TVersityの使い方(インストール、設定、視聴)

TVersityは、パソコン内やインターネット上のマルチメディアコンテンツを、ホームネットワーク(家庭内LAN)を介して、 ネットワークメディアプレーヤーやゲーム機、モバイル機器(iPhone、PSP等)、 他のパソコンなどのクライアント機器に配信することができるコンテンツサーバソフトです。
米国のTVersity社(New Jersey, USA)が開発したソフトであり、Basicバージョン、及び、 機能が追加されたPROバージョンを同社のホームページからダウンロードすることができます。 これまで1,200万以上のダウンロードが行われており全世界で広く利用されています。 (2012年7月現在。最新バージョンは、Version 2.2)
TVersityのBasicバージョン(~Version 1.97)はフリーソフトでしたが、 2012年4月に発表されたVersion 2.0からはライセンスキーが必要になっています。
TVersityの主な特徴としては次のような点があります。

パソコン内の動画・静止画・音楽をクライアント機器に配信
DLNAが採用している相互接続プロトコルUPnP AVを利用しているので、 TVersityで共有(公開)設定したフォルダ内コンテンツをDLNA対応のクライアント機器や UPnP AV対応のクライアント機器を用いて視聴することができます。 また、ウェブブラウザやRSS/PodcastリーダーでもTVersityにアクセスすることができます。

ファイル形式を変換して配信
トランスコード(ファイル形式の変換)機能を持っており、 クライアント機器が対応していないファイル形式のコンテンツも再生できるようになります。 また、トランスコード再生されたファイルはキャッシュされており、次の再生は早く行われるようになります。

インターネットコンテンツを配信
InternetTVやインターネットラジオなどのインターネットサービスにアクセス・接続できるので、 TVersityを介することにより、ネットワークメディアプレーヤーやゲーム機を接続したテレビや ネットワークオーディオ機器などでインターネットコンテンツを視聴できます。 また、YouTube等の動画共有サイトへのアクセスも可能であり、RSSフィードやPodcastにも対応しています。
なお、フリー版ではYouTubeへのアクセスは一部に限られていますが、これを解除でき、更に、BBC、CBS、MTV、Discovery Channel、 等々のサイトへのアクセスが可能なPROバージョン(有料 $39.99)もTVersity社から提供されています。

<TVersity使用上の注意点>
TVersityは、機器間の相互接続性を保証したDLNAの正式認証ソフト(DLNAロゴを取得)では無いため、例えば、 ソニーBRAVIAや東芝REGZAなどのDLNA認証デジタルTVのようにTVersityを認識できない機器がありますので使用する際は注意が必要です。
⇒ DLNAの詳細については、「DLNAとは」のページをご覧ください。

以下では、

  • TVersityのインストールと各種設定
  • TVersityで何ができるか

などTVersityの使い方について紹介します。

なお、TVersityなどのコンテンツサーバソフトを使用してマルチメディアコンテンツを活用できるデジタルホームの詳細については、

  • デジタルホームへ向けて(動画・静止画・音楽をホームで利用するシステムの構築)
  • デジタルホームの作り方(マルチメディアホームシステムの作り方について)

等のページ(左記メニュー)をご覧ください。

TVersityの使い方



TVersityのインストールと各種設定

TVersityの最新バージョン(Version 2.2 :2012年7月現在)は、 TVersity社のホームページからダウンロードできます。
TVersityのインストールはWizardの手順に従えば簡単に行うことができ、その際にトランスコード用のコーデック (Codec Packとffdshow)もインストールされます。

