DTCP+とは(2)
- DTCP+対応製品と使い方 -
デジタルコンテンツの著作権保護方式DTCP-IPの新バージョン「DTCP+」に対応する製品を利用すると、 デジタルTVやBDレコーダー、 nasneなどを用いて家庭内で録画したデジタル放送番組をインターネットを介して外部からパソコンやスマートフォンなどでストリーミング再生できるようになります。
DTCP+に対応する製品には、以下に記載したように録画番組をインターネット上に送出する機器と、これを受信して再生する機器があります。
また、DTCP+ではデジタル放送チューナーを搭載している機器からは直接に送出できない決まりになっているため、
以下の図のように、録画した放送番組をDTCP+対応のNAS(LAN接続HDD)にDTCP-IPムーブで一度ダビングしておき、
そのNASから送出した録画番組をインターネットや公衆回線を介してパソコンやスマートフォンで再生・視聴するのが一般的な使い方になります。
DTCP+を利用して録画番組をインターネットを介して再生・視聴
送出機器
NAS(LAN接続HDD)
IO DATAの「HVL-Aシリーズ」、「HVL-ATシリーズ」、「HVL-ATAシリーズ」
Buffaloの「LS410DXシリーズ」
DTCP+対応アダプター
パナソニックのDTCP+対応アダプター「DY-RS10」を用いると、DIGAの一部機種で録画した番組をSDカードに保存してから送出できます。
受信機器
パソコン
DTCP+対応のソフトウェアを用いて再生を行います。
上記のDTCP+対応NASを購入すると再生用のDTCP+対応ソフト「DiXiM Digital TV 2013 for IO-DATA/Buffalo」が無償で利用できます。
また、富士通のパソコン「ESPRIMO FH78/LD」はDTCP+によるリモートアクセス機能を備えています。
スマートフォン
Android OSのスマートフォンとしては富士通製の2013年夏モデル3機種がDTCP+対応の再生アプリを初めて搭載するようになりました。
また、iOS対応機器については、DTCP-IP対応アプリ「DiXiM Digital TV for iOS」のVer.2.0.0(2013年8月30日公開)がDTCP+対応となっており、
iPhone、iPad、iPod touchなどで再生できます。
以下では、DTCP+に対応している製品の特徴と使い方について紹介します。
- DTCP+対応NAS「HVL-Aシリーズ」(トランスコーダーは別売)
- DTCP+対応NAS「HVL-ATシリーズ」(トランスコード機能を搭載)
- DTCP+対応NAS「HVL-ATAシリーズ」(前モデル「HVL-ATシリーズ」の後継機)
- DTCP+対応NAS「LS410DXシリーズ」(トランスコード機能を搭載)
- DTCP+対応アダプター
- DTCP+対応ソフトウェア(パソコンで再生)
- DTCP+対応アプリ(スマートフォン、タブレットで再生)
<DTCP+関連ページ>
DTCP+の概要については、
「DTCP+とは(1) - 録画番組をインターネットを介して外出先で再生・視聴 -」
のページにまとめてあります。
<最新情報>
DTCP+対応NASの新製品(2014年8月)
IO DATAからDTCP+対応NAS「RECBOX +REMOTE」の最新モデル「HVL-ATAシリーズ」が発売。
前モデル「HVL-ATシリーズ」の後継機という位置付けですが、次のような新機能が追加されました。
・トランスコードしてダビング可能。(最大15倍圧縮)
・チャプタ情報もダビングできる。
DTCP+対応のタブレット(2013年11月)
auからDTCP+対応のタブレットが発売されるようになりました。
au「ARROWS Tab」
DTCP+対応のスマートフォン新製品(2013年10月)
ドコモとauからDTCP+対応の冬モデルが発売されました。
ドコモ「ARROWS NX F-01F」
au「ARROWS Z」
IO DATAのHVL-AT、HVL-Aがファームウェアをアップデート(2013年10月9日)
ファームウェアがVer.1.22にアップデートされ、nasne、DIGA、シャープブルーレイ等からの自動ダビング機能が強化されました。
iPhone、iPad、iPod touch用のDTCP+対応アプリ(2013年8月)
