TVのHDMI端子に接続するスティックデバイス

デジタルTVやモニタTV、ディスプレイ、プロジェクタなどのHDMI端子に接続して、これらの画面を表示画面として利用する小型のデバイスが各種発売されています。 形状としては、USBメモリを一回り大きくしたサイズのスティック型のものやボックス形状のものなどがありますが、  ここではHDMI端子に直接挿入して使えるスティック型のデバイスに着目して紹介していきます。

代表的なスティック型の製品としては、下記のようなデバイスがあります。

  • Amazon Fire TV stick(多くの動画配信サービスをTVで見れる)
  • Chromecast(インターネット配信サービスを再生。Googleが発売)
  • Miracast対応デバイス(スマートフォン/タブレット/PCの画面をTVに表示。Anycastなど)
  • Windows OSを搭載した超小型パソコン(Windowsソフトを使用)
  • Android OSを搭載したAndroid端末(Androidアプリを使用)
  • スマートTVスティック(インターネット配信サービスを再生。通信キャリア等が発売)

いずれもデジタルTV等のHDMI端子に直接に挿すか、スペース的に余裕が無い場合は10cm程度の延長コードを使って接続するようになっています。

ほとんどの製品はWi-Fiの無線LANを内蔵しており、図1のようにホームネットワークに接続したり、 更に、インターネット回線に接続できるようになっています。 また、Bluetoothや2.4GHzの無線通信を使ってキーボード、マウス、タッチパッド等をワイヤレスで接続できる製品もあります。
電源はUSBケーブルで供給できるようにACアダプタが付属していますが、TVのUSB端子から供給できるタイプもあります。

図1 HDMI端子に接続するスティック型デバイス

HDMI端子に接続するスティック型デバイス

TVのHDMI端子に接続するスティックデバイス製品の形状やサイズはよく似ていますが、機能・性能や使い方はそれぞれ異なっており、 ホームネットワーク上での利用法も様々なので、以下では、各デバイスの概要や特徴を紹介していきます。
なお、スティック型でない小型のHDMI接続機器についても主な製品を紹介しています。

<最新情報>Amazon Fire TV Stickの最新モデル
テレビのHDMI端子に挿すだけでAmazonビデオ、Hulu、Netflix、YouTube、AbemaTV、DAZN、dTVなど、 豊富な映画やビデオを大画面で楽しめる「 Fire TV Stick 4K Max」 が発売されています。
Alexa対応音声認識リモコン(第3世代)付属。4K Ultra HD対応、クアッドコア(2.0GHz)と専用のGPUを搭載、Wi-Fi6E対応、 16GBストレージなどによる素早く滑らかな動作など、性能が向上されています。(2023年秋発売)






HDMI接続スティック型デバイスの製品例

HDMI端子に接続して使用するスティック型のデバイスは、機能・性能や使用目的によって各種のタイプがありますが、 ここでは家庭内で利用できる主な製品を取り上げてみました。

(1)Amazon Fire TV stick

テレビのHDMI端子に直接挿入して使用すると、インターネット上の映像・音楽配信サービスのコンテンツをテレビでストリーム再生・視聴することができます。
Fire TV Stickは2023年秋に4K映像対応の性能の良い新型が発売されました。
配信サービスとしては、
 Amazonプライムビデオやプライムミュージック
 Hulu、NetFlix、dTV、dアニメストアなどの定額動画配信サービス
 Youtube、AbemaTVなどの無料動画共有サービス
 DAZNのようなスポーツ中継専用の動画配信サービス
などが利用できます。
MX PlayerやVLC Playerなどのアプリをインストールしておけば、ホームネットワーク上の動画コンテンツを再生・視聴することができます。
また、スマートフォン画面をミラーリングすることも可能なので、スマホやPCで見ている映像をそのままテレビで簡単に視聴できることができます。
製品例としては以下の写真のような「 Fire TV Stick 4K Max」本体とリモコンがセットになっています。

