ホームネットワーク(家庭内LAN)のソフトウェア
ホームネットワーク(家庭内LAN)にはデジタル家電/パソコン/周辺機器/モバイル機器/
ゲーム機など様々なホーム機器を接続できますが、パソコンやスマートフォン/タブレットを他の機器と連携させて、
放送/動画/画像/音楽などのコンテンツを利用し合うには、以下に記載したような各種機能を備えているソフトウェアやアプリが必要になります。
これらがパソコンやスマートフォン/タブレットに標準で搭載されていない場合は無料あるいは有料のソフトやアプリをインストールして使用することになります。
- 他の機器からの要求に応じてコンテンツを配信するサーバーソフト/アプリ
(利用例:パソコン内のコンテンツをデジタルTVへ配信する) - サーバー機器のコンテンツを自動認識して受信/再生するクライアントソフト/アプリ
(利用例:BDレコーダーの録画番組やNAS内のコンテンツをパソコンで再生する) - 他の機器のコンテンツ配信や再生をリモート操作するコントロールソフト/アプリ
(利用例:スマートフォンで操作してNAS内のコンテンツをデジタルTVで再生させる) - 動画/画像/音楽などのコンテンツを再生するプレーヤーソフト/アプリ
(利用例:パソコンやNASのコンテンツをパソコンやスマホで再生・視聴する) - インターネット上のコンテンツを再生するソフト/アプリ
(利用例:動画配信サービスの動画を再生・視聴する) - インターネット上のコンテンツをダウンロードするソフト/アプリ
(利用例:YouTube等のコンテンツ共有サイトの動画の保存を行う) - コンテンツのファイル形式を変換するソフトウェア
(利用例:デジタルTVでは再生できない動画を他のファイル形式に変換する) - 特定の機器のコンテンツを再生する専用ソフト/アプリ
(利用例:ネットワークカメラの映像をスマートフォンで見る)
これらの中で1、2、3はホームネットワークに接続されている機器やコンテンツを自動認識するために、以下の図のように、 機器間相互接続方式のDLNAに対応しているソフトウェア/アプリが広く用いられています。 なお、コンテンツがデジタル放送の場合はデジタル放送の著作権保護方式DTCP-IPにも対応している必要があります。
DLNA対応ソフトウェア/アプリによる機器間連携
(機器やコンテンツを自動認識して配信/再生/操作)
また、4はパソコンの場合はWindows Media PlayerやVLC Player、GOM Playerのような動画/画像/音楽のプレーヤーソフトです。 パソコンやNASをホームネットワークに接続すると同じネットワークグループ「WORKGROUP」にできるので、 DLNAに対応していなくても他のパソコンやNASのコンテンツをホームネットワークを経由してプレーヤーソフトで再生できます。
上記5の再生ソフト/アプリは、動画配信サービス(Netflix、Hulu、Prime Video、他)の映像を視聴するためのものです。
上記6のダウンロードソフト/アプリは、インターネット上のコンテンツ共有サイトの動画等をパソコンやNASに保存するために使用します。
HDクラスの高画質映像が多数アップされているので、これらを保存しておけばデジタルTVの大画面でいつでも視聴することができます。
この時、デジタルTVで再生できないファイル形式であれば上記7のようなファイル形式変換ソフトを用いて再生可能な形式に変換しておきます。
以下では、ホームネットワークに接続されている機器とパソコン/スマートフォン/タブレットを連携させて各種コンテンツを活用するのに必要なソフトウェア/アプリを取り上げて、
- パソコン用のホームネットワークソフト
- スマートフォン/タブレット用のホームネットワークアプリ
- ホームネットワークに接続されている特定の機器を利用するための専用ソフト/アプリ
などについて紹介します。
<参考>
ホームネットワークにはどのような機器が接続できるかについては、
「ホーム機器」
のページをご覧ください。
パソコン用ホームネットワークソフトウェア
サーバーソフト
パソコンに保存してある動画/画像/音楽などのコンテンツをホームネットワークに接続されている他の機器へ配信できるソフトウェアです。
機器間相互接続方式DLNAのサーバー機能(DMS)を備えているサーバーソフトを使用すれば、
他のDLNA対応クライアント機器がサーバーソフトを自動認識して、パソコンのコンテンツを再生できるようになります。
どのコンテンツを配信の対象とするかは、コンテンツが入っているフォルダの共有設定をサーバーソフトを用いて行っておきます。
サーバー機能を備えている代表的なソフトを以下に列挙しました。
PowerDVD 22 Ultra
