NAS(ネットワーク対応HDD、LAN接続HDD)の使い方
− DLNA/DTCP-IP対応 −

NAS(Network Attached Storage)は、ネットワーク対応HDDやLAN接続HDDとも呼ばれており、 業務用や家庭内のLAN(Local Area Network)に直接に接続して使用する記憶装置(ストレージ装置)です。 内部のハードディスクドライブ(HDD)にドキュメントファイルや動画、静止画、音楽等の各種コンテンツを保存しておき、 それらをLANを介して他の機器に配信(送出)するサーバ装置として利用することができます。
一般家庭向けのNAS製品はIO DATAやBuffalo、Planexなどの周辺機器メーカーから発売されていますが、 パソコンやデジタル家電(デジタルTV/BD・DVDレコーダ/他)、 ネットオーディオ機器など様々な機器に保存されているファイルやマルチメディアコンテンツをNAS内のHDDにコピー・ダビングしておけば、 ホームネットワーク(家庭内LAN)に接続されている機器がこれらをまとめて共有利用する事ができるので、 ホームサーバーとして幅広く活用することができます。

家庭向けのNASはほとんどの製品が機器間相互接続方式のDLNAに対応していますので、 ホームネットワークに接続されたDLNA対応機器はNASに保存されたコンテンツを自動で認識することができます。 更に、デジタル放送の著作権保護方式DTCP-IPにも対応するNAS製品は、 デジタルTVやBDレコーダで録画した番組のダビングや配信を行うことができます。

最新NAS製品
2015年発売の主なDLNA/DTCP-IP対応NAS製品


NASの使い方としては、次のような事例が挙げられます。なお、クライアント機器とは、パソコンやデジタル家電、 ネットオーディオ機器、ゲーム機、モバイル機器(スマートフォン、タブレット)などホームネットワークに接続してコンテンツを再生する機器です。
 ・パソコンのファイルをコピーしておき、複数のクライアント機器で共有利用する
 ・デジタル放送を保存(ダビング)しておき、複数のクライアント機器で共有利用する
 ・ネットオーディオ機器の音楽コンテンツを保存しておき、音楽サーバとして共有利用する
 ・デジカメ、ビデオカメラの映像を保存しておき、複数のクライアント機器で共有利用する
これらはホームネットワーク内での利用ですが、この他に、パソコンやモバイル機器を用いて、 インターネットを介して外部からコンテンツを利用できるリモートアクセス機能を備えた製品もあります。

一般的なファイルや動画・静止画・音楽、デジタル放送番組等のコンテンツは、通常は色々な機器に分散して保存されていますが、 それらを分類・整理してNAS内に作成したフォルダに保存しておけば、コンテンツの管理や読み出しが分かり易くなりますので、 ホームネットワークに各種機器を接続して利用している場合はNASを設置しておくとたいへん便利になります。

特に、NASは常時スイッチを入れておくため直ぐに利用することができ、 パソコンやデジタル家電機器等のスイッチを入れる手間が省けます。
また、NASの記憶容量は1台で1TBから4TB程度あるので多くのコンテンツをまとめて保存でき、 容量が足りなくなった場合にはホームネットワーク上にNASを何台も追加していけます。

以下では、DLNAとDTCP-IPに対応するNASを取り上げて、家庭での利用を中心に下記の内容について紹介します。
 ・パソコンのファイルを保存して配信
 ・デジタル放送の保存と配信
 ・音楽コンテンツの保存と配信
 ・デジカメ、ビデオカメラ映像の保存と配信
 ・リモートアクセス機能
 ・RAIDによる信頼性の向上
 ・NAS製品の比較




パソコンのファイルをNASに保存して配信

インターネットでダウンロードしてパソコンに保存してある動画や音楽コンテンツや画像が増えてくるとHDDの容量が足りなくなってきますが、 これらをNASに移しておけば残りの容量を気にしないで溜めていくことができます。 また、携帯電話やスマートフォンタブレット等のモバイル機器に保存されているコンテンツも、 パソコンに移してからNASに保存しておくと色々な機器で共有利用できるので便利です。

