ファイル形式(フォーマット)と変換

インターネット上のコンテンツには色々なファイル形式(フォーマット)のものがあります。 例えば、YouTubeやニコニコ動画などはFLV(Flash Video)を主に採用していますが、 このフォーマットのままPCやLAN‐HDDにダウンロード・保存しても、 DLNA対応のデジタルTVネットワークメディアプレーヤー では再生できない場合があるので、 DLNAが対応しているMPEGやWMVなどのフォーマットに変換してから共有(公開) フォルダに保存しておく必要があります。

以下では、 ホームネットワーク(家庭内LAN)による デジタルホーム構築に関連するマルチメディア コンテンツのファイル形式(フォーマット)の概要について紹介し、 マルチメディアコンテンツを活用するのに必要なフォーマット変換ツールや、 コンテンツをPCで再生・確認するためのメディアプレーヤーソフトについて紹介します。

なお、マルチメディアコンテンツを活用できるデジタルホームの詳細については、
 ・デジタルホームへ向けて
 ・デジタルホームの作り方
 ・デジタルホームの使い方
 ・デジタルホームの構築例
デジタルホーム構築に関連する機器については、
 ・マルチメディア機器
 ・デジタル家電
 ・ネットワークオーディオ
 ・新コンセプト機器
デジタルホーム構築のベースとなるホームネットワーク(家庭内LAN)については、
 ・ホームネットワーク(LAN)
 ・ホームネットワーク機器
 ・高速PLCの使い方
等の各ページ(左記メニュー)をご覧ください。





動画コンテンツのファイル形式(フォーマット)

主な動画フォーマットの特徴を以下に紹介します。
動画コンテンツで使用されている動画や音声のコーデックや、画面サイズ、フレームレート、 ビットレートなどを簡単に調べることができるフリーソフトとしては、 真空波動研MMname2などがあります。


ファイル形式
(フォーマット)
拡張子 概 要

AVI

.avi

Audio-Video Interleave。
Windows標準のファイル形式(コンテナ形式)。
任意のコーデックでエンコードされた動画や音声のデータを格納しており、再生には対応するコーデックを用意する必要がある。
高画質だがファイルサイズが大変大きくなる。
ストリーム配信用途には不向き。
1 つのファイルの容量は、RIFF の仕様上 4GB まで、マルチメディアエンジンの仕様上 2GB (16bit版エンジンは1GB) までに制限。

MPEG1

.mpg

Moving Picture Experts Group(MPEG)によって決められた標準規格。
MPEG形式では、前の画像から変化した部分だけを次の画像に書き込み、 変化の無い部分は前の画像を流用することでファイルサイズを小さくする。
ビデオCD(CD-ROM)で採用されている圧縮規格であり、画質は VHS ビデオ相当。
画像サイズ:最大 352×240
再生速度(ビットレート):1.5Mbps 程度まで
標準的な画質の場合、1分間あたり10MB~15MB程度のファイルサイズ。

MPEG2
(H.262)

.mpg
.m2p

Moving Picture Experts Group(MPEG)によって決められた標準規格。
H.262は国際標準団体「ITU-T」が定めた規格。
地デジ、BS、CS放送やDVDビデオで使用されている。
画像サイズ:720x480(標準)~1920x1080(フルHD)
ビットレート:4M~24Mbps
1分間あたりのファイルサイズは約45MB程度(MPEG1の約4倍)。

MPEG4

.asf
.avi

携帯端末向けの動画に主に利用される。
ビットレート:数Mbpsまで
ネットワークカメラにも利用されるようになった(従来は、Motion-JPEG)。

MPEG4-AVC
(H.264)

.mp4
.m4v
.m2t
.mov

BD-DVD、HD-DVD、ワンセグ放送、インターネット配信などに使用されている。
MPEG2やMPEG4に比べて1.5~2倍の圧縮率を実現できるため、通信、 放送や蓄積メディア等で有利になる。
画像サイズ:320x240~1920x1080
ビットレート:16K~10Mbps

