BDレコーダーの使い方

BDレコーダー(ブルーレイディスクレコーダー)は地デジ・BS・CS放送のデジタル放送チューナーや光学ドライブを搭載して、

  • デジタル放送番組をHDDに録画して再生する。
  • BDやDVDなどのディスクに録画番組を書き込んで保存する。
  • ディスク(3D/2D映像)を再生する。

などが基本的な使い方ですが、各種の便利な機能・性能を持つ製品が増えてきています。

例えば、地デジやBS・CS放送のデジタル放送チューナーを複数搭載している機種が増えており、 裏番組の同時録画(W録)だけでなくスカパーHD!を含めて4つの番組を同時に録画できるものもあります。 また、地デジチューナーを多数搭載して6チャンネルの放送を連続で数10時間以上録画できる機種「BDR-M190/180」が東芝から発売され、 更にパナソニックはBS・CS放送にも対応する全録レコーダー「BXT3000」を発売するようになって、 多チャンネルの放送を同時に録画できる全録対応の製品が増えてきました。
そして最近では、東芝やパナソニックは全録できるBDレコーダー製品に注力するようになっています。

また、機器間相互接続方式のDLNAと著作権保護方式のDTCP-IPに対応している製品に録画されている番組は、 離れた場所に置いてあるDLNA・DTCP-IP対応のデジタルTVやネットワークメディアプレーヤーなどを用いるとホームネットワームを介して再生・視聴することができます。

更に、インターネットに接続して様々なサービスを利用できるようになり、スマートフォンとの連携機能を持つ製品や、 録画番組をスマートフォン・タブレットで視聴したり、ダビングして持ち出せる製品も発売されています。

図1 BDレコーダーと関連機器の接続と使い方

BDレコーダーと関連機器の接続と使い方

デジタル放送の録画については、録画ができるデジタルTVが増えてきていますが、 放送番組をBDやDVD等のディスクに保存して残しておいたり、個人用やレンタル等のディスクを再生・視聴するにはBDレコーダーが必要となりますので、 デジタルホームのAV家電機器としてはデジタルTVと共に大事な機器といえます。

以下では、BDレコーダーの特徴や使い方を紹介し、更に、各メーカーの主な製品の特徴・仕様について紹介します。

<参考>発売当初の注目情報
パナソニックの製品としては初めての全録レコーダー「BXT3000」が発売されました(2013年2月)。 地デジだけでなくBS・CS放送にも対応するようになり、地デジは6チャンネル、BS・CSは3チャンネルの中から6チャンネル分を同時録画できます。

三菱電気から初めてDLNA対応のBDレコーダー「DVR-BZ260」が発売されました(2012年4月20日発売)。 DLNAサーバー機能を搭載し、内蔵HDDの容量は500GB、3波の同時W録に対応しています。
内蔵HDDの容量が少なくなると外付けUSB-HDD(最大8台まで登録可能)へ録画番組を自動ムーブしてくれます。

東芝のレグザブルーレイ製品「DBR-M190/M180」(2011年12月発売)は、デジタルTV「REGZA ZG2シリーズ」 に搭載されていたタイムマシン機能(タイムシフト再生)を初めてBDレコーダーにも搭載しています。
地デジ放送を6チャンネル同時に録画できる全録レコーダーです。







BDレコーダーの特徴と使い方

BDレコーダーを利用する際に注目しておく特徴(機能や性能)としては、次のような点が挙げられます。
なお、この他にも各メーカーは独自の機能・サービスを搭載して差別化を図ろうとしています。

放送の視聴・録画・再生

  • デジタル放送チューナーの種類と搭載数
  • 録画番組を何に保存するか(内蔵HDD/外付けHDD/BD/DVD)
  • 録画モード(ダイレクトモード/長時間モード)
  • 録画予約(自動録画、予約録画、リモート予約、他)
  • 録画番組の編集機能
  • 録画番組を他の機器でも再生

録画時間数(記憶容量)