特に、パソコン用のデジタル放送チューナーを搭載してデジタル放送を録画する場合は、 録画されたコンテンツの容量が非常に大きいのでパソコンのHDD容量がすぐに足りなくなってしまうので、 NASにダビング(コピー、ムーブ)しておけば容量不足を解消することができます。
パソコンに外付けHDDをUSBケーブルで接続し、これに保存しておく方法もありますが、 NASに保存しておけば他の機器からも簡単に利用できるようになります。

パソコンからNASへファイル/コンテンツを保存するには、パソコンで『ネットワーク』 を選択するとホームネットワークに接続されている他のパソコンやNASが一覧表示されますので、 その中から目的のNASを選び、その中のフォルダにコピーしておきます。 なお、このフォルダはパソコンからの操作でNAS内に自由に作成することができます。




デジタル放送をNASに保存、配信

デジタルTVの内蔵HDDや外付けのUSB-HDDなどに録画した番組は、そのテレビ固有の暗号化が施されているため、 通常は録画に使用したテレビ以外では再生できません。 しかし、DLNAとDTCP-IPに対応したNASに録画番組をダビングしておけば、 ホームネットワークを介して別のデジタルTVやパソコン、スマートフォン等でも再生する事ができます。

また、デジタルTVやBD・DVDレコーダ等がDLNAサーバ機能を持っている場合は、 録画したデジタル放送番組をホームネットワークを介して他の機器でも再生することができます。 しかし、デジタル放送番組の容量は非常に大きいので、録画に用いるHDDの容量が足りなくなってくることがあります。 そのような場合も、DLNAとDTCP-IPに対応したNASに録画番組をダビングしておけば、 デジタルTVやBD・DVDレコーダのHDDの残容量を気にしないで済みます。 特に、NASは何台でも増設できるので容量不足問題を解消できます。

NASにダビングできるデジタル家電機器は限定されている
デジタルTVやBD・DVDレコーダに録画した番組をNASにダビングできるのは、特定の製品に限られているので注意が必要です。
デジタルTVの場合
内蔵HDDや外付けのUSB-HDDに録画できる製品が増えていますが、 録画した番組をNASにダビングできる製品としては、例えば下記の製品があります。
 ・東芝:レグザリンク・ダビング機能を持つREGZA製品 ⇒ REGZAの使い方を参照
 ・パナソニック:ダビング機能を持つVIERA製品 ⇒ VIERAの使い方を参照
 ・日立Wooo :ZP05/XP05以降の主要シリーズなど ⇒ Woooの使い方を参照
 ・シャープAQUIS :L5シリーズ ⇒ AQUISの使い方を参照
BDレコーダの場合
録画したデジタル放送番組をNASにダビングできる製品としては、例えば下記の製品があります。
 ・東芝:REGZAブルーレイ、新型VARDIAの一部機種
 ・パナソニック:DIGAの一部機種
具体的な製品例は、「BDレコーダーの使い方」のページを参照してください。

「スカパーHD!」チューナーからNASに録画
スカパーHD!は3Dのデジタル放送を始め多数のチャンネルを放送していますが、 専用のチューナーをホームネットワークに接続すると放送番組をNASに録画・保存することができます。 この録画に対応しているNASは、IO DATAやBuffaloから発売されており、製品例は以下の『NAS製品の比較』 にまとめて記載してありますので参照してください。

NASに保存した番組をブルーレイディスクやDVDにムーブ
NASに保存されているデジタル放送番組は一部のBD・DVDレコーダ機器にダビング(ムーブ)してブルーレイディスクやDVDに残すことができます。 対応しているBD・DVDレコーダとしては、例えば下記の製品があります。
 ・東芝:REGZAブルーレイ、新型VARDIAの一部機種
 ・パナソニック:ブルーレイDIGA