MP4

.mp4

MPEG系の圧縮動画データ、AACやMP3などの音声、JPEGやPNGなどの静止画などを多重化して格納するファイル形式の一つ。
モバイル機器(スマートフォン、タブレット等)、ゲーム機、動画共有サイトなどで使用されている。
MPEG4 Part14とも呼ばれている。

WMV

.wmv

Windows Media Video。
Microsoft 社が推奨しているビデオストリーミング用の独自規格ファイル。
新バージョンであるWMV9の他にWMV8、WMV7などもあるが、DLNAが対応しているのはWMV9。
DVD やオンライン ダウンロードなどのコンシューマ向けコンテンツとして、 高精細な動画まで提供可能。
標準画質ビデオの解像度は480p以下。
高精細ビデオ(WMV9HD)の解像度は720p、1080p。

MOV

.mov

Apple社が 1991 年リリースのQuickTime用に開発したマルチメディアファイル形式。
インターネット上での動画配信によく使われている形式の一つ。

RM
(Real Media)

.rm

RealNetworks 社が配布しているRealPlayer用のファイル方式。
圧縮率が高く、ストリーミング再生を前提。

SWF

.swf

マクロメディア社が開発したアニメーションファイルフォーマット。
再生するにはMacromedia Flash Player(Plugin)が必要。

FLV

.flv

SWF ファイルから呼び出すことで Flash Player で再生することのできる専用のビデオファイル。
Youtube、ニコニコ動画やGoogle Videoなど多くの動画共有サイトでストリーミング配信に 使われている。

ASF

.asf

Advanced Streaming Format。
Microsoft 社が提唱しているストリーミング用のファイル形式。

DivX

.divx
.avi

MPEG4 形式をベースにチューニングが施された圧縮方式DivXを使用。
画質を落とさずに、サイズを小さくできる(MPEG2の約1/4)。

AVCHD

.m2ts
.mts

1080i、720pのHD信号を8cmDVDディスクに圧縮記録するHDデジタルビデオカメラ規格。
映像圧縮はMPEG-4 AVC/H.264方式、音声はドルビーデジタル(AC-3)方式、 又はリニアPCM方式を採用。

DVD-Video

.vob
.ifo

DVDで使用されているフォーマット。


ファイル形式(フォーマット)と各種コーデックの組み合わせ事例

ファイル形式
(フォーマット)
拡張子 映像コーデック 音声コーデック

AVI

.avi

DivX5

MPEG1-Layer3(MP3)

AVI

.avi

DV Codec(SD)

PCM

AVI

.divx

DivX6

MPEG1-Layer3(MP3)

MPEG1

.mpg

MPEG1

MPEG1-Layer2

MPEG2

.mpg

MPEG2

MPEG1-Layer2

ISO/MPEG4

.mp4

H264/AVC

MPEG4 Audio

WMV

>.wmv

WMA8、WMV9

WMA

WMV

.wmv

WMA9

WMA9 Pro.

MOV(QT Movie)

.mov

Sorenson Video3

MPEG Audio

Flash Video

.flv

On2 VP6(VP6.2)

MP3




ファイル形式(フォーマット)の変換
-フリーソフト-

YouTubeやニコニコ動画などのFLV(Flash Video)ファイルをダウンロードする時に
自動的にMPEG2、WMVなどのファイルに変換できるダウンロード用フリーソフトとしては、 「サポートツール(ダウンロード/保存/録画)」 のページで紹介しましたCravingExplorerなどがあります。

一方、ダウンロード等により入手した各種フォーマットのコンテンツを汎用的に フォーマット変換できる代表的なフリーソフトとしては、 例えば、以下のものがあります。
 ・ SUPER(C)
 ・ BatchDOO
 ・ MediaCoder
SUPER(C)は、多くの形式の動画ファイル(avi/mpg/wmv/asf/mov/mp4/swf/vob
/3gp/3g2/ogg/Apple iPod/Sony PSP)、音声ファイル(aac/ac3/amr/mp2/mp3
/wav)をサポートしています。 更に、操作・設定が容易で、処理時間が短いのでお勧めです。

