nasne(ナスネ)の使い方(3)
-デジタル放送のリモート視聴-
nasne(ナスネ)は、地デジ/BS/CS放送の3波チューナーを搭載したHDDレコーダーであり、
機器間相互接続方式のDLNAと著作権保護方式のDTCP-IPに対応しています。
従って、内蔵HDDや外付けUSB-HDDに放送番組を録画したり、以下の図1のように、
録画した番組や放送中の番組をホームネットワーク(家庭内LAN)を介して他の機器で視聴することができます。
また、HDDはホームネットワークを介して動画/画像/音楽/ドキュメントの保存や配信が行えるNAS(LAN接続HDD)としても利用できる特徴を持っています。
このようなホームネットワーク内での利用に加えて、2013年10月にはシステムソフトウェアVer.2.00が公開されて、
外出先などの外部からもAndroidスマートフォンやPS Vitaを用いてホームネットワークに接続されたnasneにアクセスし、
nasne内に保存してある各種コンテンツやドキュメントファイルを利用するリモートアクセス機能「Anytime Access」
が利用できるようになりました。
但し、デジタル放送の録画番組については外部から見ることが出来ませんでした。
しかし、2014年9月25日にシステムソフトウェアがVer.2.50にアップデートされ、
nasneで受信している放送中番組や録画済番組も外出先などの外部からも視聴(リモート視聴)できるようになりました(Anytime TV機能)。
利用できるモバイル機器はスマートフォン、タブレット、PS Vitaであり、これらの機器で用いる新バージョンのアプリも9月25日にリリースされています。
更に、2015年3月には、家庭内だけでなく外出先などからもテレビ番組を視聴・録画できるアプリ「torne mobile」も発表されました。
図1 nasne(ナスネ)の接続例
以下では、nasneを利用してデジタル放送をリモート視聴するための具体例として、
- リモート視聴の設定<nasneの設定>
- リモート視聴の設定<スマートフォン/タブレット/Ps Vitaの設定>
- スマートフォンを用いてリモート視聴
などについて紹介します。
nasneは内蔵HDDの容量が500GB、1TBの製品がソニー・インタラクティブ・エンタテインメント(SIE)から発売されています。
「
CUHJ-15004
」(1TB、2016年12月発売)
「
CECH-ZNR2J01
」(1TB、2015年3月発売)
「
CECH-ZNR2J
」(1TB、2013年10月発売)
「
CECH-ZNR1J
」(500GB、2012年8月発売)
nasne(ナスネ) は既にメーカー生産終了(2019年)となっていますが、2021年3月にバッファローが 「 nasne(NS-N100) 」 を販売開始しました。 従来モデルに対してHDDの容量が2TBに増量されています。
<関連ページ>
デジタル放送の録画や配信を行うネットワークレコーダー機能については、
「nasne(ナスネ)の使い方(1) -デジタル放送の録画と配信-」
のページをご覧ください。
nasneに保存した動画・画像・音楽などのコンテンツやドキュメントをホームネットワークやインターネットを経由して他の機器で再生するメディアストレージ機能、
ファイルサーバー機能、リモートアクセス機能などについては、
「nasne(ナスネ)の使い方(2) -動画/画像/音楽/ドキュメントの保存と配信-」
のページで紹介していますのでこちらをご覧ください。
リモート視聴の設定 <nasneの設定>
自宅のテレビ/レコーダー等で受信している放送や録画した番組を外出先などの外部からモバイル機器で視聴する「リモート視聴」は、
次世代放送推進フォーラム(NexTV-F)が主導して2014年2月に策定した規格です。
NASなどのチューナーを内蔵していない機器に録画した番組を外部から視聴する仕組みはDTCP+として利用されていましたが、
リモート視聴ではDTCP+を発展させてチューナーを持っているレコーダー機器等でも放送中番組や録画番組を外部から視聴できるようになっています。
当初は、ソニーのBDレコーダーがリモート視聴に対応し(2014年3月)、続いてパナソニックやシャープからも対応製品が発売されるようになりましたが、
nasneは2014年9月25日のアップデート(Ver.2.50)によりリモート視聴に対応するようになりました。
nasneではシステムソフトウェアをVer.2.50にアップデートすると、 リモート視聴機能(Anytime TV)だけでなく下記の機能も新たに追加されるようになりました。
- DLNAアップロード機能(プレイステーションのコンテンツをnasneに保存など)
- 録画・再生状況の表示など「nasne HOME」の機能追加
- FLACファイル配信機能に対応(音楽ファイルのハイレゾ対応)
- システムソフトウェアの安定性向上、機能改善など
nasneの設定
nasneの設定、バージョンアップ等をパソコンのブラウザを利用して行う事例について以下に紹介します。
ブラウザのURLにnasneのIPアドレスを入力するか、あるいはパソコンの「ネットワーク」で表示される「NASNE-*****」の中の「nasne_home」を使用すると、
以下の図2のような設定を開始するためのメニュー画面が表示されるので各種設定が行えます。
また、図2の『メディアサーバー設定』をクリックすると、図3のようにnasneが認識しているクライアント機器を一覧表示することができ、
リモート視聴を行う機器が認識されていれば画面に表示されます。
ここでは、Androidスマートフォンにインストールしてある2つのアプリ「nasne ACCESS」、
「TV SideView」を使用してテレビ放送を視聴できることが表示されています。
なお、現在は「nasne ACCESS」は「torne mobile」という名称で提供されており、
「TV SideView」は「Video & TV SideView」という名称で呼ばれています。
図2 パソコンのブラウザでnasneを設定(メニュー画面)