音楽コンテンツをNASに保存、配信

インターネットでダウンロードしたり、CDをコピーしたりしてパソコンに音楽コンテンツを保存し、 これをネットワーク対応のオーディオ機器(AVアンプ、オーディオプレーヤー、他)で再生する 「ネットオーディオ」が普及してきました。
このネットオーディオ機器はほとんどがDLNAに対応するようになっていますので、 パソコンや携帯オーディオプレーヤー等に保存してある音楽コンテンツをDLNA対応のNASにコピーしておけば、 ホームネットワークを介してネットオーディオ機器で再生することができます。

iTunes対応のNAS
「iTunesサーバ」機能を持っているNASに音楽コンテンツをコピー・保存しておくと、 パソコンンにインストールしてあるiTunesソフトが自動的に認識してリスト表示してくれるので、 目的の楽曲を選んで再生することができます。
DLNAとDTCP-IPに対応しているNASの中で、このiTunesサーバ機能を搭載している製品はBuffaloから発売されており、 製品例は以下の『NAS製品の比較』にまとめてありますので参照してください。




デジカメやビデオカメラの映像をNASに保存、配信

デジカメやビデオカメラで撮影した画像や動画をパソコンに取り込んで分類・整理したり、 加工・編集を行って保存している場合、それらをNASにまとめて保存しておけば、 ホームネットワークを介して各部屋の機器で再生・利用できます。 デジタルTVや他のパソコン等からも簡単にアクセスできるので、コンテンツを利用する機会を増やすことができます。

NASに保存するには、デジカメやビデオカメラをパソコンに接続して、まずパソコンのHDDにコピーしておきます。 続いて、NAS内に作成しておいたフォルダ等にコピーしておけば分類・整理しながらまとめておくことができます。




NASのリモートアクセス機能

NASに保存した動画・静止画・音楽などのコンテンツを家庭のホームネットワーク内で共有利用するだけでなく、 インターネットを介して外部からも利用することができ、これをリモートアクセスあるいはWebアクセスと呼んでいます。

リモートアクセスできるようにするには、パソコンのブラウザを用いてNASの設定画面を表示し、 「リモートアクセスの設定」でNAS内のフォルダを公開できるようにしておきます。 外出先からフォルダにアクセスするにはパソコンやスマートフォン/タブレットなどが利用できます。
詳細については、下記のページをご覧ください。
 「リモートアクセスの使い方(1)−リモートアクセス対応NASと設定方法−
 「リモートアクセスの使い方(2)−家庭のNASに外部からPCでアクセス−
 「リモートアクセスの使い方(3)−家庭のNASに外部からスマートフォンでアクセス−




RAIDによるNASの信頼性向上

HDD(ハードディスクドライブ)は磁気ディスクや磁気ヘッドが機械的に高速で動くので故障する可能性があります。 最近のHDDは故障率が大幅に下がり、平均使用寿命は長くなっていますが、 万が一に備えて保存データを守ることができるRAID機能を備えたNASがあります。
RAID(レイド)とは複数のHDDを組み合わせて1台のHDDのように働かせ、高速性や大容量化、高信頼性を得る方式であり、 データを安全に保存することができます。 RAIDの方式はRAID0からRAID6まで7種類ありますが、通常は、RAID0とRAID1を組み合わせて高速化、大容量化、 高信頼性を図ったものや、更に性能向上を図ったRAID5が主に利用されます。
 RAID0:データを細かく区切って複数のHDDに順に分散保存して高速性を得る方式
 RAID1:同じデータを別のHDDにも保存してHDDの障害に備えるミラーリング方式
 RAID5:複数のHDDにデータと誤り訂正符号を分散記憶し、「0+1」で使用効率向上

家庭用のNAS製品は、RAID0とRAID1を組み合わせた製品と、RAID5を備えた製品の2種類が発売されています。
RAID機能をもつDLNA/DTCP-IP対応NASは、以下の『NAS製品の比較』に示してありますので参照してください。