  • 内蔵HDDの容量
  • 外付けUSB-HDDへの対応と接続台数

BD、DVD等のディスクへの対応

  • BDやDVDへの書き込みや読み出しの仕様
  • 3D再生への対応

ネットワーク機能

  • DLNAとDTCP-IPへの対応
  • サーバー機能、クライアント機能
  • ダビング機能
  • インターネットサービスの利用
  • スマートフォンやタブレットとの連携
  • 無線LANへの対応

その他

  • 節電等のエコ機能

次に、上記の内容・仕様はメーカーや機種によって異なっていますので、BDレコーダーを選択する際に注目しておくべきポイントを以下に記載します。

(1)デジタル放送チューナーの種類と搭載数
デジタルチューナーの搭載数は、一般的には、

  • エントリーモデルはシングルチューナー(1基のみ)
  • ミドルクラス以上がダブルチューナー(2基)
  • ハイエンドモデルがトリプルチューナー(3基)

となっています。
通常は地デジチューナーとBS・CS放送チューナーがセットになっていますが、地デジのチューナーだけしか搭載していないエントリーモデルもあります。
その他に、スカパー!HDの専用チューナーを搭載している製品や、 地デジチューナーを多数搭載して多数チャンネルを同時に数10時間以上も録画できる製品(タイムシフト機能搭載)もあります。
裏番組を録画する場合が多いのならダブルチューナーモデル、 一週間分の放送をまとめて録画しておいて後からチェックするならタ全録モデル/タイムシフトモデルなど、 BDレコーダーをどのように使用したいかによって、どのモデルにするか決めることになります。

(2)録画番組を何に保存するか
番組を録画する場合、通常は内蔵のHDD(ハードディスクドライブ)に保存しますが、 USBケーブルでつないだ外付けのUSB-HDDに保存できる機種が増えています。 登録できるUSB-HDDの数やUSBハブを使って同時に接続できる数はメーカーや機種によって異なっています。
また、SDカードやホームネットワークに接続されたHDDのNASに保存できる機種もあります。

(3)録画モードの選択
放送番組をそのまま録画するダイレクトモード(DRモード)と長時間の録画ができるように圧縮して録画する長時間モードがあります。 長時間モードには2倍速から15倍速程度までありますが、 メーカーによって圧縮方法が異なって互換性が無い場合がありますので注意してください。

(4)録画予約
番組表を利用した自動録画や、設定したキーワードが含まれる番組の自動録画や、ジャンルによる自動録画など、 各メーカーによって独特の録画機能を持つ製品を揃えています。
また、スマートフォンなどを用いて外出先からリモート予約できる機種もあります。

(5)録画番組の編集
録画番組を編集できる機能を持っている機種では、不要な部分をカットしたり、複数の映像をつなぐことも出来ます。 メーカーや機種によって出来ることや使い勝手が様々です。

(6)BD、DVDへの書き込み
HDDに録画した番組をBD(ブルーレイディスク)やDVD等のディスクに書き込んで保存する場合、 DRモードで行うか長時間モードで行うかを選べます。
また、BDに書き込んだ(ダビングした)番組をHDDに書き戻すことができる機種もあります。

(7)内蔵HDDの記憶容量
BDレコーダーに搭載されているHDDの記憶容量が最大録画可能時間を決めるので、記憶容量はできるだけ多い方がよいわけです。 通常は、2TBあるいは1TBですが、製品によっては6TB、4TB、3TB、500GBのものもあります。
地デジ番組の場合はダイレクトモードで録画すると1TBで約127時間の録画ができます。BS/CS放送の場合は1TBで約89時間です。 2TBではこれらの2倍、500GBではこれらの半分となります。

(8)外付けHDDへの対応
外付けのUSB-HDDにデジタル放送を録画するのは当初は東芝のデジタルTV「REGZA」が先行して実施していましたが、 BDレコーダーでもUSB-HDDを接続して録画できる製品が増えてきました。
但し、増設できるUSB-HDDの数には制限があるので、最大登録数や同時接続台数はチェックしておく必要があります。