iOSに対応するDTCP-IP対応アプリ「DiXiM Digital TV for iOS」が8月30日にVer.2.0.0にバージョンアップされ、
DTCP+にも対応するようになりました。
DTCP+対応のスマートフォンが新発売(2013年6月)
2013年夏モデルの中で次の3機種がDTCP+に対応しており、Androidスマートフォンで録画番組を外出先から視聴できるようになりました。
ドコモ「ARROWS NX F-06E」
ドコモ「Disney Mobile F-07E」
ソフトバンク「ARROWS A 202F」
DTCP+対応NAS「HVL-Aシリーズ」
DTCP+ではデジタル放送チューナーを搭載している機器からは録画番組を直接に送出できない決まりになっているため、 デジタルTVやBDレコーダー、nasneなどで録画した放送番組はDTCP+対応のNAS(LAN接続HDD) にDTCP-IPムーブで一度ダビングしておき、そのNASから送出することになります。
DTCP+に対応して外部からリモートアクセスできる製品は、2013年2月発売のIO DATA社のNAS「HVL-A」が初めての製品です。
IO DATA社からは「HVL-AVシリーズ」のNASなどが「RECBOX」という商品名で発売されていますが、
新たなシリーズとして記憶容量が異なる次の3モデルが発売されるようになりました。
HVL-A2.0(2TBモデル)
HVL-A3.0(3TBモデル)
HVL-A4.0(4TBモデル)
これらに保存した録画番組をリモート再生できるソフトウェアは、
デジオン社製のWindowsパソコン用ソフト「DiXiM Digital TV 2013 for IO-DATA」が無償でダウンロードできますので、
これをインストールしたパソコンを使用すれば、
HVL-Aに保存したデジタル放送番組を外出先などの外部からでも再生・視聴できるようになります。
なお、対応OSはWindows 8(32/64ビット)、Windows 7(32/64ビット)、Windows Vista(32ビット)となっています。
また、外部からリモートアクセスするには、下記の『機器の事前登録と再生』に記載したように、
このソフトを用いて事前にレジストレーション(ペアリング)を行なっておく必要があります。
<注意点>
インターネット回線の通信速度によって録画番組がスムーズに再生できるかが決まりますが、
1~3Mbps程度でのリモート再生が推奨されています。
従って、DRモードなどの高画質映像では再生速度が早いので、HVL-Aにダビングする前に録画機器側で長時間モードで録画しておくか、
あるいはダビングする際に長時間モードに変換する必要があります。
<参考>
DRモードなどでHVL-Aにダビングした録画番組も利用できるように、
2013年6月にトランスコード(圧縮変換)機能を備えたアダプター「
GV-TRC/USB
」が発売されました。
「HVL-Aシリーズ」のUSBポートに挿入して利用できるようになっています。
また、外部からリモートアクセスできる機器はDTCP+の制約により1台のみとなっていますので、 アクセスできるパソコンは同時には1台だけとなります。HVL-Aは同時に3ストリームを送出できますので、 外部から1台のパソコンでアクセスしている時に、 ホームネットワーク内ではデジタルTVやタブレット・スマートフォン等を用いて同時に2台まで再生・視聴することができます。
機器の事前登録と再生
外部からHVL-Aにアクセスするには、「DiXiM Digital TV 2013 for IO-DATA」をインストールしたパソコンをホームネットワークに接続して、
HVL-Aに登録(最大20台まで)しておく必要があります。
この事前登録の方法や録画番組を再生する手順についてはデジオン社のサイトで紹介されていますので参照してください。
DiXiM Digital TV 2013の画面例を以下に掲載しましたが、
左側の「リモートサーバー」を選ぶとホームネットワークに接続されているNASが表示されるので(サーバー名はDiXiM Media Serverと表示)、
この中の放送コンテンツを外部から再生できます。
DiXiM Digital TV 2013の画面例
(リモートサーバーを選ぶと自宅のサーバーが表示される)
HVL-Aにダビングできる機器