DLNA/DTCP-IP対応NAS製品の比較

DLNAとDTCP-IPに対応しているNASとしてIO DATAとBuffaloの製品を取り上げ、特徴を比較した表を以下に掲載しました。
これらは、デジタルTVやBDレコーダで保存したデジタル放送番組をダビング保存することができますが、 対応するデジタルTVやBDレコーダは限られた製品になりますのでカタログ等で確認しておく必要があります。

また、DTCP-IPの新規格であるDTCP+に対応する製品も記載しました。
DTCP+に対応していると、NASにダビングした録画番組を外出先などの外部からも視聴することができます。
DTCP+の詳細は、
DTCP+とは(1) − 録画番組をインターネットを介して外出先で再生・視聴 −
DTCP+とは(2) − DTCP+対応製品と使い方 −
のページをご覧ください。


最新製品(2015年)

メーカー IO DATA Buffalo
製品名 HVL-
DR
HDL-
ART
HDL2-
ART
LS-
411DX
LS-
410DC
LS-
420DC
LS-
210DC
LS-
220DC
発売年月 2015.1 2015.4 2015.4 2014.11 2015.4 2015.4 2015.5 2015.5
製品外観
記憶容量
(単位はTB)
価格・口コミ
2.0
3.0
4.0
2.0
3.0
2.0
4.0
6.0
2.0
3.0
4.0
1.0
2.0
3.0
4.0
2.0
4.0
6.0
8.0
1.0
2.0
3.0
2.0
4.0
6.0
8.0
DLNA対応
DTCP-IP対応
DTCP+対応
リモートアクセス
RAID機能 RAID
1
RAID
1
RAID
1
製品名 HVL-
DR
HDL-
ART
HDL2-
ART
LS-
411DX
LS-
410DC
LS-
420DC
LS-
210DC
LS-
220DC


主な現行製品(2013年〜)

メーカー IO DATA Buffalo
製品名 HDL-
AS
HVL-
AVDT
HVL-
AT
HVL-
A
HDL2-
A
LS-
410D
LS-
410DX
LS-
WXL
/R1
発売年月 2013.1 2013.1 2013.5 2013.1 2011.9 2013.5 2013.7 2011
11月
製品外観
記憶容量
(単位はTB)
価格・口コミ
2.0
3.0
2.0
3.0
2.0
3.0
4.0
2.0
3.0
4.0
2.0
4.0
6.0
1.0
2.0
3.0
4.0
2.0
3.0
4.0
1.0
2.0
4.0
6.0
DLNA対応
DTCP-IP対応
DTCP+対応
スカパーHD対応
リモートアクセス
RAID機能 RAID
1
RAID
1
製品名 HDL-
AS
HVL-
AVDT
HVL-
AT
HVL-
A
HDL2-
A
LS-
410D
LS-
410DX
LS-
WXL
/R1


旧製品

メーカー IO DATA Buffalo
製品名 HVL-
AV
HVL-
AVR
HVL1-
G
HVL4-
G
LS-
AVL
/A
LS-
VL
LS-
WVL
/R1
LS-
WSXL
/R1
発売年月 2010.6 2010.11 2007.4 2008.4 2010.6 2010.9 2010.10 2009
11月
製品外観
記憶容量
(単位はTB)
価格・口コミ
1.0
2.0
3.0
1.0 0.5
1.0
1.5

2011.2
生産終了
2.0
4.0
0.5
1.0
1.5
2.0
0.5
1.0
1.5
2.0
1.0
2.0
3.0
4.0
0.5
1.0
DLNA対応
DTCP-IP対応
スカパーHD対応
REGZA録画
REGZAダビング
リモートアクセス
iTunesサーバ
RAID機能 RAID
5
RAID
1/0
RAID
1/0
REC-iN対応
残量メーター
製品名 HVL-
AV
HVL-
AVR
HVL1-
G
HVL4-
G
LS-
AVL
/A
LS-
VL
LS-
WVL
/R1
LS-
WSXL
/R1