(9)DLNAとDTCP-IPに対応(サーバー機能)
ほとんどの機種が対応しており、録画した番組をホームネットワークを介して他のDLNA・DTCP-IP対応機器で視聴することができます。 DLNA・DTCP-IPへの対応はメーカーによって呼び方が異なっており、パナソニックは「お部屋ジャンプリンク」、 ソニーは「ソニールームリンク」です。東芝は「レグザリンク」ですが、HDMIケーブルで接続した場合も含めているようです。

(10)DLNAとDTCP-IPに対応(クライアント機能)
DLNAとDTCP-IPに対応したサーバー機器に保存された録画番組をホームネットワークを介して再生・ 視聴するクライアント機能を多くの製品が備えています。

(11)ダビング機能(ネットワークダビング)
BDレコーダーで録画した番組が増えてくると内蔵HDDや外付けUSB-HDDの残り容量が少なくなり、 録画番組を削除するかBD等に保存するような事になってしまいます。 外付けUSB-HDDの場合は新たに増設できますが、それでも利用できる台数には制限があります。
このような場合は、DLNA・DTCP-IP対応のNAS(LAN接続HDD)にダビングできるとたいへん便利です。 台数の制限が無く、多くのメーカーのデジタルTV等で録画番組を再生・視聴することもできます。
<参考ページ>
 「デジタル放送の録画

(12)インターネットサービスの利用
多くの製品がインターネットの動画配信サービスを利用できるようになっています。 但し、NetflixやHuluなどの基本的なものだけを視聴できる製品や、 より多くのサービスを利用できる製品など様々なのでカタログ等で確認しておく必要があります。

(13)スマートフォンやタブレットとの連携
スマートフォンで録画予約したり、リモコン操作を行うことができます。 また、録画番組をスマートフォンやタブレットで視聴できる製品もあります。
東芝の「レグザAppsコネクト」はREGZAやレグザブルーレイとスマートフォン/タブレットの連携を行うことができ、 各種機能のアプリケーション「アプス」を用意しています。

(14)無線LANへの対応
パナソニック「DIGA」の上位機種やシャープ「AQUOSブルーレイ」が無線LAN(IEEE802.11a/b/g/n)を搭載するようになり、 他のメーカーも無線LAN機能を搭載する製品を発売するようになりました。
現在では殆どのBDレコーダが無線LAN対応となっていますが、地デジやBS/CS放送の録画番組を配信する場合は通信速度が大きいので、 通信速度ができるだけ早い規格を使う必要があります。




各メーカーのBDレコーダー

BDレコーダーには前述しましたように各種の機能が搭載されており、その内容はメーカーや機種によって様々です。
BDレコーダーをどのような目的で使用するかを明確にしてから機種を選択することが大事です。

BDレコーダーを発売している国内の主なメーカーとしては、パナソニック、東芝、ソニー、シャープなどがあります。
DLNAとDTCP-IPに対応している各メーカーの主な製品を以下に掲載しました。

複数の番組を同時に何時間も録画できて4K対応の製品が増えてきていますが、 各社の製品の主な特徴は、
 ソニー:3、2番組同時録画、4K長時間録画
 東芝 :タイムシフトマシン、8番組同時録画
 パナソニック:全自動録画、8ch x 約28時間
 シャープ:4Kを3、2番組同時録画

BD/DVDレコーダー
(2024年の各社ホームページに掲載されている製品)

ソニー製品
4Kチューナー内蔵Ultra HD ブルーレイ/DVDレコーダー
 BDZ-FBT4200/BDZ-FBT2200(最大3番組同時録画)
 BDZ-FBW2200(最大2番組同時録画)
4Kチューナー内蔵Ultra HD ブルーレイ/DVDレコーダー
 BDZ-FBT6100/BDZ-FBT4100/BDZ-FBT2100
4Kチューナー内蔵Ultra HD ブルーレイ/DVDレコーダー
 BDZ-FBW2100/BDZ-FBW1100
ブルーレイディスク/DVDレコーダー
 BDZ-ZT2800/BDZ-ZT1800/BDZ-ZW2800/BDZ-ZW1800