録画したデジタル放送番組をHVL-Aにダビング(ムーブ/コピー)できる機器はDLNA及びDTCP-IPムーブに対応したレコーダーや録画対応PCなどですが、
下記の製品などの対応も確認されています。
DTCP-IP対応デジタルTV
東芝 REGZA
日立 Wooo
シャープ AQUOS
パナソニック VIERA
対応機種の詳細は、IO DATAのサイトに掲載されています。
デジタルTVを用いて内蔵HDDや外付けHDDに録画した番組は、そのままでは録画した機器以外では再生できませんが、
DTCP-IP対応のNASにダビングしておけばホームネットワーク内では他のDTCP-IP対応機器で再生することができ、
更に、NASとして「HVL-Aシリーズ」を使用すればホームネットワークを越えて外出先などでもパソコンやスマートフォンなどを用いて再生できるようになります。
スカパー!HDチューナー
スカパー!プレミアムサービスリンクに対応したチューナーで録画した番組をHVL-Aにダビング保存できます。
対応機種の詳細は、IO DATAのサイトに掲載されています。
nasne(ナスネ)
ソニーコンピュータエンターテイメントのネットワークレコーダー「nasne」で録画したデジタル放送番組をHVL-Aにダビングできます。
また、2013年4月17日のファームウェアのアップデートにより、nasneからの自動ダウンロードにも対応するようになりました。
従来のRECBOX製品との比較
HVL-AVシリーズなどの従来のRECBOX製品が備えている機能は、そのままHVL-Aシリーズも対応しており、
新たに外部からのリモート再生も可能になった製品であるといえます。
但し、HVL-AVでは可能であったCATV STBからのダビングには対応していないので注意してください。
DTCP+対応NAS「HVL-ATシリーズ」
「HVL-Aシリーズ」はトランスコード機能を備えていないため、録画番組をインターネットを介して送出するには長時間モードの映像を「HVL-Aシリーズ」
にダビングしておく必要があります。
また、DRモードなどの高画質映像でダビングした録画番組を利用するには、トランスコード(圧縮変換)機能を備えたアダプターを別途購入する必要があります。
しかし、新製品の「HVL-ATシリーズ」はトランスコード機能を内蔵しているのでダビングする際に録画モードを気にしないで済むようになっており、
記憶容量の異なる次の3モデルが発売されています。
HVL-AT2.0(2TBモデル)
HVL-AT3.0(3TBモデル)
HVL-AT4.0(4TBモデル)
「HVL-ATシリーズ」の基本機能・性能は前モデルの「HVL-Aシリーズ」と同様ですが、
大きな違いは通信回線に合わせて映像のサイズを変換して録画番組がスムーズに再生できるようにトランスコードする「Smartplaying Engine」を搭載していることです。
これにより、デジタルTV等で録画して「HVL-ATシリーズ」にダビングした放送番組は、0.6Mbps~4.5Mbpsの通信速度を自動(あるいは手動)で選択して、
最適なサイズにリアルタイム変換してH.264映像として送出されます。
従って、HDD内に保存されている元の録画番組データはそのままの画質を保持しているので、家庭内で高画質のまま視聴したり、他の機器へ高画質のままダビング
(ムーブ/コピー)することが可能です。
DTCP+対応NAS「HVL-ATAシリーズ」
「HVL-ATAシリーズ」は、前モデル「HVL-ATシリーズ」の基本機能を受け継いでいますが、新たに次のような機能が追加されています。
- ダビング時にトランスコードでき、録画済み番組を最大15倍まで圧縮して保存。
- チャプタ情報付き番組をチャプタ情報を含めてダビングできる。
新製品
HVL-AT2.0A(2TBモデル)
HVL-AT3.0A(3TBモデル)
HVL-AT4.0A(4TBモデル)
DTCP+対応NAS「LS410DXシリーズ」
DTCP+対応のNAS「LS410DXシリーズ」は2013年9月にBuffaloから発売されました。
IO DATAの「HVL-ATシリーズ」と同じようにトランスコード(圧縮変換)機能を搭載しており、
デジタルTVやBDレコーダー、nasne等の録画機器からダビングした録画番組を回線速度に合わせてリアルタイムで変換して送出することができます。