ブルーレイディスク等の再生や映像の高画質化機能などを備えた総合ソフトですが、DLNAのサーバー機能やクライアント機能を備えています。
また、デジタル放送番組の再生も行えます。
PowerDVDは画像処理機能やクラウド連携機能を強化した最新バージョン「PowerDVD 22 Ultra」が2022年4月に発売されています。
詳細は下記のページにまとめてありますのでご覧ください。
Mezzmo
動画/画像/音楽などのコンテンツを配信できるサーバーソフトです。
パソコンのコンテンツだけでなくホームネットワークに接続されているNASや他のパソコンのコンテンツも配信できる特徴があります。
また、ファイル形式の変換機能を備えておりクライアント機器に応じてファイル形式を変換して配信することができます。
例えば、デジタルTV「REGZA」の旧製品(Z9000など)でも、Mezzmoにアクセスすれば、NAS内のFLVやMP4などの動画を再生することが可能です。
Mezzmoの詳細は「Mezzmoの使い方」のページをご覧ください。
Kodi
パソコン内やインターネット上の動画/画像/音楽コンテンツを、ホームネットワークを介してクライアント機器に配信することができます。
また、DLNA対応クライアントソフトとしても利用することができます。詳細は、
「サーバーソフトKodiの使い方」
のページをご覧ください。
Windows Media Player
Windowsパソコンに標準で搭載されているDLNA対応サーバー兼クライアントソフトです。
但し、DTCP-IPには対応していないのでデジタル放送番組は扱えません。
TVersity
動画/画像/音楽などのコンテンツを配信できるサーバーソフトです。ファイル形式の変換機能を備えているので、
クライアント機器に応じてファイル形式を変換して配信できる特徴があります。
現在は、サポートが終了しています。
詳細については、「TVersityの使い方」のページをご覧ください。
クライアントソフト
動画/画像/音楽だけでなく、デジタル放送番組も再生できるDLNA/DTCP-IP対応クライアントソフトを以下に紹介します。
なお、サーバーソフトとして紹介した「Windows Media Player」もクライアントソフトとして利用できますが、
これらはDTCP-IPには対応していないので録画番組の再生はできません。
PowerDVD 22 Ultra
動画/画像/音楽コンテンツのサーバーソフトとしても紹介しました多機能な総合ソフトです。
PowerDVDは画像処理機能やクラウド連携機能を強化した新バージョン「PowerDVD 22 Ultra」が2022年4月に発売されています。
詳細は下記のページをご覧ください。
「PowerDVD 22 Ultraの使い方」
DiXiM Play(DiXiM Digital TV plus)
DLNAとDTCP-IPに対応しているのでBDレコーダーやデジタルTVで録画したデジタル放送番組も再生することができます。
DiXiM Digital TVは2019年6月にサポートサービスが終了しており、
現在は、2015年に新たに発売された「DiXiM Play」(Windows版、Android版、iOS版)が利用されています。
DiXiM Playについては、
「Echo Show 15でテレビ放送(生放送/録画番組)を見る」
のページで紹介していますのでご覧ください。
なお、DiXiM Digital TV plusについては、
「DiXiM Digital TV plusの使い方 -録画番組や動画・画像・音楽をPCでストリーミング再生-」
のページをご覧ください。
プレーヤーソフト
パソコンやNASをホームネットワークに接続すると同じネットワークグループ「WORKGROUP」にできるので、
DLNAに対応していなくても他のパソコンやNASのコンテンツをホームネットワークを経由してプレーヤーソフトで再生できます。
パソコンにインストールしておくと便利な無料のプレーヤーソフトを以下に紹介します。
これらは様々なファイル形式の動画を再生できる特徴を持っていますが、その他にも役に立つ機能を備えています。
プレーヤーソフト全般については、
「動画・音楽コンテンツの再生プレーヤー」
のページにまとめてあるので参照してください。
VLC media player
各種OS(Windows、Mac OS X 、BeOS、Linux、FreeBSD、他)用のプレーヤーが用意されています。
GOM Player
動画の編集/加工や、動画のシーンをキャプチャーすることができます。
ダウンロードソフト
インターネット上のYouTubeやニコニコ動画のようなコンテンツ共有サイトの動画等をパソコンやNASに保存するために使用します。
HDクラスの高画質映像を保存しておけばデジタルTVの大画面で視聴することもできます。