TVersityのデモビデオ
TVersityのインストールや設定の方法等のデモビデオを、 「デモビデオ集」のページに掲載してありますので参考にしてください。

TVersityの設定は下記のように画面上部の4つのカテゴリーの内の『Guide』、『Library』、『Settings』を用いて行います。

TVersityの動作設定:Settings
TVersityの動作設定は『Settings』画面で行います。
通常はデフォルトのままで(何もしないでそのままで)動作するようになっていますが、設定を変更する場合は、 『Settings』画面の左側のGeneral、Media Library、Transcoder、Internet Feedsをクリックすると表示される画面で設定を行います。
『General』画面では、TVersityのスタート、ストップ、リスタートが指定できますが、その他はデフォルトのままでも大丈夫です。
『Media Library』画面もデフォルトのままで大丈夫です。
『Transcoder』画面では、トランスコード(ファイル形式の変換)機能を利用するかどうかを設定することができます。 デフォルトでは「Only when needed(recommended)」にチェックが入っていますので通常はそのままにしておけば大丈夫です。 Video resolution(最大動画サイズ)は小さな値になっていますので、 フルハイビジョン動画を視聴するような場合は1920x1080等の大きな値に変更しておきます。 Connection Speedは使用しているLANの種類を選択しておきます。変更を行った場合は最下部の「Save」をクリックして確定しておきます。
『Internet Feeds』画面もデフォルトのままで大丈夫です。

配信コンテンツの設定:Library
TVersityで配信するコンテンツは『Library』画面で設定します。 「+ Add Item」をクリックすると、 コンテンツが保存されているフォルダを選択する画面が表示されますので、目的のフォルダを選択して「Submit」をクリックします。
『Library』画面の例は、「コンテンツの共有設定」のページにも掲載してありますのでご覧ください。

インターネット映像サービスへの接続設定:Guide
『Guide』画面に表示される各種サービスの「+」をクリックして登録します。登録結果はLibraryに反映され、『Library』画面にリスト表示されます。 『Library』画面の例は、「コンテンツの共有設定」のページをご覧ください。

<注意点>パソコンのファイアウォールの確認
Windowsのファイアウォールや各種セキュリティソフトのファイアウォール機能によりTVersityの利用がブロックされ、 ホームネットワークに接続された機器からTVersityにアクセスできないことがあります。このような場合には、 ファイアウォールによるブロックを解除しておく必要があります。
Windowsファイアウォールの場合は、「コントロールパネル」→「Windowsファイアウォールの設定」→「例外」タブを表示して、 その中の「TVersity(Media Server)」にチェックを入れておきます。
また、セキュリティソフトによるブロックを解除するには、ファイアウォールの設定に関する画面をまず表示して、 その中から「アプリケーションの例外設定」を選び、「TVersity(Media Server)」にチェックを入れておきます。


TVersityのGuide画面(TVersityを起動したときの最初の画面)

TVersityのGuide画面(TVersityを起動したときの最初の画面)


TVersityのSettings画面(General画面)

TVersityのSettings画面(General画面)


TVersityのSettings画面(Transcoder画面)

TVersityのSettings画面(Transcoder画面)


TVersityのLibrary画面

TVersityのLibrary画面




TVersityで何ができるか

ネットワークメディアプレーヤーを用いて視聴
IO DATAのネットワークメディアプレーヤー「AV-LS300」 を使用してTVersityにアクセスすると、 FLV、DivX、H264、VOB、等々の動画ファイルもトランスコードして再生・視聴できるようになります。 例えば、19MBのFLVファイルは約90MBのMPEGファイルに変換されて、パソコンから「AV-LS300」に送信されます。 この時、ffdshow(Video Decoder、Audio Decoder)が起動していることを示す小アイコンが TVersityを搭載したパソコンのタスクトレイに表示されます(OSによっては表示されない場合があります)。 なお、MPEG2やWMV9を視聴する場合は、このアイコンは表示されません。

「AV-LS300」は2008年6月に生産中止になってしまいましたが、後継機 「AV-LS500VX」が2009年4月に、 「AV-LS700VX」が2009年12月に発売されました。
「AV-LS500VX」の場合もFLV、DivX、H264、VOB、等はMPEGに変換されて再生できますが、 再生が始まるまでに時間がかかります。

Buffaloのネットワークメディアプレーヤー「LT-H90」、「LT-H91」の場合は、MPEG2/1、WMV9、H264、 AVI(使用コーデックに依存)はスムーズに再生・視聴できますが、FLV、MOVや一部のAVIなどは再生できず、 トランスコード機能が使える場合は少ないです。

PS3、Xbox360、Wiiなどのゲーム機を用いて視聴
ネットワークメディアプレーヤーとしても利用できるPS3やXbox360、Wii等を使用してTVersityにアクセスできます。 トランスコード機能も利用できますので各種インターネットサービスのコンテンツを視聴することができます。
⇒「ゲーム機の使い方」のページを参照してください。