画面サイズや再生時間、フレームレートが同じコンテンツでも、どのようなファイルフォーマット であるかによってファイル容量が異なります。画質が同様であれば、できるだけ容量の少ない フォーマットにして保存しておいたほうがHDDの容量を圧迫しないで済みます。 例えば、HDデジタルビデオカメラやブルーレイディスク等で使用されるようになったH.264 (MPEG4 AVC)は画質が同じでもファイル容量を小さくできる特徴があります(MPEG2の約半分)。

SUPER(C)の画面例

SUPER(C)の設定画面例




ファイル形式(フォーマット)変換の実施例

ニコニコ動画からダウンロードしたFLVファイルを、 SUPER(C)、MediaCoder、BatchDOO、Craving Explorerの4種を使用して、 MPEGファイルに変換した結果を以下の表にまとめてみました。 変換前のFLVファイルは画面サイズもビットレートも小さいため、MPEG1形式に変換してあります。 各仕様は変換前と変わらないように指定しましたが、ソフトによっては変更されてしまっている場合もあります。
Craving Explorerはダウンロードした時に同時に変換も行った結果ですが、 ファイルサイズが3倍程度に大きくなってしまいます。 ダウンロードしたファイルを後からCraving Explorerで変換しても同じような大きなサイズになってしまいます。 従って、ダウンロードした後に、他の変換ソフトを使って変換した方がよさそうです。
なお、各仕様は全て真空波動研を使用して調べた結果です。


仕 様 変換前
ファイル
SUPER(C) Media Coder Batch DOO Craving Explorer
フォーマット FLV MPEG1 MPEG1 MPEG1 MPEG1
画面サイズ 512 x 384 512 x 384 512 x 384 512 x 384 512 x 384

フレームレート

30fps

25fps

25fps

29.97fps

30fps

ビットレート

353.13kbps

384kbps

VBR

VBR

VBR

音声形式

MPEG1
-LayerⅢ

MPEG1
-LayerⅡ

MPEG1
-LayerⅢ

MPEG1
-LayerⅡ

MPEG1
-Layer

音声
サンプルレート

44.10
kHz

44.10
kHz

44.10
kHz

44.10
kHz

44.10
kHz

音声
ビットレート

32kbps

192kbps

128kbps

128kbps

32kbps

音声
ステレオ

Joint-
stereo

Stereo

Joint-
stereo

Stereo

Joint-
stereo

再生時間

4分16秒2

4分16秒5

4分16秒3

4分16秒3

4分16秒

ファイルサイズ 19.58MB 18.46MB 16.99MB 16.58MB 61.26MB




ファイル形式(フォーマット)の変換
-ハードウェア、トランスコードソフト-

マルチメディアコンテンツのファイル形式(フォーマット)を変換するツールとしては、 上記のフリーソフトだけでなく、以下のような、LAN-HDD(NAS)への保存用ソフトや、 DLNAサーバ用のソフトなどがあります。

(1)フォーマット変換して保存するLAN-HDD(NAS)
 PLANEX社のNAS「DigiJuke」
 ・ダウンロード用ソフト「動画万能」をPCにインストールしてDigijukeに保存
 ・YouTubeの動画をDLNA対応機器向けにMPEG2に変換
 ・iPod向けにMPEG4に変換しながらiTunesに登録
 ・動画の音声からMP3を作成

(2)トランスコード機能を持つDLNAサーバ/クライアントソフト
 B's 動画 on TV
 ・PCにインストールして使用。サーバ/クライアントソフト。
 ・DLNA準拠のコンテンツは自動的にスルーしてPCの負荷上昇や画質劣化を防止。
 ・DLNA対応デジタルTVからもアクセスできる。
  ⇒詳細は、「B's 動画 on TV」の使い方のページをご覧ください。

 TVersity
 ・PCにインストールして使用。サーバソフト。
 ・DLNAには正式に準拠していないが、DLNA対応と同様の機能がある
  ⇒詳細は、TVersityの使い方のページをご覧ください。