Windows10のホームネットワーク -共有設定とDLNA-

Windows10を搭載したパソコンやタブレットをホームネットワークに接続して、 他のホーム機器と連携するには、 他のパソコンとフォルダ/ファイルを共有利用し合うための共有設定や、 テレビ/レコーダー/スマートフォン/ゲーム機などのDLNA対応機器との接続設定が必要になります。
他のパソコンと連携するには最初に「ホームグループ」を作っておき、そのグループに参加すれば、 互いのフォルダ/ファイルやプリンタ等の周辺機器の共有が行えるようになります。
また、DLNA対応機器との連携については、Windows10では当初Windows Media Player12(WMP12)のDLNA機能が廃止になりましたが、 その後のバージョンアップによりDLNAに対応するようになっています。

Windows10は2015年7月29日にリリースされたOSですが、1年間はWindows7/8.1から無償でアップデートできるので広く利用されるようになっていました。 しかし、前バージョンのWindows8.1に比べるとWindows10ではデスクトップの表示が大きく変更されており、 ネットワーク関係の設定画面もスタートメニューの「設定」と「コントロールパネル」の2つで行えるなど取扱い方が変わっています。

そこで、ここではWindows10パソコンをホームネットワークに接続して他の機器と連携するために必要な手続きや実施例について紹介します。

  • Windows10のホームグループと共有設定
  • Windows10のDLNA機器間連携

<参考情報>
ネットワークカメラの映像を見るには
ネットワークカメラの映像をWindows10パソコンで見るには、Microsoft Edgeではなくて、ActiveXが使えるInternet Explorerが利用できます。

UPnP(Universal Plug and Play)とは
ネットワークに接続されたパソコン、周辺機器、家電機器などを自動で接続したり、機器を認識できる技術あるいは手順(プロトコル)です。 1999年にMicrosoftによって提唱されて、Intel、IBM、Dellなどに支持されて仕様が策定され標準的な技術となっています。 機器間相互接続方式のDLNAではUPnPを基本方式として採用しています。






Windows10のホームグループと共有設定

ホームネットワークに接続された複数のパソコンどうしでフォルダやファイルを共有して互いに利用し合えるようにしたり、 NAS(LAN接続HDD)などの周辺機器のファイルを利用できるようにするには、 次のような2つの共有設定の方法があります。
 1.ホームグループで共有する
 2.フォルダ/ファイル毎に共有設定する

2.については、これまでのOSでもフォルダやファイル毎に共有設定が出来ていたので変わりはありませんが、 1.のホームグループとはホームネットワーク内でピクチャ、ミュージック、ビデオ、ドキュメントなどのフォルダやプリンタを共有できるパソコンのグループです。 従来の「WORKGROUP」を利用して新たに複数のパソコンを「ホームグループ」としてグループ化して、このグループに参加すれば共有ができるようにしています。 特に、参加するにはパスワードが必要になるなど、共有するユーザーの範囲が制限できるようにしています。
以下では、これらの概要について紹介します。
なお、Windows10のバージョンアップにより操作手順や名称等の変更が発生して、 以下の各図の表示形式・状態などが変更されている場合がありますので注意してください。


<ホームグループで共有する>
「ホームグループ」は1台のWindows10パソコンを用いて最初に作っておきます。
まず、スタートメニューの「設定」画面を表示して、その中から図1のような「ネットワークとインターネット」の画面を表示します。
続いて、この中の「Wi-Fi」、あるいは「イーサネット」をクリックして、その中の「ホームグループ」をクリックします。 なお、無線LANでホームネットワークに接続している場合は「Wi-Fi」を、有線LANの場合は「イーサネット」を選びます。
すると「他のホームコンピュータとの共有」の画面が表示されるので、下部の「ホームグループの作成」をクリックします。
続いて、「他のホームグループメンバーと共有します」の画面が表示されるので、ライブラリまたはフォルダのアクセス許可が「共有」になっていることを確認します。
ここで、ホームグループのパスワードが表示されるので確認してメモしておきます。 このパスワードは、他のパソコンがホームグループに参加する時に必要となります。

次に、ホームグループに参加する場合は、「他のホームコンピュータとの共有」の画面を表示すると、 ホームグループが作られていれば「今すぐ参加」タブが表示されるのでこれをクリックします。
続いて、ライブラリまたはフォルダのアクセス許可を確認した後に、パスワードを入力すればホームグループへの参加ができます。

また、ライブラリーのピクチャ/ミュージック/ビデオ/ドキュメントなどのフォルダ以外のフォルダをホームグループで共有したい場合は、 各フォルダ毎に共有設定を行ってホームグループの中に追加することができます。
それには、まず「エクスプローラー」で表示されるローカルディスクやライブラリの中から共有したいフォルダを選んで右クリックします。
そして、この時に表示されるメニューの「共有」の中から「ホームグループ(表示)」または「ホームグループ(表示及び編集)」 を選んでおけばフォルダをホームグループに追加登録できます。
ホームグループ化した結果を図2に示しておきました。


