DLNAのバージョン
DLNA1.0、DLNA1.5、DLNA2.0

DLNA(Digital Living Network Alliance) が策定しているDLNAガイドラインには次の3つのバージョンがあり、新しいものほど機能が追加されています。

  • DLNA1.0(DLNAのバージョン1.0): 2004年6月に発表
  • DLNA1.5(DLNAのバージョン1.5): 2006年3月に発表
  • DLNA2.0(DLNAのバージョン2.0): 2009年

各バージョンの主な特徴としては次のような点が挙げられます。 なお、サーバは動画・静止画・音楽などのコンテンツを送り出すものであり、 クライアントはコンテンツを受け取って再生するものです。
DLNA1.0は、以下の図のように、サーバのコンテンツをクライアントから検索して再生するという簡単な仕組み (2 Box Pull)で構成されています。
DLNA1.5では、サーバとクライアントを外からもコントロールできる機能(コントローラ) や再生するだけの機能(レンダラー)が追加され、以下の図のように3者間での連携(3 Box)ができるようになっています。 また、対象とする機器がモバイル機器(PDA、携帯電話、他)やプリンタにまで広げられています。 更に、デジタル放送番組の著作権保護を行うDTCP-IPも含まれるようになっています。
DLNA2.0では、番組表や録画予約、コンテンツの同期など、 特にモバイル機器の使い勝手を向上する機能がDLNA1.5に更に追加されています。 また、同軸ケーブルを使用するホームネットワークも対応できるような機能がオプションで追加されています。

DLNAの概要やDLNA対応機器、DLNA対応ソフトについては、「DLNAとは」 の
ページにまとめてあります。

DLNA1.0とDLNA1.5の働き

DLNA1.0とDLNA1.5の働き

<注目情報>
DLNA認証を運営していたDigital Living Network Allianceは2017年1月に解散を発表しました。 非営利の事業者団体として13年間にわたり2万5,000種類、40億台のデバイスを認証してきましたが、今後のDLNA認定やテストなどの機能は、 2017年2月1日から米国のSpireSpark Internationalが継承します。
既存のガイドラインや認証手順などは変わらず、関連製品に関しては影響がないとしています。






DLNAのデバイスクラスと追加機能

DLNAガイドラインでは基本的な機能を「デバイスクラス」と呼んで分類しています。 各バージョンがどのようなデバイスクラスを含んでいるかは以下の表にまとめてあります。

DLNA1.0は、サーバのコンテンツをクライアントに配信する働きを持つデバイスクラスDMSと、 サーバのコンテンツの検索と再生を行う働きを持つデバイスクラスDMPだけで構成されていますが、 新しいバージョンでは新たなデバイスクラスや各種の追加機能が加えられています。 つまり、DLNAガイドラインは12個のデバイスクラス(DMS、DMP、DMR、DMC、DMPr、M-DMS、M-DMP、M-DMC、M-DMD、 M-DMU、MIU、M-NCF)を基本単位として、更に「Device Capability」、DTCP-IPのような 「リンクプロテクションガイドライン」という機能やオプション機能が追加されて構成されています。

DLNA1.0

DLNA1.5

DLNA2.0


DMS
DMP

DMSを搭載したサーバ機器のコンテンツを、 DMPを搭載したクライアント機器から検索して再生するという簡単な仕組みしかない。
この働きは「2 Box Pull」と呼ばれている。

DLNA1.0に以下を追加

 DMR
 DMC
 DMPr

 M-DMS
 M-DMP
 M-DMC
 M-DMD
 M-DMU

 MIU
 M-NCF

 Device Capability

 DTCP-IP

DLNA1.5に以下を追加

オプション機能
 ・リモートユーザー
  インターフェース
 ・番組表
 ・録画予約
 ・コンテンツの同期
 ・リンクレイヤーの
  保護

物理層IFのオプションとしてMoCAを使える。

デバイスクラスの概要
Home Network Devices(ホームネットワーク機器向けの機能)