製品は記憶容量の異なる次の3モデルが発売されています。
LS410D0201X(2TBモデル)
LS410D0301X(3TBモデル)
LS410D0401X(4TBモデル):受注生産
録画番組を「LS410DXシリーズ」にダビングできる機器や外部からリモートアクセスできる機器などの動作確認情報は、
Buffaloのサイトに掲載されています。
また、パソコン用のDTCP+対応ソフトは、「DiXiM Digital TV 2013 for Buffalo」が製品に添付されています。
DTCP+対応アダプター
パナソニックのBDレコーダー「DIGA」の一部機種にDTCP+のサーバー機能を拡張するためのアダプター装置「
DY-RS10
」が2013年5月にパナソニックから発売されました。
対応するBDレコーダーは、DMR-BZT750、BWT650/550、BRT250などです。
対応機器の一覧はパナソニックのサイトに掲載されていますので参照してください。
また、宅外視聴についての動作環境確認情報はこちらに掲載されています。
大きさは名刺サイズで、付属のケーブルでDIGAのUSB端子に接続して使用しますが、電源もそのUSB端子から供給されるようになっています。
また、本体にSDカードスロットが備えられており、DIGAからSDカード内に保存した持ち出し用映像を配信するようになっています。
この配信用の映像はDIGAの持ち出し番組機能をそのまま使うと、サイズが640x360、ビットレートが1.5MbpのSD-Video形式(H.264 Mobile Video Profile)
となります。
「DY-RS10」は無線LAN(Wi-Fi)機能を搭載しており、ホームネットワーク内の無線LANルーターに接続してSDカード内の録画番組をインターネット上に送出するので、
このアダプター自身が独立したDTCP+配信サーバーとなっています。
また、配信された映像を受信する側の機器は、iOS6.0又はiOS5.0以降を搭載したiPhone、iPad、iPod touchとなっており、
iOS版のアプリ「リモートビューアー」が無料で提供されています。利用できるクライアント機器は最大で20台です。
DTCP+対応ソフトウェア(パソコンで再生)
DTCP+対応のNASにダビングした録画番組を外部からリモート再生できるDTCP+対応ソフトウェアは、
IO DATAのDTCP+対応製品を購入すると無償でダウンロードできます。Buffaloの場合はDTCP+対応NAS製品に添付されています。
パソコンのOSはWindows 8/7/Vistaに対応しています。
「DiXiM Digital TV 2013 for IO-DATA」
「DiXiM Digital TV 2013 for Buffalo」
また、富士通のパソコン「ESPRIMO FH78/LD」は録画機能とDTCP+サーバー機能を備えており、 DTCP+によるリモートアクセスも行うことができます。
DTCP+対応アプリ(スマートフォン、タブレットで再生)
Android OS機器
2013年夏モデル以降の下記の富士通製スマートフォンがDTCP+対応アプリを搭載しています。
ドコモ「ARROWS NX F-01F」(冬モデル)
au「ARROWS Z」(冬モデル)
ドコモ「ARROWS NX F-06E」(夏モデル)
ドコモ「Disney Mobile F-07E」(夏モデル)
ソフトバンク「ARROWS A 202F」(夏モデル)
DTCP+対応のタブレットはauの「ARROWS Tab」が2013年11月に発売されるようになりました。
iOS機器
DTCP-IP対応のアプリ「DiXiM Digital TV for iOS」が2013年8月30日にVer.2.0.0にバージョンアップされ、DTCP+に対応するようになりました。
このアプリの価格は1,000円ですが、追加で500円を支払うことでDTCP+のリモートアクセスが利用できるようになります。
iOS5.1.1以降、iOS6.01以降に対応しており、iPhone4S/5、iPad2、第3/4世代iPad、iPad mini、第5世代iPod touchなどの機器で利用できます。
<DTCP+関連ページ>
DTCP+の概要については、
「DTCP+とは(1) - 録画番組をインターネットを介して外出先で再生・視聴 -」
のページにまとめてあります。