図3 nasneが認識しているクライアント機器
リモート視聴の設定
<スマートフォン/タブレット用のアプリ>
モバイル機器を用いて外部からnasneにアクセスするために、各機器向けに提供されている以下の専用アプリをインストールします。
<重要情報>
以下で紹介しているアプリ「nasne ACCESS」の
サポートサービス
は2021年9月30日に終了しました。従って、
・外出先からのアクセス機能(エニイタイムアクセス機能)
・nasneの登録
・番組視聴
等はできなくなりました。
録画番組を見るには、スマートフォンでは「Video & TV SideView」(無償)や「torne mobile」(有償)を、
パソコンでは、「PC TV Plus」(有償)を利用することになります。
<最新情報>
2015年3月にAndroidやiOS向けのアプリ「torne mobile」が発表されました。スマートフォン/タブレットからnasneの操作や番組視聴(家庭内外)が可能であり、
プレイステーションのリモート操作もできます。
下記のアプリ設定については、当初のアプリである「nasne ACCESS」及び「TV SideView」について紹介していますが、 これらの後継アプリである「torne mobile」及び「Video & TV SideView」についても同様の設定手順となっています。
スマートフォン、タブレットの専用アプリ
Android機器(Ver.4.0.3以降)については専用アプリ「nasne ACCESS」のVer.1.50がリリースされているので、
これをPlay ストアなどからダウンロードしてインストールしておきます。
「nasne ACCESS」と後継アプリ「torne mobile」のアイコンを下に掲載してあります。
なお、両者ともデジタル放送をリモート視聴する場合はアプリ内課金(500円)が必要になります。
また、Android機器(Ver.4.0.3以降)及びiOS機器(Ver.6以降)に対して、ソニーから専用アプリ「TV SideView」のVer.2.7.1がリリースされています。
アイコンを右に掲載してありますが、「Video & TV SideView」も同じです。
これらのアプリもデジタル放送をリモート視聴する場合は有償(500円)のプラグインが必要になります。
PS Vitaの専用アプリ
PlayStation Vitaについては専用アプリの「torne PlayStation Vita」(Ver.2.00)がリリースされているのでインストールしておきます。 なお、PS VitaのシステムソフトウェアはVer.3.15以上が必要です。
次に、これらのクライアント機器にnasne本体を機器登録します。 これはペアリングと呼ばれており、自宅のホームネットワークにnasneとクライアント機器の両方を接続しておいて、 クライアント機器のアプリを用いてnasneを登録します。
スマートフォンを用いてリモート視聴
-TV SideViewを使用-
リモート視聴用のアプリとして「TV SideView」をスマートフォンにインストールした事例について手順を紹介します。
最新の「Video & TV SideView」の場合も同様の手順になりますが、
両者ともバージョンによって画面表示の形態が変わることがありますので注意してください。
(1)アプリをインストール
TV SideViewはPay ストアやApps Storeから無料でダウンロード/インストールできますが(図4-1)、 デジタル放送を視聴する場合は有償(500円)のプラグインが必要になります(図4-2)。
図4-1 アプリをインストール |
図4-2 プラグインを購入 |
(2)nasneを登録
次に、スマートフォンとnasneを自宅の同じホームネットワークに接続しておき、TV SideViewを用いてnasneを登録しておく必要があります。 これはペアリングと呼ばれており、機器登録を行えば90日間の有効期限で外部からリモート視聴が行えます。 また、1台のnasneは最大で6台のクライアント機器に登録できます。
TV SideViewを起動すると図4-3のような画面が表示されるので、左上のアイコン部をタップします。 続いて、図4-4のメニュー画面が表示されるので「機器登録」をタップして登録作業を行います。
図4-3 アプリの起動画面 |
図4-4 機器登録を選択 |
図4-5 nasneを登録 |
図4-6 nasneが自動認識される |
図4-7 外出先で録画予約 |
図4-8 リモート視聴のモード選択 |
(3)デジタル放送の視聴
nasneの登録が完了した後は、スマートフォンの接続はホームネットワークでは無くて5G/4G等の外部回線にしておきます。
リモート視聴できる回線速度の目安は、上掲の図4-8のように、画質優先の場合は上りが2Mbps以上、速度優先の場合は上りが1Mbps以上となるので、
自宅のブロードバンド接続環境やスマートフォンの回線速度がこれらの値を満足している必要があります。
また、外部から同時にリモート視聴できるクライアント機器は1台のみとなります。
リモート視聴した具体例として、放送中番組のリストや番組視聴画面、番組表などを以下に掲載しておきました。 図4-11の画面で番組視聴開始や録画予約を行えます。
図4-9 nasneで受信している放送 |
図4-10 受信中番組のリスト |
図4-11 放送中番組の視聴 |
図4-12 番組表の表示例 |
<関連ページ>
デジタル放送の録画や配信を行うネットワークレコーダー機能については、
「nasne(ナスネ)の使い方(1) -デジタル放送の録画と配信-」
のページをご覧ください。
nasneに保存した動画・画像・音楽などのコンテンツやドキュメントをホームネットワークやインターネットを経由して他の機器で再生するメディアストレージ機能、
ファイルサーバー機能、リモートアクセス機能などについては、
「nasne(ナスネ)の使い方(2) -動画/画像/音楽/ドキュメントの保存と配信-」
のページで紹介していますのでこちらをご覧ください。