ダウンロードソフトの具体例は、
「インターネットコンテンツのダウンロード・保存」
のページにまとめてあるので参照してください。
ファイル形式変換ソフト
インターネット上のコンテンツ共有サイトからダウンロードした動画には各種のファイル形式があります。
パソコンのプレーヤーソフトは多くのファイル形式の動画を再生できますが、
デジタルTVの場合は再生できるファイル形式が限られており、例えば、よく使われているFLV(フラッシュビデオ)は再生できません。
しかし、ファイル形式変換ソフトを使用してMPEGなどの再生可能なファイル形式に変換しておけば大画面のデジタルTVでも視聴できるようになります。
ファイル形式の概要やファイル形式変換ソフトの具体例は、
「ファイル形式(フォーマット)と変換」
のページにまとめてあるので参照してください。
デジタルアルバム用ソフト
デジタルカメラ/デジタルビデオカメラやスマートフォン/タブレットなどで撮影した写真や動画が多数ある場合、
これらを撮影した年月日順に整理して一覧表示してくれるソフトがあります。
代表的なソフトとしては「Picasa 3」がありましたが提供は終了し、写真関連のサービスはGoogleフォトに一元化されました。
Googleフォトは、Picasa よりも洗練されている新しい写真アプリです。
パソコン内のフォルダに分散して保存してあっても時系列で表示してくれるので便利です。
また、ホームネットワークに接続してあるNASや他のパソコンに保存してある写真や動画をインポートして時系列表示することもできます。
スマートフォン/タブレット用ホームネットワークアプリ
プレーヤーアプリ
ホームネットワークに接続されているパソコンやNASのコンテンツ(動画/音楽/画像)を再生するプレーヤーアプリは、
機器間接続方式DLNAに対応している必要があります。
DLNA対応アプリを標準で搭載するスマートフォンやタブレットもありますが、
搭載されていない場合は、以下のような単体のアプリが無料あるいは有料で提供されているので、
Google PlayやApp Storeなどからダウンロードして使用します。
DiXiM Play
デジオン社から提供されているアプリです。DLNAとDTCP-IPにも対応しているので、
パソコンやNASに保存した動画・画像・音楽だけでなく録画番組も再生することができます。
また、外出先から家庭内にリモートアクセスすることができます。
Android、iOS、Windows、Amazon Fire OS、Mac/iPadの5つのプラットフォームで利用することができます。
DiXiM Playはデジオン社のサイトで紹介されています。
MX Player
MX Playerは無料で利用できるAndroid対応のプレーヤーアプリです。
コ―デックを内蔵しており、ほとんどの動画形式・音楽形式に対応している特徴があります。
操作性についても、画面をスライドするだけで音量や明るさ、再生位置の調節などが行えます。
VLCプレーヤー
VLCはWindows, Linux, Mac OS X, Unix, iOS, Androidなど多くのOSで利用されている定番の動画再生プレイヤーです。
多くのコーデックに対応しているので様々なファイル形式の動画を再生できるため広く利用されています。
ホームネットワークに接続されたパソコンやNAS、nasne等に保存されているコンテンツをストリーミング再生できます。
Twonky Beam(公開終了)
DLNAのサーバー機能とクライアント機能を備えている代表的なアプリです。DTCP-IPにも対応しており放送番組の再生もできます。
スマートフォン等で撮影した動画/写真をパソコンやデジタルTVで見ることができます。
なお、Twonky BeamはAndroid版とiOS版のアプリが提供されています。
詳しい特徴や使い方等については、
Skifta(公開終了)
DLNAの認証を受けた最初のアプリであり、動画/画像/音楽のサーバー機能とクライアント機能を備えています。
但し、プレーヤーの機能は備えていないのでコンテンツを再生する時は機器内にインストールされているプレーヤーアプリを選んで使用することになります。
詳しい特徴や使い方等については、下記のページをご覧ください。
コントロールアプリ
スマートフォンやタブレットを用いて他の機器をリモート操作できるアプリです。リモート操作の例としては、
パソコンやNASのコンテンツリストをスマートフォン等に表示して、選んだコンテンツをデジタルTVで再生させることができます。
このようなリモートコントロール機能を備えているアプリには、「PowerDVD Player」、「PowerDVD Mobile」、
「PowerDVD Remote」、「Twonky Beam」、「Media Link Player」、などがあります。