<フォルダ/ファイル毎に共有する>
ホームグループは使わないでフォルダ/ファイルを他のパソコン等と共有することもできます。 デフォルトではライブラリのピクチャ、ミュージック、ビデオ、ドキュメントなどのフォルダがホームグループ化されていますが、 これら以外の任意のフォルダ/ファイルを共有する場合は、フォルダ/ファイル毎に共有設定を行います。

まず、「ネットワークとインターネット」の画面で「イーサネット」(あるいは、「Wi-Fi」)を選び、 表示される関連設定の中の「共有の詳細オプションを変更する」をクリックします。(図3を参照)

続いて、図4のような「共有の詳細設定」の画面が表示されるので、
「ネットワークの探索を有効にする」
「ファイルとプリンタの共有を有効にする」
「Windowsでホームグループ接続を管理できるようにする(推奨)」
を選びます。また、下部の「V」ボタンをクリックすると表示される各項目も有効にしておきます。
そして、最後に「変更の保存」をクリックしておけば、下記のようにフォルダ/ファイル毎に共有設定が行えます。

デフォルトで共有化されているパブリックフォルダ以外のフォルダを共有するには、 「エクスプローラー」をクリックすると表示されるローカルディスクやライブラリの中から共有したいフォルダを選んで右クリックします。 続いて、表示されるメニューで「共有」の中の特定のユーザーを選んで共有するユーザーを追加しておきます。 この時、読み取りだけか、書き込みも出来るかを決められます。
また、共有したいフォルダを右クリックした時に表示される「プロパティ」でも共有設定ができます。


図1 「ネットワークとインターネット」でホームグループを選択

「ネットワークとインターネット」でホームグループを選択


図2 ホームグループに登録されている各種フォルダ

ホームグループに登録されている各種フォルダ


図3 共有の詳細オプションを変更してフォルダ毎に共有設定

共有の詳細オプションを変更してフォルダ毎に共有設定


図4 共有の詳細設定で各項目を選択

共有の詳細設定で各項目を選択





Windows10のDLNA機器間連携

Windows10ではDLNA対応ソフトウェアであったWindows Media Player12のDLNA機能が当初は廃止されてしまいましたが、 その後のバージョンアップによりDLNAサーバー/クライアントとして利用できるようになっています。
また、Windows Media Playerの他にも、DLNAを利用してテレビ/レコーダー/スマートフォン/ゲーム機などと機器間連携(動画/画像/音楽等の配信や再生) を行うことが出来るサーバソフトやクライアントソフトがあるので紹介しておきます。

DLNA対応(あるいは、UPnP対応)のソフトウェアとしては、

  • パソコン内のコンテンツ(動画など)を配信できるサーバソフト
  • 他の機器のコンテンツ(動画など)を再生・視聴できるクライアントソフト

がありますが、Windows10で使える代表的な例を以下で紹介します。
なお、UPnPは機器間の相互接続を行う標準的な方式ですが、DLNAでも採用しているのでUPnPに対応していればDLNA対応と同じように扱うことができます。

<サーバソフト>
DLNA対応あるいはUPnP対応のサーバソフトの中で代表的なものとしては、
Mezzmo 」(DLNA対応、有料)
TVersity」(UPnP対応、有料/フリー)
Kodi」(UPnP対応、フリー)
などがあります。Kodiはクライアントソフトとしても利用できます。
Mezzmoの大きな特徴はトランスコード機能を備えている点です。例えば、FLV動画はKodiでは配信できませんが、 Mezzmoを使えばファイル形式を変換(トランスコード)して配信することができるので、 mpeg2しか再生できないような旧型のデジタルTVでもFLVやMP4動画を再生・視聴することができます。また、TVersityもトランスコード機能を備えています。
これらの詳細については、
 サーバーソフトMezzmoの使い方 -PC・NASの動画/画像/音楽を配信-
 TVersityの使い方
 サーバーソフトKodiの使い方
のページをご覧ください。

<クライアントソフト>
UPnPに対応している各種プレーヤーソフトが使えますが、代表的なプレーヤーソフトとしては以下のソフトウェアがあります。
 VLC Player
 GOM Player
これらは、メニューの「ファイルを開く」で他のパソコンやNASやスマートフォン等のコンテンツを表示することができ、動画を再生・視聴することができます。
これらの詳細については、
 動画・音楽コンテンツの再生プレーヤー
のページをご覧ください。

<テレビ番組/動画/画像/音楽の再生・視聴ソフト>
デジタルTVやBDレコーダー、ネットワークレコーダーnasneなどで録画したテレビ放送番組を再生・視聴するには、 クライアントソフトがDLNAだけでなく著作権保護方式のDTCP-IPにも対応している必要があります。 このようなDLNA/DTCP-IP対応ソフトウェアとしては下記の製品があります。
PowerDVD 20 」(CyberLink社)
SoftDMA 」(CyberLink社)
DiXiM Digital TV plus 」(デジオン社)
これらは、録画番組だけでなく放送中のテレビ番組もホームネットワークを経由してパソコンで視聴することができます。
これらの詳細については、
 PowerDVD 22 Ultraの使い方
 PowerDVD 15/14 Ultraの使い方
 DiXiM Digital TV plus
のページをご覧ください。