東芝製品「REGZA」
4Kレグザブルーレイ(最大8番組同時録画、4Kハイブリッド自動録画)
 DBR-4KZ600/400/200
レグザタイムシフトマシン(最大7番組同時録画)
 DBR-M4010/M3010
レグザブルーレイ(最大3番組同時録画)
 DBR-T2010/T1010
レグザブルーレイ(最大2番組同時録画)
 DBR-W2010/W1010
Ultra HD対応レグザブルーレイ(最大3番組同時録画)
 DBR-UT309/209/109

パナソニック製品「DIGA」
全自動ディーガ(ハイビジョン対応 最大8~4ch x 約28日間)
 DMR-4X1002(10TB)/DMR-4K602
全自動ディーガ(最大10~6ch x 約28~16日間)
 DMR-2X602(6TB)/DMR-2K302/DMR-2K202
4Kチューナー内蔵ディーガ(3番組同時録画対応)
 DMR-ZR1(6TB)/DMR-4T403/DMR-4T303/DMR-4T203/
 DMR-4T103/DMR-4TS203
ディーガ(2番組同時録画対応)
 DMR-2W202(2TB)/DMR-2W102

シャープ製品「AQUOS ブルーレイ」
4Kチューナー内蔵 ブルーレイディスクレコーダー
[AQUOS 4Kレコーダー]
 4B-ET3シリーズ(6TB/4TB/2TB、3番組同時録画)
 4B-EW3シリーズ(4TB/2TB/1TB、2番組同時録画)
ブルーレイディスクレコーダー [AQUOS ブルーレイ]
 2B-ET1シリーズ(2TB/1TB、3番組同時録画)
 2B-EW1シリーズ(2TB/1TB/0.5TB、2番組同時録画)
 2B-EW2シリーズ(1TB、2番組同時録画)


BD/DVDレコーダー(2020年~2021年製品)

ソニー製品
4Kチューナー内蔵Ultra HD ブルーレイレコーダー(3番組同時録画)
 BDZ-FBT6100/FBT4100/FBT2100
4Kチューナー内蔵Ultra HD ブルーレイレコーダー(2番組同時録画)
 BDZ-FBW2100/FBW1100
ブルーレイディスク/DVDレコーダー(3番組同時録画)
 BDZ-ZT2800/ZT1800、BDZ-ZW2800/ZW1800

東芝製品「REGZA」
4Kレグザブルーレイ(タイムシフト、3番組同時録画)
 DBR-4KZ600/4KZ400/4KZ200
レグザタイムシフトマシン(6チャンネルを長期間録画)
 DBR-M4010/M3010
Ultra HD対応 レグザブルーレイ(3番組を同時録画、旧モデル)
 DBR-UT309/UT209/UT109
レグザブルーレイ(3番組同時録画モデル)
 DBR-T2010/T1010
レグザブルーレイ(2番組同時録画モデル)
 DBR-W2010/W1010

パナソニック「DIGA」
全自動ディーガ(多チャンネルを長期間録画)
 DMR-4X600、DMR-2X301
4Kチューナー内蔵ディーガ(3番組または2番組を同時録画)
 DMR-ZR1、DMR-4T402/4T302/4T202、
 DMR-4W202/4W102、DMR-4W201/4W101
レギュラーディーガ(2番組同時録画)
 DMR-2W201/2W101/2W51

シャープ「AQUOS ブルーレイ」
4Kチューナー内蔵 ブルーレイディスクレコーダー(4K放送 2番組を同時に長時間録画)
 4B-DT3シリーズ、4B-DW3シリーズ
ブルーレイディスクレコーダー(連ドラを予約いらずで自動録画)
 2B-DT1シリーズ、2B-DW1シリーズ、
 2B-DW2シリーズ