PowerDVD Mobile、
PowerDVD Remote
これらはパソコンの「PowerDVD Ultra」旧バージョンと連携して利用されますが、
「PowerDVD Mobile」を用いるとDLNA機器間でのコンテンツ再生をスマートフォン/タブレットで指示することができます。
また、「PowerDVD Remoto」は、パソコンをリモート操作できるリモートデスクトップ機能を備えています。
これらの特徴や使い方等については、
「PowerDVD 13/12の使い方(2)-スマートフォンとの連携-」
のページをご覧ください。
「PowerDVD Mobile」は「Power Player」に替わっており、「PowerDVD 22 Ultra」と連携して利用されますが、
現在は、CyberLink社のサービス「CyberLinkクラウド」と連携して使用できます。
また、スマートフォン内の動画を再生・視聴することができます。
Twonky Beam(公開終了)
放送/動画/画像/音楽の再生をスマートフォン等で操作する方法については、
「Twonky Beamの使い方 -放送・ビデオ・画像・音楽の再生をスマホで操作-」
のページを参照してください。
ホームネットワークに接続された特定の機器を扱う
ソフトウェア/アプリ
スマートリモコンのコントロールアプリ
スマートホームの中心デバイスの一つであるスマートリモコンが各社から発売されています。
それぞれの製品には専用のアプリが用意されており、スマートフォンにインストールして利用することになります。
専用アプリの具体例については、
「スマートリモコンの使い方」
のページで紹介していますので参照してください。
スマートスピーカー/ディスプレイのコントロールアプリ
スマートホームの中心デバイスの一つであるスマートスピーカー/ディスプレイを操作するには専用のアプリが必要です。
Amazonデバイスでは「Amazon Alexa」アプリが用意されており、Googleデバイスでは「Google Home」アプリが用意されています。
Amazon Alexaアプリを使うと、Alexa搭載デバイスの設定や、音楽を聞く、買い物リストを作成する、
最新のニュースを入手するなどいろいろな事ができます。
Google Homeアプリは、Google Nest、Google Wifi、Google Home、Chromecastデバイスをはじめ、
照明、テレビ、エアコンなど、様々なスマートホームデバイスの設定、管理、操作を行うことができます。
専用アプリの使用例については、
「スマートスピーカー「Google Home」の使い方」
のページで紹介していますので参照してください。
ネットワークカメラ(IPカメラ)のビューアーアプリ
ホームネットワークに接続して子供/老人/ペットなどの見守りや、
家内外の監視・モニターを行う家庭向けのネットワークカメラが低価格で発売されるようになっています。
このカメラ映像をスマートフォンやタブレットを用いて家庭内や外出先などで見ることができる各種のビューアーアプリが提供されており、
ネットワークカメラメーカーが提供している専用アプリや、メーカーを問わずに利用できるアプリなどがあります。
ビューアーアプリの具体例については、
「スマートカメラ「ATOM Cam」の使い方」
「スマートカメラ「Kasaカメラ KC100」の使い方」
「ネットワークカメラQwatch「TS-WLCAM」の使い方(1)接続/登録設定」
「低価格TENVISネットワークカメラ「JPT3815」の使い方(3) スマートフォンで見る」
のページで紹介していますので参照してください。
DTCP+対応ソフト/アプリ
家庭内で録画したデジタル放送番組をDTCP+対応のNASにダビングしておくと、
インターネットや公衆回線を経由して外出先などの外部からリモートアクセスすることができ、
DTCP+対応ソフト/アプリを用いて録画番組をストリーミング再生することができます。
パソコンでリモート再生する場合は、DTCP+対応NASのメーカーから専用ソフトが提供されています。
また、スマートフォンやタブレットでリモート再生する場合は、iOS向けのアプリ「DiXiM Digital TV for iOS」があります。
Android端末では「DiXiM Player 4.0 for Android」がありました。これらは現在では「DiXiM Play」アプリに統一されています。
DTCP+の詳細、及び、DTCP+対応ソフト/アプリについては、
「DTCP+とは(1) - 録画番組をインターネットを介して外出先から再生・視聴 -」
「DTCP+とは(2) - DTCP+対応製品と使い方 -」
を参照してください。