールするためのWi-Fi対応スマートリモコンとしては、次のような製品が利用できます。
- Nature Remo
- SwitchBot
- eRemote
詳細は、
「スマートリモコンの使い方」
のページで紹介していますのでご覧ください。
② Wi-Fiのホームネットワークを用意する
スマートリモコンとスマートフォンが室内で通信したり、スマートリモコンに外部からスマートフォンでアクセスできるように、
無線LAN(Wi-Fi)のホームネットワークを設置しておく必要があります。
無線LAN(Wi-Fi)を構成する中心機器である無線LANルーターは、
低価格な製品がBuffaloなどの周辺機器メーカーから発売されていますので、
「無線LANルーター」
のページをご覧ください。
③ ホームネットワークをインターネットに接続する
Wi-Fiで無線LANのホームネットワークを構成したら、これをインターネットに接続するために光回線やCATVなどの通信回線を自室に引いておきます。
そして、回線業者から提供されるモデムに無線LANルーターを接続します。
また、このような固定回線契約をしない方法としては、モバイルルーターを利用する方法があります。
詳細については、
「格安SIMのモバイルルーターでホームネットワーク」
のページをご覧ください。
④ カメラをホームネットワークに接続する
室内の様子を外部から確認するための機器としてはネットワークカメラや各種センサーがありますが、
ネットワークカメラを室内に設置しておけば、映像を直接見たり、
テレビ電話のように会話もできるようになります。
詳細は、「ネットワークカメラ」のページをご覧ください。
カメラの向きを変えられるパン・チルト機能や画面を拡大表示できるズーム機能を備えたものでも数千円程度で購入できます。
⑤ センサー等をホームネットワークに接続する
室内の温度/湿度などの環境を測定するセンサーや、動きを捉えるモーションセンサーや、人感センサーなど色々なセンサーが発売されていますが、
スマートホーム向けの製品としては、SwichBotから各種デバイスが発売されています。詳しくは、
「SwitchBotの使い方 -スマートホームを作る-」
のページをご覧ください。
専用アプリが用意されているので、スマートフォンを用いて温度/湿度/照度などを知ることができます。
また、人感センサーやドア開閉センサーなども発売されており、老人の一人暮らしの見守りなどにも利用されています。
⑥ HDMI接続デバイスを利用する
テレビのHDMI端子に接続するAmazon Fire TVなどのHDMIスティックデバイスを利用すると、
テレビをスマートテレビ化できるので、
定額動画配信サービスを視聴したり、
スマートフォンの画面をテレビに表示するなど、テレビの使い方が広がります。
自室をスマートホーム化した事例
スマートフォンで自室の機器をリモート操作したり、自室の状況を確認する事例を紹介します。 各機器の接続構成は図3に示してあります。
インターネットへの接続は、NTTの光ブロードバンド・マンションタイプの固定回線を契約して利用。 そして、NTT東日本から提供されたモデムを室内に設置して、Wi-Fi対応の無線LANルーター(IEEE802.11a/b/g/n準拠)をこれに接続。
ホームネットワークは上記の無線LANルーターを中心に構成。 テレビなどの有線LAN対応製品はルーターにHUBを増設して接続してあります。 Wi-Fi対応製品は無線LANルーターとワイヤレスで直接に通信するようにしてあります。
スマートリモコンは、Wi-Fi対応のスマートリモコン「eRemote」を使用しています。
eRemoteで操作する家電機器は、エアコン、デジタルTV、照明器具を接続した赤外リモコンコンセントなどです。(図5~図8)
ネットワークカメラは室内用とドアに設置した室外用をWi-Fiで接続してあります。
テレビに接続するHDMI接続デバイスとしては、
Chromecastを使用して動画配信サービスを視聴したり、
スマートフォンの表示画面をテレビの大画面で見れるようにしてあります。ChromecastはWi-Fiでホームネットワークに接続されます。
また、スティック型PCもテレビにHDMIで接続してあり、リモートデスクトップアプリを使用してスマートフォンで操作できるようにしてあります。
室内の温度などを測る環境センサーとしては、 eRemoteが温度センサー機能を備えているので、これを利用しています。
図3 ホーム機器の接続構成
スマートフォンのアプリ画面
スマートフォンのアプリ画面例を以下の図4に掲載しました。各アプリは次のような機能を持っています。
- ① eRemote(エアコン、テレビ、照明のリモート操作。温度センサー内蔵)
- ② ネットワークカメラ(ドア用。来客の確認、会話で対応)
- ③ ネットワークカメラ(室内用。照明等の機器動作もリモートで確認できる)
- ④ スティックPCのリモートデスクトップ
- ⑤ NAS(リモート視聴用コンテンツを保存)
- ⑥ nasne(TV放送、録画番組をリモート視聴)
- ⑦ WiTV(CATVのSTBをリモート操作。地上/BS/CS/CATV放送を視聴)
- ⑧ Google Cast(スマートフォンの画面やアプリを大画面TVに表示)
eRemoteが温度センサーを備えているので、アプリのe-Controlで室内の温度を確認できます。(図6を参照)
照明の状態など室内の様子は、スマートフォンのネットワークカメラ視聴アプリで確認できます。(図9)
MyThingsを利用すると、対応するデバイスからの情報(トリガー)を元に、
状況の変化等をスマートフォンにメールで知らせる(アクション)ことができます。
ここでは、ウェアラブル活動量計などの情報通知に利用しています。
図4 スマートフォンの画面例
eRemoteの操作画面
eRemoteの操作画面を図5~図8に掲載しました。
図5では、『利用シーン』を使うと、マクロ機能により複数の操作をまとめて実行できます。
図5 eRemoteの操作機器(全体) |
図6 エアコンの操作画面 |
図7 テレビの操作画面 |
図8 照明用コンセントのON/OFF |
ネットワークカメラの画面
室内用と室外用(ドアに設置)のネットワークカメラの画面を図9~図10に掲載しました。
図9の室内用は、赤外線の暗視機能で室内を見ており、カメラの向きを変えることもできます。
また、図10の室外用は下部の円をタップすれば画像をそのまま録画できます。
室内用はTENVISのネットワークカメラ「JPT3815」を使用。
室外用はIO DATAのネットワークカメラ「QWatch」を使用。
図9 室内用ネットワークカメラの映像 |
図10 室外用ネットワークカメラの映像 |