Fire TV Stick 4K MAX


(2)Chromecast

Chromecast(クロームキャスト)は、テレビのHDMI端子に接続して、 YouTubeやGoogle動画/音楽、Huluなどのインターネット配信サービスをテレビの大画面で直接に見ることができるスティック型の端末装置です。(形状は以下の写真を参照)
Chromecastの使い方の特徴は、 インターネットサービスへのアクセスなどの操作はスマートフォン/タブレット等にインストールしたChromecast対応アプリを用いて行う仕組みになっており、 選択したコンテンツはインターネット経由でChromecast本体にストリーミングされてテレビ画面に表示されることになります。
また、スマートフォン/タブレット本体やホームネットワークに接続したパソコン/NAS/サーバー機器の動画/画像/音楽もChromecastを接続したTVで視聴することができます。

更に、一部のスマートフォン製品については、スマートフォンの画面をそのままテレビに表示できるミラーリング機能が使えます。 つまりChromecastを用いてMiracastと同様の機能も利用できるようになっています。

Chromecastの詳細については、下記のページをご覧ください。

第3世代のChromecast


(3)Miracast対応デバイス(Anycastなど)

Miracast対応デバイスは、スマートフォンやタブレット等のモバイル機器の画面をそのままテレビに表示するための小型デバイスです。
製品例としては以下の写真のような 「 Anycast(エニーキャスト) 」などがあります。 テレビのHDMI端子に接続すると、 スマートフォンやタブレットなどの 画面をテレビの大画面にそのまま表示することができるスティック型の端末装置です。

Anycastの詳細については、下記のページをご覧ください。

また、Miracastの詳細については、下記のページを参照してください。
Miracastとは

Anycast


(4)スティック型パソコン

スティック型PCとは、デジタルTVやモニタTVなどのHDMI端子に直接接続して、これらをモニタ画面として利用する超小型のパソコンです。 日本国内では2014年12月5日にマウスコンピュータ(株)の製品「 m-Stickシリーズ、MS-NH1 」が発売され、以下に掲載した写真のように、 USBメモリを一回り大きくした手のひらに乗る程度のサイズでありながら、Windows 8.1 OSを搭載しており通常のパソコンとして利用できます。
この製品「m-Stick、MS-NH1」はクワッドコアCPU、2GBのRAM、32GBストレージを搭載し、 OSはWindows 8.1がインストールされているパソコンそのものですが、定価が19,800円と低価格でありながら、 無線LAN(Wi-Fi)やBluetoothも搭載しているので、 ワイヤレスでインターネットに接続したり、ワイヤレスマウス・キーボードの利用が可能です。
従って、Windows 8.1対応のソフトウェアをインストールしておけば、ホームネットワークに接続されている各種機器と連携したり、 インターネット上のサービスを利用することができます。

詳細については、下記のページをご覧ください。

スティック型パソコン


(5)Android端末

Android端末はAndroid OSを搭載しており、デジタルTVなどのHDMI端子に接続して、 テレビにスマートTVのような機能を持たせることができる小型の端末装置です。
また、様々なAndoroidアプリを後からインストールして使用できるのでスマートフォンやタブレットのように利用することもできます。

中国製の低価格(数千円~1万円程度)製品が多数発売されていますが、アプリを追加して汎用的なAndroid端末として利用できるものや、 専用アプリを搭載して用途を特化したものなどがあります。
例えば、以下に写真を掲載した製品「MK809Ⅱ Mini PC」はデュアルコアCPUでAndroid 4.2を搭載しており、5千円程度の低価格で購入できます。 無線LAN(Wi-Fi)を内蔵しているので、インターネットに接続して各種サービスを利用したり、 ホームネットワークに接続されている各種機器と連携することができ、機能が少ないテレビでもスマートTVのように利用できるようになります。
なお、クワッドコアCPUを搭載し、メモリサイズの大きい高機能製品も発売されています。