  • DMS (Digital Media Server)
    サーバのコンテンツをクライアントに配信する機能
  • DMP (Digital Media Player)
    サーバのコンテンツを検索して、再生する機能
  • DMR (Digital Media Renderer)
    コンテンツの再生機能だけを持っている
  • DMC (Digital Media Controller)
    DMSとDMPをコントロールする機能を持っている。
    サーバ(DMS)のコンテンツの再生を指示して、DMRやDMPで再生させる。
    この働きは「3 Box」と呼ばれている。
  • DMPr (Digital Media Printer)
    プリンタでプリントを実行する

Mobile Handheld Devices(モバイル機器向けの機能)

  • M-DMS (Mobile Digital Media Server)
    モバイル機器向けのDMS機能
  • M-DMP (Mobile Digital Media Player)
    モバイル機器向けのDMP機能
  • M-DMC (Mobile Digital Media Controller)
    モバイル機器向けのDMC機能
  • M-DMD (Mobile Digital Media Downloader)
    モバイル機器向けのファイルのダウンロード機能
  • M-DMU (Mobile Digital Media Uploader)
    モバイル機器向けのファイルのアップロード機能

Home Infrastructure Devices(モバイル機器の連携機能)

  • MIU (Mobile Intreoperability)
    モバイル機器向けのコンテンツの形式を変換する機能
  • M-NCF (Mobile Network Connectivity Function)
    ホーム機器とモバイル機器をつなぐブリッジ的な機能

デバイスクラス以外の追加機能
Device Capability
 UP:アップロードコントローラ
 DN:ダウンロードコントローラ
 PU:プッシュコントローラ
 PR1:プリンタコントローラ
 PR2:プリンタコントローラ(外部の機器にある画像をプリント)

リンクプロテクションガイドライン
 DTCP-IP :著作権保護が必要なコンテンツを暗号化して転送する
 WMDRM-ND:Windows Mediaの著作権保護方式(オプション)

DLNA2.0の追加機能

  • リモートユーザーインターフェース機能
    コンテンツを再生するクライアント機器やコントロール用の機器に操作I/Fを与える
  • 番組表機能
    サーバがEPG番組表などのデータをクライアントにわたす
  • 録画予約機能
    TVチューナーを持つ機器の録画予約をクライアント機器、モバイル機器が行える
  • コンテンツの同期機能
    サーバ機器とモバイル機器の間でコンテンツデータの同期を行う
  • リンクレイヤーの保護機能
    Wi-Fiアライアンスが策定した無線LAN自動設定方式「WPS」に対応
    最新の無線LAN規格である「IEEE802.11n」に対応
  • 物理層インターフェースMoCA(Multimedia over Coax Alliance)
    ケーブルテレビが普及している米国では多くの家庭の各部屋にケーブルテレビ用の同軸ケーブルが配線されていますが、 このケーブルを通信路として使用するホームネットワークの規格MoCAに対応。

MoCAについては、「同軸ケーブルを用いたホームネットワーク」 のページで紹介していますのでご覧ください。




DLNA対応機器のバージョンチェック

DLNA対応機器がどのバージョンに対応しているかは、 DLNAホームページの「認証製品の検索」 を利用すると調べることができます。

DLNA対応製品の検索画面
DLNAホームページの製品検索画面を以下に示しました。
製品のカテゴリーはテレビ(Television)にして、対象地域は日本にしてあります。 「Search」ボタンを押すと日本国内メーカーのDLNA対応TVが一覧表示されます。
(注)検索画面のデザインは最新版に変更されている場合があります。

DLNA対応デジタルテレビの認証内容
DLNAから認証されている東芝REGZA 37Z7000の認証内容を以下に示しました。
検索結果の製品一覧の中から37Z7000の「details」を選ぶと表示されます。 DLNAのバージョンはDLNA1.5、デバイスクラスはDMPを持っており、 再生できるコンテンツは静止画と動画であることが分かります。


DLNA対応製品の検索


東芝REGZA 37Z7000のDLNAバージョン