デジタルTVを用いて視聴
東芝のREGZAやソニーのBRAVIAなどのDLNA対応デジタルTVでは、 パソコンにインストールされたDiXiM2、UltimateCS、CyberLink などのDLNA対応サーバソフトはテレビ画面上に表示されますが、 TVersityは表示されないため利用することができません。
(TVersityの内部設定を変更するとデジタルTVでの視聴が可能になりますが、ここでは省かせていただきます)

TVersityと同様のトランスコード(ファイル形式の変換)機能や、 インターネット動画共有サイトへのアクセス機能をデジタルTVでも利用できるコンテンツサーバソフトについては 「「B's 動画 on TV」の使い方」のページをご覧ください。
「B's 動画 on TV」は、UltimateCSのリニューアル版です。


PCを用いて視聴
DLNA対応のクライアントソフトDiXiM2(Client)や「B's 動画 on TV(旧UltimateCS Pro)」 を搭載したパソコンを用いて他のパソコンのTVersityにアクセスすると、 FLV、DivX、H264、VOB、等々の動画ファイルをトランスコードして再生・視聴できます。

インターネットコンテンツの視聴
IO DATAのネットワークメディアプレーヤーを使用すると、TVersityで登録したYoutube、Google、 InternetTV等のコンテンツを視聴することができます。その際に、 インターネット上で広く使われているFLV、MP4などの動画ファイルはトランスコードされて再生・視聴できるようになります。
Buffaloのネットワークメディアプレーヤー「LT-H91」、「LT-H90」の場合は、 FLVのトランスコード機能が利用できないためFLVを使用しているコンテンツへのアクセスはできないようです。
また、「B's 動画 on TV(旧UltimateCS Pro)」やDiXiM Media Clientを搭載したパソコンを用いてTVersityを搭載したパソコンにアクセスすると、 TVersityで登録したYoutube、Google、InternetTV等のコンテンツを視聴することができます。

TVersityの動作状況の確認
『Status』画面を表示すると、TVersityが認識しているホームネットワーク上の全ての機器を知ることができます。 TVersityの内部初期設定の関係で、パソコンはSONY PS3と表示され、ネットワークメディアプレーヤーはDeviceと表示されますが、 マウスのポインタを合わせるとIPアドレスが表示されますので機器を特定することはできます。
また、コンテンツのストリーム配信やトランスコードの状況が『Status』画面上にほぼリアルタイムで表示されます。 例えば、インターネット上のFLV動画コンテンツをTVersityがダウンロードして、これをMPEGに変換し、 MPEGコンテンツとしてクライアント機器に配信していることが分かります(以下の画面例を参照)。

TVersityのライブラリーに直接アクセス
Internet ExplorerやFirefoxなどのブラウザを使用してTVersityのライブラリーに直接アクセスすることができます。 TVersityがインストールされているパソコンのIPアドレス(例えば、192.168.12.10 等)とTVersityのポート番号(41952)を用いて 「http://192.168.12.10:41952」のように入力すると、ライブラリーのリストをブラウザ画面上に表示でき、 その中のコンテンツを再生することができます(以下の画面例を参照)。
ブラウザ機能を持っている機器であれば、ホームネットワークに接続されている機器や外部の機器からも同様にアクセスすることができます。
なお、ホームネットワークの外部からこのアクセスを行う場合は、 セキュリティソフトのファイアウォールやルータの設定を外部からアクセスできるようにしておく必要があります。

<参考>TVersityのビデオとスクリーンショット
TVersityの機能や使い方を説明したビデオや画面の例がTVersityサイトの「 Screenshots & Videos」 のページに掲載されていますので参考にしてください。

<ワンポイント アドバイス>
TVersityのトランスコード機能を利用するには、パソコンのCPUが十分な性能を持っている必要があります。 例えば、Core 2 Duoクラスなど。

TVersityのStatus画面

TVersityのStatus画面


TVersityのライブラリー事例(パソコンのブラウザで表示した場合)

TVersityのライブラリー画面