<参考ページ、関連ページ>

Android端末


(6)スマートTVスティック

HDMI端子に直接挿入してインターネット上の映像/音楽配信サービスのコンテンツを再生するスティック型端末は、スマートTVスティックと呼ばれており、
 NTTドコモのSmartTV dstick(以下の左写真)
 auのSmart TV Stick(中央写真)
 ソフトバンクのSoftBank SmartTV(右写真)
などが通信キャリアから発売されています。 これらはキャリア各社がスマートフォン向けに提供している動画/アニメ配信サービスや音楽配信サービスをテレビでも楽しめるようにするのが主な使い方です。
操作はスマートフォン/タブレットや付属リモコンなどで行います。
NTTドコモのSmartTV dstickは、dビデオ、dアニメストア、dヒッツ、ひかりTVゲームなどの有料サービスが用意されています。 auのSmart TV Stickは、映画・ドラマ・アニメなどが見放題の有料のビデオパスが利用できます。 ソフトバンクのSoftBank SmartTVは、TSUTAYA TV、UULA(ウーラ)、BBTV NEXTなどの有料サービスが用意されています。
特に、auの製品「Smart TV Stick」はGoogle Playからアプリをダウンロードして利用することができ、 更に、DLNA対応アプリを搭載している特徴があります。また、操作用のリモコンが付属しています。

dstick Smart TV Stick SoftBank SmartTV





テレビとHDMIで接続する他の小型デバイス

HDMI端子に接続して用いる小型のデバイスはスティック型の形状だけでなくボックス形状の製品も発売されています。
多くはスティック型と同じような機能を備えており、同じような用途・使い方がされていますが、 サイズが大きくなっているので外部接続インターフェース等は使い易くなっています。
以下では、主な製品例を紹介しておきます。


(1)Amazon Fire TV Cube(4K画質対応)

テレビのHDMI端子に接続して使用すると、インターネット上の映像・音楽配信サービスのコンテンツをテレビでストリーム再生・視聴することができます。 Amazon Fire TV Cubeはボックス形状をしており、Amazon Fire TV stickよりも高性能になっています。
配信サービスとしては、
 Amazonプライムビデオやプライムミュージック
 Hulu、NetFlix、dTV、dアニメストアなどの定額動画配信サービス
 Youtube、AbemaTVなどの無料動画共有サービス
 DAZNのようなスポーツ中継専用の動画配信サービス
などが利用できます。
Fire TV Cube 」の写真を以下に掲載しました。
オクタコア (クアッドコア: 最大2.2GHz + クアッドコア: 最大2.0GHz)を搭載して高性能化されています。
Wi-Fi 6対応だけでなく有線接続が可能で、Alexa対応音声認識リモコン(第3世代)が付属されています。

Fire TV Cube


(2)Android TVを搭載した端末「Nexus Player」

Androidを使ったテレビ向けプラットフォーム『Android TV』を搭載した初めての端末「Nexus Player」が2015年2月に国内販売されました(価格は12,800円)。 米国では2014年10月に発売されています。
以下の写真のように円形の手のひらサイズで、HDMIケーブルでテレビと接続します。 操作は付属のリモコンやスマートフォンなどが利用でき、リモコンに搭載したマイクを使った音声操作にも対応しています。 また、製品仕様は1.8GHzのクワッドコアCPU、1GBメモリ、8GBストレージを搭載しており、IEEE802.11acの無線LANとBluetoothに対応しています。
Androidアプリを使って、Hulu、Netfrix、U-Next、YouTubeなどの映像配信サービスやゲーム、ショッピング、生活情報、おすすめアプリ等を利用できるので、 テレビをスマートTVのように活用できます。
Nexus Playerの詳細については、下記のページをご覧ください。
Nexus Playerの使い方

Nexus Player


(3)ボックス型のAndroid端末

スティック型のAndroid端末をボックス形状にして、USBなどの外部インターフェースを増やして使い易くなっています。 HDMIケーブルでテレビに接続するようにしており、操作用のリモコンが付属している製品が多く、 用途はスティック型のAndroid端末と同様ですがクワッドコアCPUを用いて性能を向上しています。

ボックス型のAndroid端末